先日、当地で催された日野皓正クインテットを聴いた。新宿ピットインで聴いて以来30数年ぶりになる。白木秀雄のバンドに参加したころから日本ジャズ界の最先端を歩んできた日野さんは65歳になるが、いつも若手のメンバーに囲まれているせいだろうか、とても若々しい。ピットインの空気を一瞬で変えてしまう当時と変らぬ攻撃的なトーンを聴くと、老けたはずのこちらまで青々としてくる。
かつて有馬記念のスタート前にソロを吹き、中山競馬場内を静まり返らせた愛用のトランペットは某楽器メーカーの特注によるものだが、そのメーカーの貸し出し書にサインをして借りているものだという。自分の楽器でありながら、自分のものではないという奇妙な楽器だが、日野さんによると、このメーカーが外国人プレイヤーに楽器を提供すると本国に帰って直ぐに売り払うことから、このような貸し出し形式をとっているそうだ。どうやらアメリカではチャーリー・パーカーの時代から楽器は質屋の店頭に飾ることになっているらしい。
85年の「トランス・ブルー」は、ストリングスを配しエディ・ゴメス、ジム・ホール、 ケニー・カークランド、そして歌うドラマー、グラディ・テイトも参加した作品で、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をはじめスタンダードを叙情的に歌い上げている。何度も繰り返し演奏した曲は、ともすると手癖が出てしまい新鮮味に欠けるものだが、サイドメンに鼓舞されバラードの新境地ともいえる展開は、日本のトッププレイヤーに恥じないスタンダード集に仕上がった。このアルバムの最後を飾るビリー・ストレイホーンの「ラッシュ・ライフ」は、活き活きとした珠玉のフレーズを紡いでゆき、日野さんの青々とした人生を映しているようだ。
ライブの場とは違い地方公演では、普段ジャズに馴染みがない方へのサービスもみられる。美空ひばりの「川の流れのように」を切々と吹き会場を沸かしたが、川の流れのような自然体が新鮮なアイデアを生み、Lush Life ~若々しい人生を歩む秘訣なのかもしれない。
かつて有馬記念のスタート前にソロを吹き、中山競馬場内を静まり返らせた愛用のトランペットは某楽器メーカーの特注によるものだが、そのメーカーの貸し出し書にサインをして借りているものだという。自分の楽器でありながら、自分のものではないという奇妙な楽器だが、日野さんによると、このメーカーが外国人プレイヤーに楽器を提供すると本国に帰って直ぐに売り払うことから、このような貸し出し形式をとっているそうだ。どうやらアメリカではチャーリー・パーカーの時代から楽器は質屋の店頭に飾ることになっているらしい。
85年の「トランス・ブルー」は、ストリングスを配しエディ・ゴメス、ジム・ホール、 ケニー・カークランド、そして歌うドラマー、グラディ・テイトも参加した作品で、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をはじめスタンダードを叙情的に歌い上げている。何度も繰り返し演奏した曲は、ともすると手癖が出てしまい新鮮味に欠けるものだが、サイドメンに鼓舞されバラードの新境地ともいえる展開は、日本のトッププレイヤーに恥じないスタンダード集に仕上がった。このアルバムの最後を飾るビリー・ストレイホーンの「ラッシュ・ライフ」は、活き活きとした珠玉のフレーズを紡いでゆき、日野さんの青々とした人生を映しているようだ。
ライブの場とは違い地方公演では、普段ジャズに馴染みがない方へのサービスもみられる。美空ひばりの「川の流れのように」を切々と吹き会場を沸かしたが、川の流れのような自然体が新鮮なアイデアを生み、Lush Life ~若々しい人生を歩む秘訣なのかもしれない。
「ラッシュ・ライフ」は、感情移入しやすい曲なのでしょうか、ホーン奏者が多く採り上げております。ピアニストやヴォーカルの録音も多数ありますが、今週はホーン奏者中心にお好みの「ラッシュ・ライフ」をお寄せください。
管理人 Lush Life Best 3
John Coltrane / Lush Life (Prestige)
Art Farmer / To Duke with Love (East Wind)
Terumasa Hino / Trans Blue (Sony)
力作を発表し続ける日野皓正さんのベストはまだまだ先のことのようで、頼もしい限りです。
最近、日野さんのライブを聴かれた方もご感想お寄せください。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
困ったな、ピアノやヴォーカルならわざわざ検索しなくとも、
フィニアスとかJacintha とか、すぐ思いつくのが
あるんですけど・・・。
ちょっと検索して、手持ちを調べてみました。
1)「Gentle Jug Vol.3/ Gene Ammons」(Prestige)
骨太で、かつ繊細なテナー、いいですね!
