2017/11/16
・雪山遭難で洞窟に居合わせてしまった人たちが、ケンカや世間話をしながらそれぞれの人生を振り返る話。
・ビバークの話なのに、冒頭から空気を無視した「ぶりっ子ポーズ」が出てくるので、結構びっくりする。
・どうしても舞台上でビバークをリアルにやろうとする無理が出てくるので、フィクションラインを上げて演出や演技の自由度を上げる作戦だと思われる。
・演出や演技レベルの発想の飛躍ぶりが見どころ。
・隙あらばあの手この手で笑わそうとしてくる。もじゃ男のキャラとか、居酒屋の店員の相槌とか、インド人とか。
・各役の切り替えが巧み。見せ方もうまい。
・ダンスシーン。田中温子さんの足がぎょっとするほど上がる。すげえ。記憶あいまいだけど、靴も履き替えてなかったような。
・トレッキングシューズ、かっこいい。見とれる。高そう。
・幸福とは何かという話。
・ホストやゲームにたくさんのお金をつぎ込んで、他人からどんなにバカらしく見えても、本人が満足感を得られるなら、それが幸せなんだという考え方。
・登山こそ、そういう考え方の総本山みたいな行為だったりする。山だけに。
・そんな考え方のできる人とできない人で、本作の登場人物もくっきり明暗が分かれている。
・それはさらに「どんな結果になってもおまえの判断を信じる」という話の根幹に関わるようなところまで繋がっている。テーマが一貫している。
・ただ、その考え方が、企画書盗まれても怒っちゃダメなのかというところまで及んでいて危なっかしい。
・どうしても暴力沙汰の件は、企画書について上司が陰で尽力したというよりも、上司と見合い相手がグルになって彼女に恩を着せようとしているように見えてしまう。
・本人に確認取らずにやったらそりゃ怒られるよ。
・各々が、雪山遭難という危機的状況よりも、お互いの過去を気にしている感じ。
・登山に関する専門用語もほとんど出てこない。タイトルはビバークなのに。
・なので、本作は雪山遭難の現実を描いた話ではなく、雪山遭難という設定を借りた人生の幸福論なんだと思う。
※暴力沙汰については記憶違いがあったので修正しました。