2018/10/30
・1946年、北海道のカムイ岬。鰊漁の番屋で、親方に恨みを持つ「ジャコ萬」と、親方の息子の「鐡」が対立する話。
・1946年の作品のリメイク。それでも1964年だから半世紀以上前の映画。白黒。VHSで見る。
・根暗で根に持つタイプの「ジャコ萬」が丹波哲郎、訳アリ出稼ぎヤン衆たちともすぐに仲良くなれる人たらしな「鐡」が高倉健。
・陰陽両極どちらもカッコいい。
・「ブリーチ」に出てくる京楽春水のモチーフって、このジャコ萬なんじゃないかと思うくらい似ている。
・馬ゾリがほとんど自家用車代わりに使われている。
・ジャコ萬に付きまとう女。ソリに括り付けられて馬を暴走させられている。ひどい罰ゲーム状態でも「これが楽しからやってんだよ」と負け惜しみを言える胆力がすごい。
・そして、終戦直後にあんな爽やかな人いるのかなと疑ってしまうくらい爽やかな鐡。
・肉親に対しても敵に対しても他人に対しても距離の詰め方が軽い。
・無言で切り株に斧を打ち込むだけで、初対面の人と打ち解けてしまう人たらしぶり。
・斧が重要な小道具になっている。
・寒々しい北の海が、南国のビーチに見えるくらい、鐡がいるのといないのとでは全然違う。
・高倉健による「南方の人に教わった踊り」。
・1946年の設定の割に戦争の匂いが薄い。
・切り株のくだり、鐡の登場タイミング、ジャコ萬の恨みの原因など、色々あるにはあるんだけど、あんまり作中時間と地続きな感じがしない。
・わりと食料に困っている雰囲気もない。
・終わった戦争よりも目の前の鰊にしか関心がない。
・世の中全体がそんな感じだったのか、この地域が独特だったのか。
・最後の対決の映像が劣化してて見づらい。惜しい。
・岩場の海岸で殴り合いは地味に危なくて新鮮。
・自然な感じで「おきてけれ」「お茶っこ飲んでけれ」と言えるのがすごい。
・最後の「おまえも一緒にやるのかよ」とツッコミを入れたくなる感じ。
・今回はブロマンスだったけど、1946年版はどういうバランスだったのか気になる。