コタツ評論

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いま夕刊フジがおもしろい

2009-09-19 01:14:00 | ノンジャンル
ご存じの通り、首都圏のサラリーマン向けの夕刊紙である「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」ではまったく論調が違う。「日刊ゲンダイ」は強硬な反自民に対し、「夕刊フジ」は反民主といえる。そして、いまのところ、論調の整合性は日刊ゲンダイ>夕刊フジといえる。今夕の夕刊フジにはその苦しい展開に苦笑した。以下は、夕刊フジの記事そのままではないが。

亀井vs藤井、内紛ぼっ発 徳政令にダメ出し
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20090918/plt0909181620008-n1.htm
亀井静香金融・郵政担当相が、中小企業の債務や個人の住宅ローン返済を猶予する支払猶予(モラトリアム)制度の導入を提起したのに対し、次のように夕刊フジは批判した。

①藤井裕久財務相が疑問を呈した-鳩山内閣に内紛か?

閣内に多様な意見があって結構じゃないか。挙党一致や大政翼賛こそ問題。

②銀行株がたたき売られた-三菱UFJフィナンシャル・グループが10円安、みずほフィナンシャルグループが3円安

たった10円安や3円安もあって、たたき売られたとはオーバーな。

③住宅ローンなどを抱えて家計のやり繰りに苦しむサラリーマンや、資金繰りに奔走する中小企業経営者にとっては、借金の負担がいくぶん減るため、一息つくことができる

3年間金利だけの支払いでよいなら、「いくぶん減る」どころか大助かりだろう。

④金融庁内でも、返済猶予を努力規定にするなら問題ないが、義務化となると憲法で保障する財産権に抵触する可能性が高く、「法律的に難しい」

憲法違反だと脅かしておいて、「努力規定」を落としどころにしたい官僚リークに乗ったマスコミの官僚依存体質だな。

⑤さらにこの制度は、金融機関の収益力を弱らせる危険性もある。借金の返済猶予により、資金回収が遅れ、融資が焦げ付くリスクが高まる。そうなれば、貸倒引当金を積み増さなくてはならず、収益の悪化要因につながるからだ

おいおい収益が悪化したときに何千億円も資本注入を受けておいて、貸し剥がしして儲けるからこういう話が出てくるんじゃないか。

⑥金融界には、「モラトリアムが実施されれば平成の『徳政令』になる」(証券幹部)といった批判がうず巻いている

「いくぶん減る」と「徳政令」では大違いじゃないか。この前まで、「徳政令をやって消費刺激」もけっこう囃されていたじゃないか。読者であるサラリーマンの立場に立てば、「徳政令」賛成が道理だろうに、夕刊フジは金融界の代弁者なのか。

⑦ある証券関係者は「過去にも融資制度をめぐりさまざまな政府支援があったが、反社会的な勢力がこの制度を悪用するケースも多く、実際に庶民のためにならないこともあった」と指摘する

反社会的な勢力の制度悪用と実際に庶民のためにならないと、どうつながるのかな。新銀行東京を食い物にした事件など、たいていは自民党議員やその秘書がイッチョカミしていたという指摘はどうなった。

ところで、「代初めの徳政」というのが昔はあったそうな。歴史的な施策なんだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E6%94%BF%E4%BB%A4
ただし、「徳政令」をやると、体力の弱い金融機関が淘汰され、寡頭金融資本体制になるという怖れはあるな。

(敬称略)


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