Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

番外編417. 私論、旅機材!

2019年08月29日 | Photographic Equipment

 

 ポルトガルでは、機内持込手荷物8kgの制限に対して私の荷物は7.6kgだった。

 さて旅って、どんなレンズを持ってゆけばよいのだろうか?。そこで私が撮影したデータをとってみた。

 私は焦点距離を定めてからファィンダーをのぞいて撮影するので、概ねキリの良い焦点距離で撮影している。そこでEF28-300mmレンズを用いて、今年3月にフィリピン、7月のポルトガルにおいて、ブログにアップさせた画像で使われた焦点距離毎の構成比を図にしたのが以下である。元画像から抽出してブログで使用した画像という点では、これを代表サンプルとする見方もできる。

 青字がフィリピン(F)、赤字がポルトガル(P)で、それぞれ百分率でしめした。

 全体の出現状況では、28mmが、(F):25%、(P):41%、と広角側の利用頻度が著しく一番高いことが共通する特徴であり、広角ズームレンズが必要だということの論拠になっている。

 その他に35mm、70mm、150mmが同様の利用頻度である。50mmと135mmが20%〜数%の間で比較的利用頻度が高く、50mmでは(P)、135mmでは(F)が高くなり、被写体の違いを反映しているのだろう。

 違いをみると、(F)では各焦点距離が比較的ばらつく傾向があり、(P)では28-70mmと105mm以降に集約され、また(P)では85、90、200mmの焦点距離が出現しなかった。

 また300mmの利用頻度が低いからといって不用ではなく、300mmでないと捉えられない被写体があることも事実であり、グラフでは数値は低くても(F) でも(P)でも一定数出現している。

 さらに広角側と望遠側はほぼ同時に出現する。フィールドでレンズ交換なんかできませんから大三元の高画質レンズを持参するなら3本のレンズと3台のボディを持参することになる。それは軽くしたいとする私のポリシーから反する結果となる。だから広角から望遠までのズームレンズ1本で納めて荷物を軽くしたいわけです。

 例えばここに、フルサイズ換算で28〜135mmの焦点距離ズームレンズがあったとする。すると(F)85%、(P)90%の撮影ができることになる。従って私なりに考えればフルサイズ換算28-135mm/F4.0の高画質レンズが、旅に持参するベストの1本という結論になる。各メーカーのAPSクラスの機材だったら、こうしたレンズが比較的豊富に出ている。

 そんなわけでトップの画像で示したのが、キャノン、ニコン、SONYの3種類の私の旅機材システム。私が今持っているデジタル機材はこの3台にやっと集約できた。

 これからもキャノンEOS1DsとEF28-300mm/F3.5-5.6の高倍率ズームレンズが旅に出てゆく可能性が一番高い。それが飛行機の手荷物制限で重すぎてアカンときは、1/2の重さで同仕様の予備機材ニコンDf、SONYは前述のシステムで不足する超広角側を補うために加えている。もちろんどうしても軽くしたいときは、ツァィスブランドの標準ズームレンズを加えてSONYだけで持ちだす場合もあるが、個人的には少し心細い。それに撮影画像をみると、やはりEOSが一番よいというのが私の経験。

 何故重量制限があるのに一番重たいE0S1Dsmark3+EF28-300mmをあえて旅に持参するか、ということには理由がある。サービスセンターのレクチャーでの話(EOS1だけは常勤の担当者が対応する)を含めてまとめておこう。

 それはプロユース機材とアマチュアユース機材は、画像ブログラムと画像処理エンジンが違うこと。プロユース機材であれば、画像処理プログラムもパラメーターの設定でプロユースとアマチュアユースとを仕分けている。アマチュア用やビギナー用になると、当然パラメータの設定が変わってくる。

 そうなると被写体本来の色から離れてゆき、私はEOS1以外は信用できないという結論になる。それに高倍率ズームでLレンズという品質を維持するために相当の開発コストがかかったという話を聞いた。だから目下同種レンズのバージョン2をつくる予定はないそうだ。

 もう一つ理由があり、この時代のボディと同時代に開発されたレンズを使うのが原則だということ。だからボディだけを更新した場合に、ボディの解像力とレンズの解像力とがかみ合わなくなり、思ったほど画像が良くならないという苦情が寄せられることになる。ボディとレンズは同時代の設計であり、解像力のバランスをとることが原則なのだ。

 そうした違いを体験してみたかったら、100枚ぐらい写した画像をPhotoshopで修正を試みればよい。EOS1Dsで撮影した画像は修正の必要がない画像が圧倒的に多い。それにひきかえ例えばニコンW300で撮影した画像は、被写体が水中という特殊な環境だということもあるが、ほとんどの画像で修正する必要が出てくる。それぐらいの差を経験するだろう。予備システムのニコンDfは半分以上が修正されるし、SONYα6000に至ってはツァイス固有の色は邪魔だとばかりに削除される。意外に修正幅が小さいのはiPhon7だった。

 そんなこともあり、EOS1Dsは立体感や空間感を感じ画像の後処理が明快なので、やはりフィールド調査では必須の機材だ。重たくても持ち出す理由がここにあるわけだ。

 ところで旅機材を揃えるといっても私の場合NikonとSONYのレンズをそれぞれ1本ずつ新たに調達して手元機材に加えただけ。実は、コンタックスT3とオリンパスレンズを売却した結果、良い値段で売れたおかげで売却資金の半分くらいを使って、超広角レンズと、予備機材のレンズとを調達でき旅システムができた。

 そんな風に多くの機材の断捨離をおこない、旅先での経験を踏まえつつ、自分で使いこなせる実用的3つのシステムに整理集約できたのは快挙だと我ながらほくそ笑むが、・・・こういうとき皮肉にも旅に出る機会がなかったりする。自分の目の延長として、かの国の空間を記録してゆく、そのために撮影機材に拘るわけだ。

 

トップ1)iPhon7

ISO40,焦点距離3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/17

2)EOS1Ds mark3,EF28-300mm/F3.5-5.6ポルトガル・ジェロニモス修道院

ISO1600,焦点距離28mm,露出補正0,f/3.5,1/60

3)NikonDf+AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR京都市・祇園

ISO1600,焦点距離35mm,露出補正-0.67,f/5,1/100

4)SONY α6000、E10-18mm,F4.0京都市・祇園

ISO500,焦点距離18mm,露出補正-0.3,f/8,1/60

コメント
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