ウィントン・ケリーの最晩年の音源としても貴重なんですが、
ソロを取っていないのが残念。
2)「Chet Baker Quartet」(PJ1232)
バースをラス・フリーマンが少し長めにやったあと、
チェットがテーマを。
中音域のふくよかなラッパが、心地よいです。
3)「Volunteered Slavery/ Roland Kirk」(Atlantic)
トレーンへのトリビュート・メドレーの冒頭でやってます。
こういう「まっとうな?」カークも、堪らなくいいです。
トレーンなら、私はwith ハートマンを取りますね。
Prestige のLush Life も悪くはないんですが、やや
冗長の嫌いがあります。
少なくとも、バードのソロは要らなかったかな?と。
ゲッツの「キャプテン・マーベル」でもやってるようですが、
これは不覚にも未チェックです。
ていうか、同じメンバーのモントルーでのライブ盤が
期待したほどの内容ではなかったので、どうもゲットするのに
二の足を踏んでいました。
ですが、気になって仕方がなかったアイテムでもありますので、
この際、思い切って注文することにします。
番外篇ですが、ティト・プエンテwithシアリングの
「マンボ・ディアブロ」なんてのも、ありますな。
あんまり印象には残っていませんが・・・。
わざわざ検索されたとはお手数おかけしました。チェットは予想した1枚ですが、アモンズとは以外でした。この人も日本では人気も評価も低い1人ですね。バトル物は最高でして、音の太さではテキサス・テナーのエド・ワイリーと並びます。奇しくも遺作が「グッドバイ」とは泣かせますね。
おどろおどろしいジャケからは想像も付かない「まっとうな?」カークは私も好きです。
ゲッツのモントルーといいますと、72年ですね。同日の録音が Joker から Portrait のタイトルで出ておりますが、こちらには「ラッシュ・ライフ」が収録されております。コリアはこの曲ではアコースティックを弾いておりますが、あまりいい内容ではありません。このアルバムではコリアお得意の「ラ・フィエスタ」も演奏しておりますが、ゲッツものっておりますよ。「キャプテン・マーベル」よりもいいかも知れません。気になっていたゲッツでしたらゲットされたほうがよろしいですね。(笑)
この曲のヴォーカルとなるとやはりハートマンが出てきますか。ハートマンもいいですね。早くも来週のネタ、拝借しました。(笑)
特に出だしのメロディーが良いです。
曲だけ聴いていると、ゆったりとしてよい感じでが、意味は、飲んだくれのやけっぱち人生?
まさに曲がタイトルになっているJoe Hendersonの「Lush Life」では、Hendersonはソロで演奏していますが、テナーのソロと言うのは珍しいと思って、印象に残っていました。
いったいいつになったらピアノやベース、ドラムスが入ってくるのだろうと待っていたら終わってしまいました(笑)。
1.John Coltrane and Johnny Hartman
どうしても、一番初めにこれが浮かんでしまいます。
2.Joe Henderson / Lush Life
3.Phineas Newborn Jr. / A Warld Of Piano
duke様、皆様、こんばんは。
あの当時の日野皓正は一種のスターだったと思います。白木バンドで腕を磨き、独立後は精力的に活動し人気があるのに勉強のため渡米した・・・イカシテル男だなと思ったものです。
今週は、ホーン奏者の「ラッシュ・ライフ」ですか。ホーン奏者と限定されると、結構難しいですね。
「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」
「ラッシュ・ライフ」トレーン
「モントルー1&2」アーチー・シェップ
でも本当は
「ストリクトリー・パウエル」バド・パウエル(RCA)
「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」
「ジス・ヒア」ボビー・ティモンズ
が好きなのです。(笑)
Lush Life の意味は歌詞の内容では、仰るように飲んだくれのやけっぱち人生です。まぁ、私を映しているようなものです。(笑)
歌詞を関係なく訳すと、青々とした人生とでもなるのでしょうか。日野さんは、酒を止められたそうですので、こちらを引用しました。
ジョヘンがきましたね。アルバムタイトルはコルトレーンを意識したものでしょうし、ソロはホーキンズの「ボディ&ソウル」に挑戦したのでしょう。どちらの曲も感情移入なしには吹けないものですが、切々と歌い上げるのは見事なものです。
ハートマンに、25-25 さんがすぐ思いついたというフィニアス、この曲の総合ベストですね。(笑)
30年前に日野さんを聴かれましたか。私も最初に聴いたのは30年前になりますが、時代の先端をいくスタイルとファッションはイカシテましたね。トランペットという楽器をマイルスより身近にしたのは日野さんであり、ジャズをより日本人の感覚に近づけたのも日野さんだったのでしょう。当地のコンサートでも普段はジャズを聴かない人の顔が目立ちました。
アーチー・シェップとは以外でした。私はけっこう好きでして、インパのフリー物もよく聴きますよ。当時からバラードは光るものがあり、最近のスタンダード中心の吹き込みは本領発揮というところでしょうか。
パウエルにティモンズ、そして先にコメントをお寄せ頂いたお二人が挙げたフィニアス、ピアノ・ベストも出揃いましたね。(笑)
トコさんの愛弟子のリッキーこと力武誠君では?
我らがヴァイブの殿・赤松敏弘さんがボストンから
帰国してすぐに、日野さんのグループに参加したんだ
そうですが、当時まだ健在だったトコさんのボーヤを
勤めていたのが、力武君。
一生懸命トコさんのドラム・セットをチューニングしている
リッキーの姿が印象的だった、との赤松さんの弁。
3年前に主催した赤松meets 岸ミツアキ3のライブでは、
力武君も参加していただき、その成長した姿に
またまた赤松さんは感無量だったと。
数年前に日野さんを聴かれましたか。ピットインでは簡単なメンバー紹介だけですが、大ホールのときはジョークを交えたトークをするようです。当地でも数曲演奏したあと、延々と30分ほど話しておりました。場所は端野(たんの)という地名の場所のホールでしたが、「ここは端野、堪能されましたか」等、オヤジギャグの連発でしたね。
数年前のドラムは、25-25 さんがご指摘の力武誠さんです。今回のメンバーは、p石井彰b金澤英明sax多田誠司は同じですが、ドラムは「和丸」という10代の沖縄出身の若手でした。筋はいいので将来が期待できます。
バップ曲は最近は演奏しないようですね。ソロで吹くアンコールはリメンバー・クリフォードを期待したのですが、スターダストでした。