内外を問わず今では珍しくない女流ピアニストだが、歴史をさかのぼってみるとジャズ史の最初に名を残すのは、1902年生まれのリル・アームストロングである。当時夫だったルイ・アームストロングのホット・ファイブや、ハウスピアニストを務めていたデッカ・レーベルでその演奏を聴けるが、SP録音のためソロは短い。では、LP時代に録音を残し、リーダー・アルバムを作った女性ピアニストは誰か?
1910年生まれのメリー・ルー・ウィリアムスである。1929年から42年まで在籍したアンディ・カーク楽団で脚光を浴びたピアニストで、当時この楽団にはドン・バイアスをはじめハワード・マギーやファッツ・ナヴァロというつわものがおり、ここで学んだものがいかに大きいかはその後の演奏から伝わってくる。カーク楽団時代は当然アール・ハインズに倣った古いスタイルなのだが、退団後はモダンスタイルに転向し、さらに77年には何とセシル・テイラーと共演している。ブギウギからフリーまであらゆるスタイルを研究し、臨機応変に弾きこなすメリー・ルーだからこそできたセッションなのだろう。
写真のアルバムはセシルと共演した3週間後にキーストン・コーナーで開かれたライブを録音したもので、「St. Louis Blues」から「I Can't Get Started」、そして「A Night in Tunisia」と選曲は幅広い。どんな形式にも対応できる度量の大きさがうかがえる。なかでもガーシュウインの「It Ain't Necessarily So」はテンポといい、間といい、強弱といい申し分ない。僅か5分足らずの演奏だが、そこにはジャズピアノのあらゆるスタイルが凝縮されているし、作曲家への尊敬、そして長い間ジャズシーンにいるプライドまでもが聴き取れる。「女流」という冠を外したら、「偉大」という形容しか思いつかないピアニストだ。
メリー・ルー以降の女流ピアニストというと、英国出身のマリアン・マクパートランドと、ピアニストよりもサンジェルマンで叫ぶ女として有名なヘイゼル・スコットがいる。ともに1920年生まれで、デビューや活動時期に違いがあるとはいえ、メリー・ルー誕生から10年後のことだ。その道を開いてくれた先駆者として称えるときはやはり「女流」という冠が必要かもしれない。その冠はジャズ史に燦然と輝いている。
1910年生まれのメリー・ルー・ウィリアムスである。1929年から42年まで在籍したアンディ・カーク楽団で脚光を浴びたピアニストで、当時この楽団にはドン・バイアスをはじめハワード・マギーやファッツ・ナヴァロというつわものがおり、ここで学んだものがいかに大きいかはその後の演奏から伝わってくる。カーク楽団時代は当然アール・ハインズに倣った古いスタイルなのだが、退団後はモダンスタイルに転向し、さらに77年には何とセシル・テイラーと共演している。ブギウギからフリーまであらゆるスタイルを研究し、臨機応変に弾きこなすメリー・ルーだからこそできたセッションなのだろう。
写真のアルバムはセシルと共演した3週間後にキーストン・コーナーで開かれたライブを録音したもので、「St. Louis Blues」から「I Can't Get Started」、そして「A Night in Tunisia」と選曲は幅広い。どんな形式にも対応できる度量の大きさがうかがえる。なかでもガーシュウインの「It Ain't Necessarily So」はテンポといい、間といい、強弱といい申し分ない。僅か5分足らずの演奏だが、そこにはジャズピアノのあらゆるスタイルが凝縮されているし、作曲家への尊敬、そして長い間ジャズシーンにいるプライドまでもが聴き取れる。「女流」という冠を外したら、「偉大」という形容しか思いつかないピアニストだ。
メリー・ルー以降の女流ピアニストというと、英国出身のマリアン・マクパートランドと、ピアニストよりもサンジェルマンで叫ぶ女として有名なヘイゼル・スコットがいる。ともに1920年生まれで、デビューや活動時期に違いがあるとはいえ、メリー・ルー誕生から10年後のことだ。その道を開いてくれた先駆者として称えるときはやはり「女流」という冠が必要かもしれない。その冠はジャズ史に燦然と輝いている。
管理人 It Ain't Necessarily So Best 3
Miles Davis / Porgy And Bess (Columbia)
Modern Jazz Quartet / Porgy And Bess (Atlantic)
Mary Lou Williams / Live At The Keystone Korner (HighNote)
他にもガーシュウィン集を出しているハービー・ハンコック、オスカー・ピーターソン、マーカス・ロバーツをはじめ、ジャズテット、ハービー・マン等々、多くの名演があります。
テディ・ウィルソンもこの曲を取り上げておりますが、テディにピアノを教えたのはメリー・ルー・ウィリアムスです。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Roy Hargrove -- It ain't necessarily so
http://www.youtube.com/watch?v=HWAjga8GuWY
ロイハーは歌いますね
ボクの持っているアルバムにも、この曲が入っているものは 3 枚しかないので、ここで取り上げられなかったら気にもしなかったかもしれません.
