そういえば最近築港のカフェで美希姉ちゃん達をみかけないなあ。
小春「あらっ、おじさんにいわなかったけ!」
「なんにもしらないよ」
小春「あのねえ、美希姉ちゃん達は今札幌に住んでいるの。直人君のアパートがあるじゃん。一緒に暮らして学校に通っているよ」
「ああっ、同棲中ですか・・・・・」
小春「違うの!。結婚しちゃったの!!」
「うーーん、彼女らしいなぁー」
小春「だって結婚といったって書類1枚役所に出すだけじゃん。簡単だもん」
「結婚式もしないんだ」
小春「そんなのお金がかかるだけだって。だから美希姉ちゃんの専門学校の卒業式の時に学校の仲間達とパーティーかなっていってた」
「確かに一理ある!」
小春「だって、直人君のアパートがあるじゃん。そこで一緒に暮らしているの。二つもアパート借りるのもお金がかかるし、ならば一つでいいじゃんという話になって」
「確かに・・・」
小春「それで美希姉ちゃん達は、ご飯をちゃんとつくって生活しているから、毎日快適なんだって」
「一人暮らしで毎日カップヌードルなんていう暮らしは悲惨だもんね」
小春「私達も早く結婚したいーー。おじさんなんか方法ないの?」
「まだ中学1年生だから、そりゃちと無理ですわな」
小春「つまんないの!」
「そうだ、書類を出すのは先にして、式も後にして、それで生活を先にして一緒暮らせばいいんだ」
小春「そう言う手があるかーーー・・・」
「おさな妻か・・・」
小春「何それ!?」
「いやいや・・・」
今、婚姻年齢は男女18歳だから早熟の小春にはむごい。ならば生活が先、子供を産むのが先、後で婚姻届をだせばよいか。翠の早熟バージョンだ。ありえるのか。12歳になれば身体的に大人だ。だが婚姻年齢との開きが6年ある。それはちとむごいな。婚姻年齢は12歳にすべきだろうな。
そうすると教育関係者が、まだ子供なんだからあんた何をいってるんですか!、となるだろう。だが果たして12歳って子供なんだろうか!?。身体的には既に大人だ。多分教育関係者の古くさく頑固な頭が、小春の人生を阻害しているんだろう。
小春は小学校の頃から家の手伝いをしてきたし、そのうち自分で買い物をして家族の調理をするようになったし、その頃から精神的に大人になっていった。つまり早熟なんだ。だから一緒に住んで結婚同然の生活をしても不思議ではない。
つまり婚姻届けって徴税のための制度だから、男と女の世界には関係ない。人間は、年齢ではなく、生活環境次第でいかようにも精神が成長する。つまり大人になってゆく。
そう考えながら、水泳部の部活にでかける小春の後ろ姿を見送った。
ツカモッチャン家も少しずつ寂しくなるな。・・・いや!、そうじゃない。大量に子供達をつくってやってくるのだ。7人の兄弟姉妹達が7人の子供をつくれば49人の子供達だ。ええっ!、それってどうなるの!!!。
・・・
小樽のスカッとした夏の空が広がっている。