
オーネット・コールマンの「The Shape of Jazz to Come」、コルトレーンの「The Avant-Garde」、アーチー・シェップの「Mama Too Tight」、ドン・チェリーの「Relativity Suite」、アラン・ショーターの「Orgasm」、ラズウェル・ラッドの「Everywhere」、カーラ・ブレイの「Escalator Over the Hill」、ジョン・マクラフリンの「My Goal's Beyond」、ミンガスの「Chair in the Sky」、富樫雅彦の「Session in Paris」・・・
いよいよネタが無くなってフリージャズの話題かとページを閉じられそうだが、ランダムに並べたこれらのアルバムに参加しているベーシストは去る11日に亡くなったチャーリー・ヘイデンである。どれも過激な内容でジャズの主流とはいえないが、シーンに一石を投じた作品ばかりだ。一方、リーダー作は「Old and New Dreams」というコールマン寄りのバンドもあるが、パット・メセニーやハンプトン・ホーズ、ハンク・ジョーンズらと対峙したデュオアルバム、また古き良き時代に思いを馳せてアラン・ブロードベントらと組んだカルテット・ウェスト等、活動のフィールドは広い。
なかでも一番の問題作は、政治色が強い「Liberation Music Orchestra」だろう。ことさらジャズと政治を結びつけることに否定的ではあるが、過去のミンガスやマックス・ローチの例を挙げるまでもなく、音楽を通して主張することは音楽の本質に迫ることでもある。ともあれその政治的メッセージを切り離して、音楽だけをとらえても相当にレベルの高い作品だ。ヘイデンのベースはミンガスのそれのように尖ったところはなく、暖かくて丸い音で、ワンフィンガーで弾き出す太いピチカートはどこまでも優しい。その優しさのうえに創造的作品群が構築されている。
先にフリー系を挙げたが、キース・ジャレットの「Somewhere Before」や、アート・ペッパーの「Living Legend」というメインストリームから、ピー・ウィー・ラッセルの「The College Concert」というトラディショナル、更にアビー・リンカーンやヘレン・メリルの歌伴、リンゴ・スター、ジンジャー・ベイカー、ヨーコ・オノとも共演している。どのミュージシャンと組んでも訥々としたソロは変わらない。一音入魂のベーシスト、チャーリー・ヘイデン。享年76歳。合掌。
いよいよネタが無くなってフリージャズの話題かとページを閉じられそうだが、ランダムに並べたこれらのアルバムに参加しているベーシストは去る11日に亡くなったチャーリー・ヘイデンである。どれも過激な内容でジャズの主流とはいえないが、シーンに一石を投じた作品ばかりだ。一方、リーダー作は「Old and New Dreams」というコールマン寄りのバンドもあるが、パット・メセニーやハンプトン・ホーズ、ハンク・ジョーンズらと対峙したデュオアルバム、また古き良き時代に思いを馳せてアラン・ブロードベントらと組んだカルテット・ウェスト等、活動のフィールドは広い。
なかでも一番の問題作は、政治色が強い「Liberation Music Orchestra」だろう。ことさらジャズと政治を結びつけることに否定的ではあるが、過去のミンガスやマックス・ローチの例を挙げるまでもなく、音楽を通して主張することは音楽の本質に迫ることでもある。ともあれその政治的メッセージを切り離して、音楽だけをとらえても相当にレベルの高い作品だ。ヘイデンのベースはミンガスのそれのように尖ったところはなく、暖かくて丸い音で、ワンフィンガーで弾き出す太いピチカートはどこまでも優しい。その優しさのうえに創造的作品群が構築されている。
先にフリー系を挙げたが、キース・ジャレットの「Somewhere Before」や、アート・ペッパーの「Living Legend」というメインストリームから、ピー・ウィー・ラッセルの「The College Concert」というトラディショナル、更にアビー・リンカーンやヘレン・メリルの歌伴、リンゴ・スター、ジンジャー・ベイカー、ヨーコ・オノとも共演している。どのミュージシャンと組んでも訥々としたソロは変わらない。一音入魂のベーシスト、チャーリー・ヘイデン。享年76歳。合掌。
記憶を溯ればチャーリー・ヘイデンを最初に聴いたのはキースの「Somewhere Before」でした。「マイ・ベック・ページ」のベースのイントロは衝撃でした。次いでオーネットの「The Shape of Jazz to Come」、全く違うスタイルの2枚ですが、ヘイデンの躍動感あるベースに唸ったものです。今週はチャーリー・ヘイデンのお気に入りをお寄せください。サイド参加にも素晴らしいアルバムがありますので、リーダー作、サイド作問いません。
管理人 Charlie Haden Best 3
The Golden Number (Horizon)
Beyond the Missouri Sky / with Pat Metheny (Verve)
Steal Away / with Hank Jones (Verve)
