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大ヒットした映画「大空港」の原作者で知られるアーサー・ヘイリーが、30年以上前に書いた小説に「自動車」がある。モーター・シティと呼ばれたデトロイトを舞台にした作品で、高度成長期の自動車産業の内幕を描いていた。業界のトップであり続けるための売れる車の研究開発、ライバル他社を出し抜く性能向上、それに伴うスパイの暗躍等、緻密な取材による内容はフィクションとは思えないほどリアルだった。
ペッパー・アダムスとドナルド・バードが、ニューヨークでレギュラーを組んでいた頃、アダムスがバードに切り出す。「俺たちデトロイト出身者だけでアルバムを作ってみないか」、「いいねぇ、トミー・フラナガンとポール・チェンバースはデトロイトだぜ」、「ケニー・バレルも同郷だな、あとはドラムか」、「ルイ・ヘイズがいるけれど、レコード会社の契約が違うな」、「変名という手もあるぜ」、「電話してみようか・・・ヘイ、ルイス、一緒にやらないか」、「変名はヘイ・ルイスで決まりだな」 本当のような嘘の話である。
こうしてデトロイト出身者だけで、「モーター・シティ・シーン」ができ上がった。オープニングはバードのワンホーンで「スターダスト」、次のアダムス作のブルースが素晴らしい内容だ。バリトンというと、どうしても都会的なジェリー・マリガンの名が浮かび、アダムスは後塵を拝した感があるが、ブルースナンバーの粘りつく音は土の温もりのような自然の優しさがある。デトロイトはR&Bのレーベル、モータウン発祥の地でもあった。ブルース感覚を体で感じ取っていたのかもしれない。
先日発表されたトヨタ自動車の中間決算は13兆円で、2位のゼネラル・モーターズを大きく引き離している。品質への評価の高いトヨタ車は世界的に売れ、低燃費のハイブリッド車も好調のようだ。小説が書かれた30年前には日本車の台頭など予想だにしなかっただろう。
ペッパー・アダムスとドナルド・バードが、ニューヨークでレギュラーを組んでいた頃、アダムスがバードに切り出す。「俺たちデトロイト出身者だけでアルバムを作ってみないか」、「いいねぇ、トミー・フラナガンとポール・チェンバースはデトロイトだぜ」、「ケニー・バレルも同郷だな、あとはドラムか」、「ルイ・ヘイズがいるけれど、レコード会社の契約が違うな」、「変名という手もあるぜ」、「電話してみようか・・・ヘイ、ルイス、一緒にやらないか」、「変名はヘイ・ルイスで決まりだな」 本当のような嘘の話である。
こうしてデトロイト出身者だけで、「モーター・シティ・シーン」ができ上がった。オープニングはバードのワンホーンで「スターダスト」、次のアダムス作のブルースが素晴らしい内容だ。バリトンというと、どうしても都会的なジェリー・マリガンの名が浮かび、アダムスは後塵を拝した感があるが、ブルースナンバーの粘りつく音は土の温もりのような自然の優しさがある。デトロイトはR&Bのレーベル、モータウン発祥の地でもあった。ブルース感覚を体で感じ取っていたのかもしれない。
先日発表されたトヨタ自動車の中間決算は13兆円で、2位のゼネラル・モーターズを大きく引き離している。品質への評価の高いトヨタ車は世界的に売れ、低燃費のハイブリッド車も好調のようだ。小説が書かれた30年前には日本車の台頭など予想だにしなかっただろう。
ベースを積んだ車とメンバーの標識のイラストがユーモラスに描かれているジャケットが素敵な「モーター・シティ・シーン」を取り上げました。
ドナルド・バードの「スターダスト」が印象的なアルバムですが、ペッパー・アダムスも素晴らしいソロを吹いております。
ペッパー・アダムスのベスト3、お好みの1枚をお寄せください。
管理人 Pepper Adams Best 3
10 To 4 At The Five Spot (Riverside)
Motor City Scene (Bethlehem)
Baritone Madness / Nick Brignola w. Adams (Bee Hive)
欲しい1枚(笑)
Pepper Adams 5 (Mode LP-112)
アーサー・ヘイリーの小説をお読みになった方もご感想お聞かせください。ヘイリーの「ホテル」という作品も映画化され、ロビーでカーメン・マクレイの弾き語りのシーンもありました。ビデオを探しているのですが、DVD化されていないようです。こちらも情報をお寄せください。
今週もたくさんのコメントお待ちしております。
時間がないので、とりあえず過去の
選出を挙げておきます。
↓
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さて、遅くなりましたが、ペッパー・アダムズのベスト3、管理人から・・・
①「10 to 4 at Five Spot」(Riverside)
②「Pepper~Knepper Quintet」(FSR, 原盤はMGM)
③「Mean What You Say/ Thad Jones~Pepper Adams 5」(Milestone)
作品のレベルがコンスタントに高い人なので、3枚選ぶのは
正直厳しいです。
上記3枚は、これまで誰に薦めても喜ばれたアイテムでした。
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やはり「10 to 4 at Five Spot」は外せないですね。ティモンズ、ワトキンス、エルヴィンのリズム隊が素晴らしい。「Hastings Street Bounce」は熱いものがあります。
ペッパー、ネッパーと低音楽器組み合わせで、語呂のいいアルバムが挙がりましたね。ケリー参加が注目の1枚です。オリジナルは MGM 系列の Metrojazz です。
サド・ジョーンズとは旧知の仲、息が合いますね。おっしゃるように作品のレベルが高いだけに甲乙付け難いものがあります。
>Pepper Adams 5 (Mode LP-112)
V.S.O.Pからの再発LPですが、持っていますよ。
長らく聴いていませんが、悪くない内容だった記憶です。
あと、ズート、フラナガン、エルヴィンとの共演の
「Encounter!」(Art)も、なかなかです。
スタンダードを排して、殆ど全篇ジャズメンのオリジナル
という選曲は、69年という微妙な時代も関係してるのでしょうか?
