Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編388. 講義抄録・地域空間構成論第1講 総論

2019年01月18日 | Nagoya city

図1.東京新宿副都心

 

図2.ヴェネツィア

 

図3.ボストン、ファヌィエル・マーケット・プレイス

 

 私が教えてきた名古屋市立大学芸術工学部に赴任当初、地域空間構成論という講義を受け持つことになった。それも建築・都市専攻の学生以外に視覚情報デザインとか、そしてあろうことか人文社会学部の学生まで受講する講義だった。だから建築・都市分野の専門用語を使わないでレクチャーをすることが大前提になってくる。

 そのときに思い出したのが「三井不動産S&E研究所/北山創造研究所編:まちづくりの知恵と作法、日本経新聞社、1994」という本の企画と編集という仕事に従事させられたことである。

 まちづくりの知恵と作法の講義バージョンか。私のメインの講義ではなかったという気楽さもあり、それなりに街への関心を啓蒙する役割を果たそうとするものであった。

 しかし内容が本のままというわけにはゆかない。というのも講義は90分だから圧倒的に話すボリュームも素材も足りない。そこで大いに加筆し、不足する画像を集めて全国を走り回り、アカデミックの知見を取り入れて、私なりに咀嚼して、まとまったのが大学で行ってきた地域空間構成論の講義である。

 従って前述の書物とは考え方が違っている部分もあるが、学生達のまちづくりへの関心を育成したことは確かだろう。

 そのなかから講義抄録として要点をブログで紹介しよう。

 というのも90分の講義は、学生達の理解を促すために概念を体系化し、重要事項をA3チャートのレジメにしている。これは結構緻密な編集をしているので、Blogの低解像度の画像では文字が判読できないこともありアップしても意味がない。

 講義ではレジメと一緒にスライドを投影している。いってみればレジメの論拠のような扱いだ。先の本で使用したスライドも含め、その後私が走り回って撮影した画像を加え、少しだけ大学の講義の空気を伝えられればと思う。だから抄録としている。

 画像は、世界の50都市ほどを扱っており、画像は私が撮影したものが多いが、前述の本の執筆者達から貸して頂いたものなどもある。

 先日、そんなスライドのデジタルデュープを撮ったので、その中から一寸だけブログで紹介しよう。

 第1講総論では、最初にどんな街をつくりたいのですか?、そうした設問が設けてある。図1のようなコンクリートと鉄のモダニズムな街なのか?、図2のように古い伝統のなかで暮らす街なのか?、図3のように現代都市の中に、歴史を活かして現代の新しい街にするのか?。

 もちろんこの講義では、図3のファヌィエル・マーケットプレイスのような都市再生型の再開発方法を主眼に置いている。そうした点で古い記憶を捨て去り超高層ビルを何本も建てるような現代の都市再開発の方法とは一線をかくしている。これがこの講義の癖あるポリシーなのである。

 

 図3.ボストン、ファヌィエル・マーケット・プレイス

 

参考:まちづくりの知恵と作法p8-16

NikonF4,Tamron17mm/F3.5,NikonF,Nikkor-H Auto28mm/F3.5、MinoltaCLE,Rokkor40mm/F2.0, Minolta α3,Rokkor20mm/F2.8、エクタクローム

自分で撮影した画像とはいえ、どうして撮影機材は、しっかり覚えているんだろう(笑)。

参考文献:三井不動産S&E研究所/北山創造研究所編:まちづくりの知恵と作法,日本経新聞社,1994,p7-34.

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