デュオ作品ばかりの選出になりましたが、ベースラインを味わうならこの編成がベストといえるでしょう。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Charlie Haden Quartet West - First Song
http://www.youtube.com/watch?v=mJGY-LV1fZ8
注目すべきはローレンス・マラブルです。正確な撮影年はわかりませんが、ビリー・ヒギンズからマラブルに代わってからですので、おそらく1990年頃と思われます。1929年生まれですので、このとき61歳、2012年7月に亡くなっておりますので、貴重な姿です。パーカーやワーデル・グレイとも共演したウエスト・コーストのいぶし銀ドラマーです。ヒギンズやマラブルという名手とバンドを組むヘイデンはさすがです。
ヘイデンのベースは味わい深いですね、好きです。
ヘイデンが好きと言うベーシストも多いのではないかと思います。
たくさんあるのでしょうが・・
As Long As There's Music / Haden・ Hawes
ホーズの遺作になるこれを一番でお願いします。
タイトルが良いですね! 二人の相性は凄く良いと思います。
今頃、あちらで再会でしょうか。
The Shape Of Jazz To Come /Ornette Coleman
これ、曲が良いのですが「Lonely Woman」のヘイデンのベースはやっぱり最高・・
Death And The Flower /Keith Jarrett
「Prayer」をよく聴きます。 ヘイデンが素晴らしいのです。
ヘイデンは多くの録音がありますね。それだけ多くのミュージシャンに愛されていたのでしょう。トラディショナルからフリージャズまで幅広くカバーできるベーシストは他にいないだけに残念です。
ホーズの遺作もヘイデンでしたね。デュオという両者にとって最良の形での録音です。タイトルはデニー・ザイトリンのアルバムにもありますが、ジーンときます。
そして、オーネットの「The Shape of Jazz to Come」、ロンリー・ウーマンはヘイデンがいてこその名演です。
次いで、キースの「Death And The Flower」が挙がりましたか。「Prayer」はヘイデンとのデュオだったと思いますが、ベースの詩人ともいえる内容です。
この人の名前を聞くと、ピーコック、スワロウというベーシストを連想してしまいます。ピアニストはキース、ポール・ブレイ、キューンあたり。そして、カーラ・ブレイの影響力。(^^;
●“The Ballad Of The Fallen” (ECM)
“Liberation Music Orchestra”を持っていないので比べられませんが、バンマスとして、フリーに傾き過ぎず、しかし、刺激的な音楽を創っています。
●“Etudes”(SOUL NOTE)
ジェリ・アレン、モチアンとのトリオ。冒頭オーネット作「Lonely Woman」のベースが堪らなく不穏な雰囲気で◎。
ところで、「Montreal Tapes」シリーズ(?)では、ヘンダーソン参加盤の評判が良かったように思いますが(たぶん)、どうなんでしょうね?ちなみに、ボクはポール・ブレイ参加盤のみ持っています。
おっしゃるようにヘイデン、ピーコック、スワロウのベースと、キース、ポール・ブレイ、キューンのピアノは同時代ですのでつながっておりますね。
トップに「戦死者たちのバラッド」がきましたか。「Liberation Music Orchestra」の流れですが、アンサンブル重視でいい仕上がりです。この時代のオールスターという面々ということあり高いレベルです。
そして、「Etudes」はジェリ・アレンが魅力です。オーネットを研究しているだけあり「Lonely Woman」はさすがという演奏です。それにモーシャンもいい。エヴァンス時代は枠を出ることがありませんでしたが、かなり開放的です。
「Montreal Tapes」では、ヘンダーソン参加盤がスタンダード中心の選曲ということあり人気のようです。ポール・ブレイ参加も緊張感がありますが、意外に良かったのはゴンサロ・ルバルカバです。
Charlie Haden Best 3
As Long as There's Music / with Hampton Hawes (Artists House)
The Ballad of The Fallen (ECM)
The Golden Number (Horizon)
多くの作品がありますので、やはり割れましたが、デュオ作品と、「Liberation Music Orchestra」系が人気でした。
今宵はジャズ史に残るベーシスト、チャーリー・ヘイデンのお気に入りのアルバムを聴きながら偲びましょう。
Montreal Tape は数種ありますが、ドン・チェリーとエド・ブラックウェルの二人はヘイデンと音楽的に共通するところがありますので興味深い内容になっております。70年代のフリージャズは過去の遺物になっておりますが、思想や方法論は形を変え、音楽的に発展しながら脈々と受け継がれているのでしょう。
ジェイムス・コットンのアルバムに参加しているのはしりませんでした。さすがにフィールドは広いですね。探してみましょう。