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一般的な知名度やリスナーによる評価は低くても、ミュージシャンの間で評価の高いアーティストのことを「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ぶ。ジャズ界にもそのようなプレイヤーは多いが、今年4月20日に75歳で亡くなったピアニストのアンドリュー・ヒルもまたその一人であったろう。アルバムのほとんどが自作曲だけに、とりわけミュージシャン間ではコンポーザーとして評価されているようだ。
ヒルはブルーノートに63年から64年の数ヶ月間に4枚のアルバムを録音しているが、それも正式にデビューを飾る前であることから期待の大きさがうかがい知れる。ブルーノート創立者、アルフレッド・ライオンはヒルを聴いたときの感想を、セロニアス・モンクを初めて聴いたときのような感動と言っていた。その4枚はいずれも意欲的な作品で、とても短期間で制作されたとは思えないほど密度は濃く、溢れんばかりの才能を具現化したものであろう。モダンとフリーの感覚を併せ持つ音楽性は新しいスタイルであり、60年代のジャズシーンの方向性をも示唆している。
その4枚の中に「Point Of Departure」というアルバムがあって、とにかく脇を固めるメンバーが凄い。死の3ヶ月前のエリック・ドルフィー、ジョー・ヘンダーソン、ケニー・ドーハム、リチャード・デイビス、そしてまだ18歳だったトニー・ウイリアムス、このパーソネルの意外さにおいても特筆すべきものであり、それは当時の最前線の音でもある。アルバムを埋める全ての曲はヒルのオリジナルでアイデアに富んだ斬新なものばかりだが、ラストに収められている「デディケイション」では歌心溢れるプレイを聴ける。ヒルの出発点はダイナ・ワシントンの伴奏者だ。新感覚のジャズとて歌心失くして成立しえない。
60年代のジャズシーンはジャズ・ロック、フリー、モードが同時に混在し、誰もが新しい方向性を模索している時代だった。ヒルの作品にヴァイブのボビー・ハッチャーソンを加えた革新的な「Judgement」という作品がある。判断、評価という意だ。新しいジャズをつくり、シーンを生きたアンドリュー・ヒルの歴史的評価は容易に定まりそうにない。
ヒルはブルーノートに63年から64年の数ヶ月間に4枚のアルバムを録音しているが、それも正式にデビューを飾る前であることから期待の大きさがうかがい知れる。ブルーノート創立者、アルフレッド・ライオンはヒルを聴いたときの感想を、セロニアス・モンクを初めて聴いたときのような感動と言っていた。その4枚はいずれも意欲的な作品で、とても短期間で制作されたとは思えないほど密度は濃く、溢れんばかりの才能を具現化したものであろう。モダンとフリーの感覚を併せ持つ音楽性は新しいスタイルであり、60年代のジャズシーンの方向性をも示唆している。
その4枚の中に「Point Of Departure」というアルバムがあって、とにかく脇を固めるメンバーが凄い。死の3ヶ月前のエリック・ドルフィー、ジョー・ヘンダーソン、ケニー・ドーハム、リチャード・デイビス、そしてまだ18歳だったトニー・ウイリアムス、このパーソネルの意外さにおいても特筆すべきものであり、それは当時の最前線の音でもある。アルバムを埋める全ての曲はヒルのオリジナルでアイデアに富んだ斬新なものばかりだが、ラストに収められている「デディケイション」では歌心溢れるプレイを聴ける。ヒルの出発点はダイナ・ワシントンの伴奏者だ。新感覚のジャズとて歌心失くして成立しえない。
60年代のジャズシーンはジャズ・ロック、フリー、モードが同時に混在し、誰もが新しい方向性を模索している時代だった。ヒルの作品にヴァイブのボビー・ハッチャーソンを加えた革新的な「Judgement」という作品がある。判断、評価という意だ。新しいジャズをつくり、シーンを生きたアンドリュー・ヒルの歴史的評価は容易に定まりそうにない。
異才を放つアンドリュー・ヒルですが、ベスト3、お気に入りの1枚をお寄せください。今週もたくさんのコメントお待ちしております。
管理人ベスト3
Point Of Departure (Blue Note)
Black Fire (Blue Note)
Invitation (Steeple Chase)
ジャズ界も貴重な存在を失いました
アンドリュー・ヒル 享年75歳
丘に葬られたのだろうか・・・合掌
アンドリュー・ヒルを最初に聴いたのは、モブレイの「ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ」でした。
センスが良くアイデア溢れるピアニストというのが第一印象でした。
色々なアルバムを聴いてその思いを強くしました。でも一般的には、その実力に反し高い評価を受けていないように思います。
リーダーアルバムも何枚か聴いているのですが、何故か所有しているものはないのです。
一番印象に残っているのは「ポイント・オブ・ディパーチャー」です。これってドーハム、ジョー・ヘン、ドルフィーという異色のフロントですね。そしてリズムセクションは、リチャード・デイヴィス、トニー・ウイリアムス。その中心に、アンドリュー・ヒルがいるという印象でした。(記憶で書いているのでメンバーが違っていたらごめんなさい。)
こんな事を書いているとこのアルバムが欲しくなりました。
でも、金欠病が・・・。(笑)
記事にありますように「ポイント・オブ・ディパーチャー」のメンバーは挙げられたとおりです。意外な組み合わせですが、ドーハムはかなりフリーへの歩み寄りをみせております。何といっても凄まじいのはドルフィーです。ヒルとドルフィーの音楽的理念が結実した傑作ですね。「アウト・トゥ・ランチ」と相関関係にある作品です。
ヒルはアルフレッド・ライオンのお墨付きの割りに日本での評価は低いですね。自作曲ばかりでスタンダードを演らないのも評価されない一因なのかもしれません。
夜分恐れいます。ヱビス片手の徘徊痴人です。
今週はご常連の方々はどうなさったのでしょうか?
