海岸の話の続き
翠「まだあるんだ。色恋ネタが・・・」
「ネタではなく寝た、話!」
翠「杏樹さんという若い看護師の話。若いからときめくでしょう」
「そりゃ、もち!」
翠「でも、ときめく話じゃないの。だって杏樹さんって古風な看護師なのよ」
「続きを・・・」
翠「若いから当然彼氏がいるの。彼氏は海外に赴任しているの。ええっとベトナムだったかな」
「それで・・」
翠「杏樹さんが、階段で転んで怪我したの。確か眼の横と鼻の下と膝の擦過傷ね。でも結構傷が深くて医者も静養していろっていうわけ」
「でっ、彼氏が飛んできた!」
翠「感染症が流行っているからすぐにはこれないじゃん。それでスマホのリモートで彼氏と会話をしていたんだって」
「リモートセックスで・す・か・ぁーーー」
翠「近いかな!、杏樹さんは古風な人だからあまり下世話な事はしないのよ。もちろんアダルトサイトなんか恥ずかしくて見られないだって。でね!、怪我で休んでいたときに、心寂しくなったのかな。それで意を決してリモートで彼氏に『私の性器をみて』って会話をしたんだって。性器といったって乳首よ!」
「乳首も性器だったかぁー」
翠「それで彼氏が喜ぶよね。でっ、もっと下もって彼氏がおねだりしたんだって。それで杏樹さんは渋々指をパンツの下にはわしていったんだって。杏樹さんはオナニーなんかしない人なのよ。いつもじっと我慢しているタイプね。でも怪我の不安から彼氏のいうままにオナニーをし始めたんだって。そしたら気持ちがいいじゃん。『こんな経験は初めて!』っていってた。でも罪悪感を感じる古風な人だから、『翠ーー、これって悪い事?』って尋ねてきたの」
「快感を覚えれば、寂しさを紛らすために毎日するよね」
翠「そうよ。そうしてくれればめでたし、めでたし、なんだけど・・・。私に尋ねてくるのよ。うーーん、古風な人って思った」
「今時、そんな古風な人がいるんだ・・・」
翠「だって、彼氏に一番望むことが『I want baby!』だもん」
「快楽とは、無縁な人なんだ」
翠「そうよ、そんな人がまだいるんだと思って、私びっくりしちゃった。だって彼氏との会話がいつも何人子供をつくるって話ばかりなのよ」
「おっ、ツカモッチャン家みたいに多産系ファミリーの誕生だ!」
翠「何人子供をつくればいいですかって尋ねてきたから、私思わず7人!っていっちゃった(*^▽^*)」
「ホントにつくるかもな?」
翠「そうよ、彼女は絶対つくる。意志の固い人だから・・・・」
・・・・・
心地よい風がパラソルを抜けてゆく。