たまうどんと書くと沖縄そばの親戚と思われるので、ここはタマウドゥンと書いておこう。これまで世界文化遺産の玉陵(タマウドゥン)を訪れる機会がなかった。
今回は、修学旅行生の列を避けつつ、ようやく訪れることができた。見られるのは外観だけだが二重の外壁に仕切られた空間、3つの陵墓が心地よい大きさで僅かに向きを変えて配置され、各陵墓のプロポーションも綺麗な収まりだ。
玉陵は、琉球王朝を統治した尚一族のお墓であり、何故か初代の尚巴志の墓はなかった。尚氏は初代の後内紛があり、陵墓に残されている墓は第二尚氏以降のものだ。
ここは修学旅行生達が多くやってくる。気温28度で日差しが強いので日陰に固まっている。「なんだ石の墓かよ、こんなの、何が面白いかなぁー」という顔がありありとうかがえる。でも、この空間の配置は彼らの記憶に不思議な違和感として残るかもしれない。そこが大切なところだ。記憶の隅に本物の空気がのこされていればよい。所詮建築物の一つだから。
入り口脇の切符売り場の地下が展示室になっている。そこの写真がえらく古くて、いつのころのものだろうか、迫力がある。まあいやでも、ここを見てから陵墓にゆけということらしい。
一般に沖縄は、墓を立派につくる風習は、王家にとどまらず古くからの家でも石造の墓をつくる。結果として今では、某市役所の敷地の脇といつた具合に、とんでもないところに墓がある。それはあとから役所が墓のそばへやってきたということなのだが。そんなわけで、市内に墓が点在しているといってよい。これまで住まいをつくるのと同じぐらいの費用を投じて石造のお墓をつくることに腐心してきた。
そこまでして、自然崇拝か・・・とため息がでる。
那覇市首里城
Nikon W300,NIKKOR 5X OPTICAL ZOOM4.3-21.5mm、F2.8-4.9
ISO125,焦点距離14.1mm,露出補正+1,f/4.6,1/100