京都を発ち、名古屋、ポルトガルを経由して15日目、旅の最後は渡名喜島でダイビングだった。ここは、北の風、西の風、南の風がこない僅かな時だけ、島が風よけになって潜ることができるポイントだ。
だから滅多にはこれないポイントだと聞いた。確かにここは絶景なのです。それにしちゃ役不足の撮影機材で、本来ならデジタルニコノスあたりが出ているとよいのだが、今はこれしかないので頑張って撮ろう。
ふと考えると、優れた機材の登場を待っていては、撮れないことが多い。だから今あるものでベストを探すほかないというのが人間社会の原則だ。でっ、私のように建築や都市をつくる仕事をしてきた人間にとっては、人間社会の原則で我慢するなどしゃらくせぇー、今ある性能に満足できないなら新しくつっちゃえばいい!、とモチべーションがわき起こる。だから今あるもののベストに満足することはないという困った性分だ。
もし私の専門分野が建築ではなく電気や精密機械工学だったら、小さく世界一高性能な水中機材を自分でつくっただろう。レンズはツァイスかニコンの魚眼をばらし新たに防水型の鏡胴をつくるのが難問だが、イメージセンサーや回路基板は発色が良いSONYのα7Sを流用し、ボディは、丈夫なのはFRPだけど防水のためのディテールが難点だからアクリルの射出成形でつくるか。或いはフィルム時代のニコノスのボディ流用だったら回路基板やバッテリーが十分入るし、ワーキングディスタンスも取れそうだ。モニターは外付けでもいいか。あとはどこかの大学に転がっている実験装置で耐候性をテストしてみれば、潜れる限度もわかるだろう。まあ5気圧に耐えられれば十分だから、おそらく市販品より潜れる水深は深いと思うな。車に比べれば撮影機材をつくるのは、パーツが流用できれば(ガラスの研磨なんかしたくないですから)可能性は高くなるし、精密機械だから治具も特殊だろうなと、いくつか難問もあるができない話ではない。最後にMarine1(米国大統領専用機みたいだ)とシルクスクリーンでもはっておけば格好がつくだろう。それが工学系あるいはプロダクトデザイン系の見方。
といってまあ既製品を買った方が安いけどさ(市販されていればだけど)。だから高画質なニコノス・デジタルの登場を待ちたいですね。画質の悪い絶景画像はすべてニコンW300で撮影し、新しく出てきたニコノスには活躍の機会がなかった、なんていう話が世の中の常ですけどね。
沖縄県渡嘉敷村ブルーホールor島尻﨑ホール
ニコンcoolpixW300
1)ISO250,焦点距離5.6mm,露出補正0,f/4.2,1/30
2)ISO400,焦点距離5.6mm,露出補正0,f/4.2,1/13
3)ISO125,焦点距離7.8mm,露出補正0,f/4.3,1/1000