ゴールデンウイークの疲れで、キーボードも打てない状態かもしれませんね。(笑)
私は、4日間店を休みにして、家で猫と遊んで過ごしました。おかげさまで、全く疲れず元気いっぱいでネット上を徘徊しております。
仰るように、自作曲にこだわるところが過小評価の理由かもしれませんね。
ソニー・クラークは日本で評価され、ヒルは過小評価されている・・・。
日本のジャズファンよ、耳を鍛えなおせ!!と言いたいですね。
「Black Fire」(BN)しか持っておりません。
ていうか、あれを聴いて、更にゲットしようという
意欲が正直言って湧いてこなかったです。
なかなかのハイテクを持ったジャズ・ピアニスト
というのは、なんとなく理解できるのですが、
今ひとつHeart Strings に響くものを感じなかった。
ということで、このスレはあまりご期待に沿えるような
コメントが出来ません。
申し訳ありません。
アンドリュー・ヒル~かなり好きなのでいろいろ聴いてから・・・と思ってるうちに遅くなりました(笑)
ヒルを好きなのは事実なのですが、僕の場合・・・ちょっと片寄っていて、彼の「ソロ・ピアノ」がすきなんです。この記事での紹介盤:Point Of Departureなどブルーノート中期まではいくつか聴きましたが、いまだに一番いいなあ、と感じるのは、1作目の
<Black Fire>です。オリジナル曲が「生き生きと」しているのです(単に僕の好みなのかも)ジョーへン、リチャード・デイビスの絡み合いも文句なし!
(ちなみに他のLPにもいい曲もあるのだけれど、なにか「フリー味付けモード」という感じでLP全体だと単調というか・・・そういう感じを持っています。だから・・・ヒルにいまひとつ人気がない、というのも、
ムベナルカナという気持ちもあるのです。
そんなわけで、僕のアンドリューヒルのベスト(というかフェイヴァリットは)以下です。
1.From California wiht Love(artist house)
2.Hommage(イーストウインド)
3.Black Fire(bluenote)
1と2がソロピアノです。ヒルのソロピアノは・・・説明不能ですが・・・聴いていてなにかこう・・・アタマがぐらぐらしてくるように・・・揺さぶられます。
まあ、噛めば噛むほど・・のカテゴリーに入る人ではと、これは自分の体験上です。
BNのヒルは全部持っています。
最初聴いたときは25-25さんと同じで、いまひとつ入り込めないなああああああ・・・・と。
でもKAMIさんの心境で、何故ライオンがこんなにもと思って、ブラックファイヤーやデシジョンを忍耐で聴いてゆくうちにヒルをストレイトアヘッドに聴いてはいけない、アバギャンのスタンスで聴いてみようと思い、聴きなおしてゆくうちに・・・これ良いじゃないとなりました。
それに到達するのに10年はかかりました。
途中で捨てないでよかったです。(笑)
ソニー・クラークが日本で人気があるのは、日本人好みのノリのタッチや哀愁あるフレーズを持っているからでしょう。ヒルの場合、一般に受けるジャズよりも高い音楽性を追求した結果、大きく好みが分かれるところだと思います。スウィング感を持って人気を得るのもジャズならば、世評は気にせずひたすら自己を探究するのもジャズでしょうね。
ブルーノートの一連の作品はお聴きでなくても、無名時代ワーウィックに吹き込んだ「So In Love」あたりお持ちかと・・・ジャケ買いで。(笑)まだスタイルは確立されていませんが、パウエルの影響が顕著で、なかなかのものでした。かつて八○社でみかけましたが、ディスクはキズだらけ、ジャケは擦れて Andrew H になっておりましたね。(笑)そんな盤に数万円の値を付けるなよと、階段を下りながら呟きました。
ソロの Hommage はいい内容です。エリントン作品も取り上げておりましたので親近感がありますね。
1作目の Black Fire はダウンビート誌で5ツ星評価で絶賛されたそうです。デビュー盤に相応しい活力ある内容ですが、私は Point Of Departure に惹かれました。楽器を持ち替え自在に吹きまくるドルフィーの参加がセッションを引き立てております。ドーハムもかなりフリー寄りですが、まだ一線を超えることができないようでバップとフリーの狭間で揺れているような気がします。
ヒルが人気のない理由はいくつかあるのでしょうが、おっしゃるようにアルバム全体をとおしての単調さも挙げられます。また、名刺代わりの決定的なヒットアルバムがないことも一因かと思われます。そんなヒルですが bassclef さんのように好きな方がいらっしゃるのは嬉しいですね。