Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編397. 講義抄録・地域空間構成論第9講 祭論

2019年01月27日 | Nagoya city

図1.京都市内の祭について編集した私家版の本(126頁)。京都市内で230以上の祭が確認できますが、実際はさらに多い。そんな多くの祭について記載した類書は数多くありますが、そこをあえて撮影した画像を私なりに本のスタイルで編集して講義のテキストにまとめました。何よりも私の目線というのが講義では重要だからです。

 

 C.H.Hallのイベント分類に寄れば6類型あるが、そのなかで宗教イベントをとりあげた。日本の祭は、旧暦の暦に従って多彩な祭が体系化されていること。そうした祭とは農本社会の農耕のリズムと関係していること。それが後に都市への祭礼に変化する柳田国男説を紹介しつつ、その後の都市祭礼に焦点をあてた。なかでも京都市の1年間の催事を事例にとりあげ都市祭について論じた。京都市観光情報に記載されている主な祭だけで230ほどあった。

 祭の数は多く講義で体系化するために、実は126頁のPDF本に編集していた。その大系とは、節分に始まり、節分で終わる、1年間という旧暦に沿って祭が行われているとする体系だ。まとめておいてよかったと思う。

 ブログでは、そのハイライト部分だけを画像で示した。

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 さすがにこのあたりまで来ると、ブログに書くのも忍耐の限度を超えて面倒くさくなるし、なぜか疲れるのだ。なんでこんなのを連続テーマにしているのだろう?。そうか寒い冬を忘れるために連載にしたのだった。こんなことを書きながらもうじき節分だから、一番寒い季節を暦上では通過しつつある。あと1回分だけだ、頑張ろうという気分だね。はやく春が来いだよ。

 

図2. 節分絵・壬生寺   2日間にわたり1日数回、節分にちなんだ狂言が行われる。観覧無料、今は撮影は一切禁止と厳しい。境内には露天が立ち並び、いかにも冬の空気を感じさせてくれる。

 

図3. 紅しだれコンサート・平安神宮   平安神宮の桜は、市内の桜会の開花より1週間以上遅く開花する。だから市内で桜が散った頃見頃を迎える。そんな桜のなかでのコンサート。

 

図4. 葵祭・上賀茂神社・下鴨神社   牛車の音だけが聞こえる静かな祭である。平安時代の装束の人たちが続く。ただそれだけの祭である。着衣のどこかに葵の葉をつけていることだけが、この祭を表している。

 

図5. 三船祭・車折神社   芸能の神様だから、桂川にご神体を浮かべその前で古典芸能などを披露する。それに先だって小学校6年生の女の子が舞う紗那王は大変妖艶だ。そうか女は12歳〜20歳までが一番綺麗なのだ。あとはみんな壁つくっておばはんだよなと思わせてくれる。

 

図6. 京都薪能・平安神宮   たき火は焚かれているが、やはり現代人の視力ではものたりないのだろう。だからライトアップされている。それで観世流や金剛流の能や狂言をみることができる。

 

図7. 祇園祭・八坂神社   特に語る必要も無い八坂神社のお祭り。7月1日から一ヶ月続く。

 

図8. みたらし祭・下鴨神社   このときだけ水路に水がひかれ、それが大変冷たい。そのなかを蝋燭をもって祭壇にあげにゆくわけだが、その冷たさが暑い夏には大変心地よいのである。

 

図9. 五山送り火 お盆にやってきた先祖がお帰りになる、そんな宗教行事を都市全体で行っている。送り火がともされる姿は、まさにご先祖様達が天空へ帰ってゆく姿のようにみえる。

 

図10. 名月管弦祭・下鴨神社   中秋の名月をみながら古典舞踊を楽しむという優雅な祭。以前は近所の人たちぐらいしかこなかったが、最近は観光バスでやってくる。

 

図11. 日野裸祭・法界寺  真冬の夜に行われる京都の奇祭。祭の前に生水で体を清めるときいてブルッとしてしまう。下帯が安産のお守りになるそうだ。

 

図12. 節分・吉田神社   節分の時は市内の多くの社寺で節分行事が行われている。そうした行事の〆は吉田神社が相応しい。3日の夜11時になると境内の大きなお供えものの山に火がつけられ盛大に燃え上がる。そんな大きな火の塊をみながら、明日は立春である。春が近いと気分だけは軽くなる。

 

NikonF4,AiAF Nikkor20-35mm/F2.8,AiAF Nikkor35-70mm/F2.8,AiAF Nikkor70-200mm/F2.8,ベルビア,プロビア

参考文献:三井不動産S&E研究所/北山創造研究所編:まちづくりの知恵と作法,日本経新聞社,1994,p199-218.

 

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