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五里霧中のまま始めたアドリブ帖も本稿が記念すべき100稿目に当たる。思い付くまま気の向くまま、正にアドリブ展開ゆえ、読み返すと赤面する内容で忸怩たる思いだが、幸い心優しい数多くの読者に支えられ回を重ねることができた。ありがたい限りだ。たかだか2年足らずで思い出というには烏滸がましいが、寄せられた数々のコメントは、一つ一つ心地良く思い出を刻んでいる。
走馬灯のように駆け巡る思い出をピアニストのユービー・ブレイクは、「メモリーズ・オブ・ユー」という美しい旋律に変えた。ブレイク自身はストライド・スタイルで演奏しているが、ベニー・グッドマンが取り上げたことで広く知られた曲で、映画「ベニー・グッドマン物語」でも効果的に使われている。映画自体は先にヒットした「グレン・ミラー物語」とスタッフが同じこともあり、二番煎じを免れないが、グッドマンの名ナンバーを贅沢に鏤めたことで、音楽映画として十分に楽しめるものであった。
ベルリン・フィルの第1クラリネット奏者を務めたカール・ライスターが、クラリネットは「秋の音色」だと言っている。「赤、オレンジ、黄色と移り変わる紅葉のような色彩感があり、そこからイメージをふくらます」のだと。柔らかいグッドマンの音色もまた色彩感豊かなもので、紅葉の中でも一際輝きを持つ紅の美しさがある。ビリー・ホリデイの初録音への参加、クラシックの殿堂、カーネギーホールで開いた初めてのジャズコンサートの成功等、スイング時代の王座に君臨したグッドマンの「メモリーズ・オブ・ユー」は、ジャズ全盛期の多くの思い出を語りかけているようだ。
ここらでコーヒーブレイク、ユービー・ブレイクはジャズ界の最長寿として記録されている。享年100歳、この歳であればめでたいと言うべきだろう。毎週日曜日に欠かさず更新を続けためでたい100稿目をかみしめつつ、読者に感謝する日でもある。
走馬灯のように駆け巡る思い出をピアニストのユービー・ブレイクは、「メモリーズ・オブ・ユー」という美しい旋律に変えた。ブレイク自身はストライド・スタイルで演奏しているが、ベニー・グッドマンが取り上げたことで広く知られた曲で、映画「ベニー・グッドマン物語」でも効果的に使われている。映画自体は先にヒットした「グレン・ミラー物語」とスタッフが同じこともあり、二番煎じを免れないが、グッドマンの名ナンバーを贅沢に鏤めたことで、音楽映画として十分に楽しめるものであった。
ベルリン・フィルの第1クラリネット奏者を務めたカール・ライスターが、クラリネットは「秋の音色」だと言っている。「赤、オレンジ、黄色と移り変わる紅葉のような色彩感があり、そこからイメージをふくらます」のだと。柔らかいグッドマンの音色もまた色彩感豊かなもので、紅葉の中でも一際輝きを持つ紅の美しさがある。ビリー・ホリデイの初録音への参加、クラシックの殿堂、カーネギーホールで開いた初めてのジャズコンサートの成功等、スイング時代の王座に君臨したグッドマンの「メモリーズ・オブ・ユー」は、ジャズ全盛期の多くの思い出を語りかけているようだ。
ここらでコーヒーブレイク、ユービー・ブレイクはジャズ界の最長寿として記録されている。享年100歳、この歳であればめでたいと言うべきだろう。毎週日曜日に欠かさず更新を続けためでたい100稿目をかみしめつつ、読者に感謝する日でもある。
心がファと暖かくなる「メモリーズ・オブ・ユー」のお好みのバージョンをインスト、ヴォーカル問わずお寄せください。
管理人 Memories of You Best 3
Benny Goodman / Story (Capitol)
Rosemary Clooney / Jazz Singer (Columbia)
Jaki Byard / Experience (Prestige)
映画「ベニー・グッドマン物語」をご覧になった方もご感想をお寄せください。
尚、お祝いの品々、ご祝儀は遠慮なく頂く主義です。(笑)
今週もたくさんのコメントお待ちしております。
とりあえず、皆さんから挙がって来るのを待って、
補足するだけにしとこうかなぁ・・・。
>Rosemary Clooney / Jazz Singer (Columbia)
このアルバムは、コンピ盤でして、出典は
「Date With The King/ Rosemary Clooney」ですね。
といっても、私もオリジナルを単体で所有しておらず、
これと「On Stage!」「Tenderly」から寄せ集めた
CJC盤で持っているだけです。
この曲は、ほんとロージーのために作曲されたんじゃないか、
と思うくらい、温かみのあるいい曲ですね。
>Jaki Byard / Experience (Prestige)
これもいいですね、カーク最高!
