久しぶりに、新刊書店をのぞいたら、100万部を越えるベストセラーとなった村上春樹の『1Q84』(新潮社)が平台に山積みになっていた(平台に山積み? 何か変だな)。やはり、ノーベル文学賞候補の盛名と最近の「壁と卵」スピーチの影響かな?
「私はいついかなるときも、壁にぶつかって潰れる卵の側に立つ」。
「マニフェスト」とは、こういう言葉を指す。「国民の目線に立った政治」などという、少し考えてみればテキトー極まる言葉ではないのだよ。自民民主公明のみなさん(テキトー極まる? かなり変だな)。
このところの1980年代つながりとしては、ちょっと読んでみたい気もするが、こちらのお目当ては、小熊英二の『1968』(新曜社)。『<民主>と<愛国>』以上の分厚さにたじろぐ。分厚いのはむしろ歓迎なのだが、値段が高いのではと心配したのだ。案の定、なんと6,800円! 上下2巻で13,600円! 100円特価本なら、136冊買える! 残念だが、今日は手が出ない。
『<民主>と<愛国>』ではほとんど無視された、68年を最盛期とする学生運動、新左翼から全共闘への軌跡を丹念に「読み込んだ」小熊が、どう歴史的な総括をするのか期待は大きい。
『<民主>と<愛国>』が話題を呼んだとき、「1968」年の先輩たちに勧めたところ、「民主も愛国も嫌いだな」と一笑に付されてしまった。民青と右翼を連想したのかもしれない。民主と愛国に違和感を抱き、どちらにも帰属意識を持たないというのではなく、むしろ、彼らはまさしく戦後民主主義の子であり、同時に自らの反米愛国的な感情を否定しなかった。それは、『<民主>と<愛国>』が解明した戦後の日本人の造型のひとつだったのだが。
(敬称略)
「私はいついかなるときも、壁にぶつかって潰れる卵の側に立つ」。
「マニフェスト」とは、こういう言葉を指す。「国民の目線に立った政治」などという、少し考えてみればテキトー極まる言葉ではないのだよ。自民民主公明のみなさん(テキトー極まる? かなり変だな)。
このところの1980年代つながりとしては、ちょっと読んでみたい気もするが、こちらのお目当ては、小熊英二の『1968』(新曜社)。『<民主>と<愛国>』以上の分厚さにたじろぐ。分厚いのはむしろ歓迎なのだが、値段が高いのではと心配したのだ。案の定、なんと6,800円! 上下2巻で13,600円! 100円特価本なら、136冊買える! 残念だが、今日は手が出ない。
『<民主>と<愛国>』ではほとんど無視された、68年を最盛期とする学生運動、新左翼から全共闘への軌跡を丹念に「読み込んだ」小熊が、どう歴史的な総括をするのか期待は大きい。
『<民主>と<愛国>』が話題を呼んだとき、「1968」年の先輩たちに勧めたところ、「民主も愛国も嫌いだな」と一笑に付されてしまった。民青と右翼を連想したのかもしれない。民主と愛国に違和感を抱き、どちらにも帰属意識を持たないというのではなく、むしろ、彼らはまさしく戦後民主主義の子であり、同時に自らの反米愛国的な感情を否定しなかった。それは、『<民主>と<愛国>』が解明した戦後の日本人の造型のひとつだったのだが。
(敬称略)