感染症が過去最大になると、翠との休日も貴重な時間になってくる。
今日は海岸でビーチパラソルを借りて半日海の風のしたですごしていた。
気持ちいいねじゃ、一言で終わって会話が途切れるじゃん。
「なんかおもろい話はないの?」
翠「あるよ。病院に泊まり込んでいる感染病棟の晃子さんから聞いた話。あの医療技師のボッキマンがいたでしょう!」
「会えなくてトシコさんと別れたとか・・・」
翠「ちゃうの。晃子さん『お前のラップトップ、ザーメンの臭いがするんだけど・・』ってボッキマンにいったの」
「医療技師だからいつもパソコンを持ち歩いているか」
翠「でね、晃子さんかボッキマンのラップトップをみせろ!、というわけ」
「いつも強引な看護師だねえー」
翠「でね、ボッキマンがやだといったけど、もぎ取ったの。晃子さん力あるじゃん」
「ほう・・・」
翠「それで晃子さんが『どうせエロな画像でもみてマスかいているんだろ!、といってボッキマンの画像を探し出したの』。そしたらトシコさんの画像がでてきて、『アラトシコさんじゃん。なに!、この唇を突き出した画像は?』というわけ」
「動画でバーチャルキスでもていたか!!!」
翠「それじゃザーメンの臭いはつかないよ。晃子さんはそう思って『このキスみたいな唇は開いているよね。その開口部の大きさがアレのサイズだよね』だって」
「観察鋭いじゃん」
翠「だって晃子さんは感染病棟の看護師だもん。でね『あっ!、おまえチンポをラップトップに向けて、トシコさんが口でくわえるそぶりをして。バーチャルオラルをしていたんだろう!!!』だって」
「オオッ!!、バーチャルオーラル!!!」
翠「そこまで探られたらボッキマンも白状した。『はい、それで射精していました』って」
「涙ぐましい医療関係者」
翠「それでね。晃子さんかボッキマンに尋ねたの『お前、家に帰ってトシコさんとセックスしているのか!』って。そしたら3週間はかえってなくて病院に泊まり込みだったんだって」
「感染者数過去最大だとそうなるのかぁー」
翠「数少ない医療技師だもん。それで晃子さんか先生のところにいって『ボッキマンが家に帰れなくてラップトップでバーチャルセックスしているよ。だからかわりの技師を探して彼を早くに家に帰せ!!』って直談判したの。それでボッキマンは週イチで休めるようになったの」
「涙ぐましいですね。晃子さんは家に帰らないの?」
翠「あの人は患者が死にかけていても、ちゃんと休みをとる人よ。帰りに葬儀屋に連絡いてれおくのは忘れないけど、『今晩一人死ぬから明日棺桶持って取りに来い!』だって」
「そば屋から出前配達してもらったどんぶりを返すみたいだ・・・・」
翠「どんぶりを返すのは忘れないわ。違うかぁー・・・・」
ビーチパラソルの下での話は、大体即物的なんだ。
・・・
小樽の海岸の日射しが今年はきつい、といって日焼けするのを拒む翠ではない。明日には、黒い顔して、『おっはよう!』だろう。