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1949年に映画の主題歌としてヴィクター・ヤングが作曲した「マイ・フーリッシュ・ハート」は、封切されたに翌年に6ヴァージョンがヒットチャートを賑わすほど大ヒットしている。古くからスタンダードとして定着しているもののカバーするのはヴォーカルか、ストリングス入りの甘いオーケストラだったが、ジャズの楽曲としても十分に通用することを証明したのはビル・エヴァンスだ。以降レパートリーにしたプレイヤーも多い。
エヴァンスはヤングの曲を気に入っていたとみえて「ビューティフル・ラブ」も取り上げている。ワルツ・キングと呼ばれたウェイン・キングと、「林檎の木の下で」の作者として知られるエグバート・ヴァン・アルスタインとの共作だが実質ヤングの曲といっていい。31年に作られた曲で、作者の一人であるキング楽団の持ち歌のひとつだったが、さしてヒットはしていないようだ。タイトルの如く美しいメロディを持っているため、ともするとイージーリスニングになる楽曲だが、それを聴かせる演奏にまで昇華させたのはエヴァンスが持つ、いや正確に言うとエヴァンスだけしか持ちえぬ耽美性だろう。
エヴァンスの影響もありピアニストに人気がある曲だが、テナーで一気に吹き上げたのはヴィト・プライスだ。アート・ムーニーをはじめ、ジェリー・ウォルドやチャビー・ジャクソンの楽団で活躍したテナーマンで、大きな脚光を浴びたことはないがビッグバンドを背にした豪快なプレイは定評ある。このアルバムはプライスの唯一のリーダー作で、ルー・レヴィやマックス・ベネット、フレディ・グリーンという手堅いリズム陣をバックに気持ち良さそうに吹いている。リーダー作、それも初となると力が入るものだが、ジャケットのように路上で閃いたフレーズを奏でる感じだ。たった1枚のリーダー作は自然体のほうがトレンチコートのように格好が良い。
エヴァンスがこの曲を取り上げたのは61年の「エクスプロレイションズ」だったが、プライスはそれよりも早く、58年に録音している。もしかするとエヴァンスはプライスに触発されたのかもしれない。プライスが在籍していたジェリー・ウォルド楽団で、エヴァンスは54年に初レコーディングをしている。スウィングの糸は輪のように繋がっているではないか。プライスのアルバムタイトルは「Swingin' the LOOP」という。
エヴァンスはヤングの曲を気に入っていたとみえて「ビューティフル・ラブ」も取り上げている。ワルツ・キングと呼ばれたウェイン・キングと、「林檎の木の下で」の作者として知られるエグバート・ヴァン・アルスタインとの共作だが実質ヤングの曲といっていい。31年に作られた曲で、作者の一人であるキング楽団の持ち歌のひとつだったが、さしてヒットはしていないようだ。タイトルの如く美しいメロディを持っているため、ともするとイージーリスニングになる楽曲だが、それを聴かせる演奏にまで昇華させたのはエヴァンスが持つ、いや正確に言うとエヴァンスだけしか持ちえぬ耽美性だろう。
エヴァンスの影響もありピアニストに人気がある曲だが、テナーで一気に吹き上げたのはヴィト・プライスだ。アート・ムーニーをはじめ、ジェリー・ウォルドやチャビー・ジャクソンの楽団で活躍したテナーマンで、大きな脚光を浴びたことはないがビッグバンドを背にした豪快なプレイは定評ある。このアルバムはプライスの唯一のリーダー作で、ルー・レヴィやマックス・ベネット、フレディ・グリーンという手堅いリズム陣をバックに気持ち良さそうに吹いている。リーダー作、それも初となると力が入るものだが、ジャケットのように路上で閃いたフレーズを奏でる感じだ。たった1枚のリーダー作は自然体のほうがトレンチコートのように格好が良い。
エヴァンスがこの曲を取り上げたのは61年の「エクスプロレイションズ」だったが、プライスはそれよりも早く、58年に録音している。もしかするとエヴァンスはプライスに触発されたのかもしれない。プライスが在籍していたジェリー・ウォルド楽団で、エヴァンスは54年に初レコーディングをしている。スウィングの糸は輪のように繋がっているではないか。プライスのアルバムタイトルは「Swingin' the LOOP」という。
ビューティフル・ラブは、もしビル・エヴァンスが取り上げなかったら、ここまでポピュラーになっていなかったでしょう。今週はビューティフル・ラブのお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Beautiful Love Best 3
Bill Evans / Explorations (Riverside)
Kenny Dorham / Matador (United Artists) solo:Jackie McLean
Vito Price / Swingin' the Loop (Argo)
エヴァンスの愛奏曲ですのでエヴァンスは何度も録音しております。他にはアール・ハインズ、ミシェル・ペトルチアーニ、マッコイ・タイナー、アラン・ブロードベント、ケニー・バロン、スティーヴ・キューン等のピアニスト、ジョー・パスやバド・シャンクも取り上げております。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Vito Price Quintet 1958 ~ Beautiful Love
http://www.youtube.com/watch?v=Ek6z33YC0AI
Beautiful Love と言えば、やはりエヴァンスの印象が強いです。
と言う訳で、エヴァンスに一票です。
今日は、震災の事を想う日にしようと思っております。
2枚目以降は、ユックリ考えたいです。
つい先日まで車のCDチェンジャーに入ってました。
Beautiful Love は、エバンスは勿論別格ですが、
真っ先に思い出すのは、
土濃塚隆一郎君の「For Lovers」。
ふくよかで、かつ張りのあるフリューゲルの音色、
素晴らしいです!