アダムスの男性的なトーン、よどみなく湧き出てくる
フレーズ、大好きですね。
アレンジ面や、バンマスとしての才覚という点では、
マリガンのほうに一日の長があるのでしょうが、
1バリトン奏者としては、私はアダムスのほうが
好みです。
仲間のサイトで以前、「サイドメンにこの人のクレジットが
あれば、つい手がでてしまう」ジャズメンという話題で
盛り上がったことがありましたが、その時にも
アダムスの名を挙げていた人が多かった記憶です。
「The Cooker/ Lee Morgan」(BN)のアダムスなんて、
とても輝いていますね。
まだまだ、主催したライブの余韻というか魔法から醒めずに、ブログ更新なども手がつかないといったところですが、そのぐらい素晴らしい板橋・太田デュオでした。
・・・・・車の話題ですね。私もハイブリッド車を欲しい一人ですが、なかなか手が届きません。年末ジャンボに期待します。
69年はマイルスの「Bitches Brew」が発売され、ジャズのターニング・ポイントともいうべき年だったと思います。スタンダードの新たな解釈よりもオリジナルを優先したのは、ジャズメンの自己主張が顕著になったのでしょう。「Encounter!」も混沌とした70年代に向け、オリジナル曲で方向性を模索していたともいえます。69年は既にスタイルを完成させていたセシル・テイラーの「Aの第2幕」が出た年でもあります。もっともセシルの場合、10年以上前にスタンダードとはいえ、スタンダードとは思えない展開でしたが・・・(笑)
Pepper Adams 5 は、Interlude の再発で聴いておりますよ。スチュ・ウィリアムソンやカール・パーキンスといったウエスト派の共演が珍しい1枚です。Interlude 盤は安値でよくエサ箱で見かけましたが、再発なので手を出しませんでした。今ではけっこうな値が付くようです。あの時数枚買っていたら、Mode オリジナル買える額になります。(笑)
素晴らしいライブのあとは、しばらく余韻が残るものです。当地の最終ライブは辛島文夫3でしたが、年内いっぱい余韻に浸れる内容でした。
ガソリン価格も過去最高値ですので、やはりハイブリッド車ですね。
年末ジャンボですか、経験上、宝くじの期待とふんどしは前から外れます。(笑)
アルバムが、Savoy から出ていますね。
「Jazzmen Detroit」(Savoy)
「Motor City Scene」からByrd が抜け、ドラムが
ヘイズからケニー・クラークに替わった編成。
誰がリーダーなのか、判然としないセッションです。
僕は、どっちかというと、こちらが好みかなあ。
「Afternoon In Paris」の小粋なアレンジが、
なんとも印象的です。
こちらもジャケは車のイラスト、デトロイト=車という発想のデザインがアメリカらしいですね。
このアルバムですが、先だってヤフオクに出ていました。サボイ・オリジナルに17,100円の値が付き驚きましたよ。
「Kenny Clark Meets the Detroit Jazzmen」というタイトルで再発されましたので、リーダーはケニー・クラークと思われます。「Afternoon In Paris」のバレルからフラナガンにソロが移るあたりのアレンジは仰るように小粋ですね。
こちらは三ツ星です。ミシュランではありませんよ、ダウンビートの評価です。(笑)
それで、サイドでのベスト3でお許しください。
1.JONNY GRIFFIN SEXTET
熱気のある演奏で気に入っています。
ちなみに、この録音の前年(57年)に、この録音に参加したドナルド・バード、ペッパー・アダムス、フィリー・ジョー・ジョーンズの3人は、ダウンビート誌の新人各部門でNO.1に選ばれています。
2.ハーフ・ノートのドナルド・バードVol.2
ソロの楽器としてのバリトンを堪能できる快演をしています。
3.The Cooker/ Lee Morgan
25-25さんが、おっしゃっているように、本当に輝いていると言う形容がピッタリの演奏です。
これを機会に、管理人さんのベスト1の「10 To 4 At The Five Spot 」を聴いてみたいと思います。