これはもう、ジャズの手引書ですね。
いつも、皆さんのコメントを参考にさせていただいています。
まだまだ、話題になる演奏、歌、曲が、たくさんありそうですね。ますます稿目が増えていくのを楽しみにしております。
今回の「メモリーズ・オブ・ユー」については、のちほど。
ロージーのオリジナル音源が分からなかったのですが、「Date With The King」でしたか。Jazz Singer のコンピの外にもグッドマン名義のアルバムにも収録されていて、出典がはっきりしなかったものです。ありがとうございます。歌物ではパティ・ペイジもいい内容ですが、ロージーには及ばずというところでしょうか。
「Experience」はカークの参加もあり、モダン期のこの曲では最右翼と思います。両者とも異才ですので、おどろおどろしい演奏かと思いきや、素直にメロディを歌っておりますね。
おかげさまで、コメント欄はジャズに一家言ある方々で賑わっております。一部屁理屈派を含む。(笑)
知らないアルバムのご紹介や、生きたジャズの話題等、私も大変勉強になります。
話題にしたいプレイヤーや曲は数多くあります。時事ネタや季節の変化を取り入れながらのスタンスは変えずに幅広く紹介したいですね。ジャズギャグも展開しますので、今後ともお付き合いください。
映画「ベニーグッドマン物語」は、私もテレビで何度か観ました。ジーン・クルーパ、テディ・ウイルソン、ライオネル・ハンプトンの姿が嬉しいですし、ハリー・ジェームズも出ていましたね。ライナーを読み返したら、サミー・ディヴィスがフレッチャー・ヘンダーソン役で出演していました。「メモリーズ・オブ・ユー」は映画で3回使われておりますが、おっしゃるように母親のシーンは印象深いですね。順風満帆に見えるグッドマンですが、悩みもあったのでしょう。
カーネギー・ホールのコンサート成功はグッドマンにとっても、その後のジャズにとっても重要な意味を持っております。映画で描かれるカーネギー・ホールの熱狂は、スイングジャズ全盛期の証でしょうね。ジャズファンにとっては最高の作品です。
これが、また楽しみの一つです(笑)。
これからも、よろしくお願いします。
さて、Memories of You Best 3ですが、
1.Maxine Sullivan / Sings Andy Razaf & Fats Waller
若い頃のマキシン・サリヴァンです。チャーリー・シェイヴァースのミュート・トランペットがいい雰囲気を出しています。
2.Clifford Brown with Strings
甘いだけのバラードじゃないのがブラウニーらしいです。やっぱりアドリブがいいですね。
3.Illinois Jacquet / Jumpin' at Apollo
これは、好みが分かれるところかもしれませんが、私は、こういう独特のブローも、たまにはいいと思います。
毎週の皆を飽きさせないネタ振りは、お見事の一言ですね。
>歌物ではパティ・ペイジもいい内容ですが、ロージーには及ばずというところでしょうか。
パティ・ペイジのヴァージョンをベスト盤で持っていましたので、
聴いてみましたが、彼女の歌いっぷりは、良くも悪くも
教則本的ですね。
やはり、ロージーのヴォーカルの、えも言えぬ温もりには
敵いませんね。
ロージーは60年代半ばから70年代後半にかけて、
名優ホセ・ファーラーとの結婚と破局、それに続く心身症、
過食症による肥満、と不遇の時代が長く続きました。
その点、アン・リチャーズとちょっと似た境遇だったと
思いますけど、不遇の中で自殺したアンと、ジャズ・シンガーとして
見事にカムバックを果たして古くからのファンに喝采を
浴びたロージー。
精神力の差、人間関係の違い(アンには、ロージーに
とっての旧友ビング・クロスビーのような人がいなかった)など、
いろいろ要因はあったと思いますが、どちらも大好きな
歌手だけに、心中複雑なものがあります。
あと、歌物の番外篇・・・
○「秘書の週末/ Charlene Bartley」(RCA)
RCAから今回一挙20枚再発された女性ヴォーカル盤の1枚。
僕は欠けていたものを全てゲットしてしまいましたが、
今回買い足したアイテムの中では、これが最もお気に入り。
ラストで「Memories of You」を。
擬似ステ(?)のノスタルジックな音質が、妙にマッチしてて
なんとなく繰り返し聴いてしまう、掘り出し物の一枚です。
100回達成、おめでとうございます。
このブログは、ジャズ初心者からマニアックな方まで楽しめる・・・しかも毒気と狂気の隠し味もある素晴らしいものだと思っております。これからもジャズの啓蒙と発展の為に頑張って下さい。
お祝いにヱビスをお送りしようと思ったのですが、何故か栓が開いていたので自分で飲んでいます。(笑)
「乾杯!!祝!100回達成!万歳!目指せ1000回!!!」
メモリーズ・オブ・ユーは、名演が多いですね。
悩みだすと大変なので一枚だけ
「ウイズ・ストリングス」クリフォード・ブラウン
何回聴いても、素晴らしい、大好きな一枚です。