そんな 3 曲ですが、改めて聴いてみたらみんな素敵な演奏だったりします.
1. Nigeria / Grant Green (LT-1032)
この演奏はいいですねぇ、メンバーもいいですし.
ちなみに家のアルバムは LT シリーズではなく、 2 枚組の輸入 Complete 盤でした.
2. At The Village Gate / Herbie Mann
A面しか記憶にないアルバムで、B面にこの曲が入っていたとは ・・・・・・
3. Porgy And Bess / Miles Davis
これはもうお馴染みですね.
この曲はサマータイムに隠れて目立たない曲ですが、ガーシュウィンらしい美しい旋律を持っておりますね。聴き込むほど味わいが増します。
グラント・グリーンがありましたね。さすがブルーノート、未発表音源にも素晴らしいものがあります。ソニー・クラークはいつもながらに軽快です。
そしてハービー・マンのヴィレッジゲイトが挙がりましたか。ほとんどの方が聴いていると思われるジャズ喫茶の人気盤ですが、かかるのはA面ばかりですので、この曲が収録されているのを知らない方もいるかもしれませんね。滅多に聴きませんので新鮮です。
マイルスは文句なしの名演です。
Modern Jazz Quartet / Porgy And Bess (Atlantic)
At The Village Gate / Herbie Mann
この曲はどうもPorgy And Bessのアルバムとして取上げられる機会が多いようだが、ハービー・マンのB面は最高!
高校生時代にA面のComing Home Babyばかり聴いていたときに、そんなにヒットしたアルバムのB面はどうなっているのか・・・とアマノジャク精神で聞き込んだ、これが結構イイジャナイノと思って、この曲はと探ればマイルス盤に出会う。わざわざジャズ喫茶にゆきB面を指定、訳知り顔で黙想して聴く・・かなり嫌味な高校生であった。
ワンツーと定番が並んだところでハービー・マンがきましたね。強烈なA面のB面ですので忘れられたトラックですが、けっこういけます。
ジャズ喫茶でサラ回した経験から言いますと、B面をリクエストする人は何故かドヤ顔でした。A面を上回るレコードは滅多にないのにね。(笑)
しかし、シルバーの「Blowin The Blues Away」等はB面に集中していたようで・・・。
ある時、六本木の今は無きジャズクラブ「バランタイン」で峰純子さんとピアノの有馬すすむさんに対して、「ダイヤルJJ」のB面の一曲目を歌ってくれ・・・とリクエストした大バカヤロウがいました。
二人は暫く考え込んで突然私の顔を覗き込んだのです・・・そこでクイズです。「ダイヤルJJ」のB面の1曲目は何でしょう?
正解者にはDUKEさんより札束一式が贈られます!(笑)
出題者には一切の責任はありません!(ギャハハ)
言われてみるとその通りでして、リクエストがない時に聴いたことがないB面をかけたものです。それはお客さんに向けたものではなく、自身勉強のためでした。それでもなかには一度もB面を聴いていないアルバムもあります。この盲点をついたのがブラインドクイズでした。A面ならアドリブの隅々まで覚えているのに、B面となると曲名すら知らないものもあります。よって、「ダイヤルJJ」のB面の1曲目は知りません。(笑)全ての責任は出題者のSHIN さんにあります!(ギャハハ)
It Ain't Necessarily So Best 3
Miles Davis / Porgy And Bess (Columbia)
Modern Jazz Quartet / Porgy And Bess (Atlantic)
Herbie Mann / At The Village Gate (Atlantic)
多くの投票をいただけませんでしたが、定番のマイルスとMJQは外せない名演です。ハービー・マンのはB面に収録されていることから目立ちませんが、素晴らしい内容です。
今宵はお気に入りの「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」をお楽しみください。