そして、守屋純子さんの「Groovin' Forward」。
ビッグ・バンドのアルバムですが、この曲だけは
なんとピアノ・ソロで。
バロック的なアレンジで、あっと驚かされます。
守屋さんの音楽性の幅広さを感じるヴァージョンでした。
あと、ヴォーカル入りではありますが、
ヤン・ラングレンのヴィクター・ヤング集もいいですね。
これは、10年近く前にTAKASHIさんに教えていただいた盤。
これをきっかけにヴィクター・ヤングの曲に興味を
持つようになったので、忘れられない一枚です。
エヴァンスは決定的名演ですので、トップはこれで決まりでしょう。
震災から一年経ちましたが、心の傷は消えませんね。改めて亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
「For Lovers」は土濃塚隆一郎さんの2枚目のアルバムですね。ファーストは聴いたのですが、こちらはまでです。張りのあるフリューゲルを聴いてみます。
そして守屋純子さんのソロ、手持ちにないものが続けて挙がりました。バロック的なアレンジとは面白そうですね。今週の買い物は2枚で済むかな。(笑)
ヴィクター・ヤング集は何種かありますが、ラングレンはベストに近い内容と思います。ステイシー・ケントやジョニー・グリフィンのゲスト陣もさることながらラングレンの表現力に脱帽です。このアルバムではヤングの有名曲が全て聴くことができますが、バラード物で際立った才能を見せた作曲家といえるでしょう。
まだ選んでませんが、標題における、日本語と英語の掛け言葉に感心して、ついコメント書いてしまいました((笑)。
掛け値なし ヴィト・プライス(Vito Price)
Priceは値段、価格なんでしょうが、掛け値なしとはうまくまとめられて、あきれたり感心しています。
すみません、そんなに変わらないと思われるベスト3は明日以降投稿します。
この名盤、日本で最も繰り返し聴いたのは僕ではないでしょうか。もちろん冗談ではありません、真顔で言っています、「質より量」が信条です・・笑。もはや自分の心の一部になってしまっていますね、この作品は。この盤で唄われるデボラ・ブラウンの「ビューティフル・ラブ」もなかなか情熱的でいいですよ。というわけで・・、
25_25さんのコメント
>これをきっかけにヴィクター・ヤングの曲に興味を持つようになったので、忘れられない一枚です。
dukeさんのコメント
>ヴィクター・ヤング集は何種かありますが、ラングレンはベストに近い内容と思います。
という重鎮お二人の嬉しい御推奨の辞を引用させて頂き、御挨拶に・・もとい、ベスト3に代えさせて頂きます。どうか、みなさん聴いてみてください。
こちらは温度が+14度まで上がりまるで春のようです。でもまだまだ安心できませんが。
一番に浮かんだのが Kenny Baron Trio "Minor Blues" の中の一曲でした。
これは切れ味が良くてキビキビした雰囲気が気に入っています。後は何故か思い当たらないので少し持ち盤を探ってみます。Bill Evans が頭の中から消滅しているので聴きなおさねば・・(汗)
陸前高田で流されたジャズ喫茶、オーナー佐々木さんだったかな・・お店の名前が「h Imajin」という・・早い話が「閑人」・・火事でお店が焼け、再建して直ぐに津波で流され、それでも尚、避難先で心温かい友人から貰った蓄音機とLPでジャズを流しコーヒーを振舞っているという不屈のジャズ魂をもつ方もいる、店と家を流されてもダジャレで前向きに生きて行くと・・・どうせならDukeさんにも見習ってもらいたいものだ!(笑)
という冒頭のいつものイチャモンはこの辺にして・・。
1、Bill Evans / Explorations (Riverside)
2、Kenny Dorham / Matador (United Artists) solo:Jackie McLean
3、土濃塚隆一郎/「For Lovers」
次点:Vito Price / Swingin' the Loop (Argo)
1は動かしようがないでしょう。
2はあの盤全部が好きでして、いいですね!
3、25先生推薦の土濃塚君、フリューゲルをラッパのように吹いてしまう、音の大きい子ですね。現在大隅バンドの準レギュラーで黒田君や類家君などと交代で入っています。
彼のBeautiful Love,はライブでも良くやりますが好きです。
因みに彼は田舎が秋田で、震災の時は週に一度は秋田へ行き、そこから被災地物資を届けるという支援を続けていました。東京でも夏には土濃塚君の写真入り団扇をジャズクラブで売り、義援金にしていました、中々感心な若者で奥さんも一緒にやっていました。
と言う訳で、震災追悼記念にふさわしいコメントとなりました。(ナーンチャッテ)
格調高いジャズギャグ、視点を変えるとオヤジギャクですがぁ(笑)のタイトルにお褒めの言葉ありがとうございます。
王道のベスト3を楽しみにしております。