Zooey's Diary

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「テルマエ・ロマエ」の著者の波乱万丈の人生

2012年05月05日 | 社会


休日まで難しいことは考えたくないという夫にぴったりの映画「テルマエ・ロマエ」を
昨日観てきました。
古代ローマ帝国の浴場設計技師ルシウス(阿部寛)が現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう、
ヤマザキマリの人気コミックを実写映画化。
世界最大級の映画撮影所チネチッタのローマセットをそのまま使ったというだけあって
背景も迫力あり、噂の阿部寛の熱演も笑えるし、奇想天外な話も面白い。
しかしコメディなので、映画に関してはそれほど掘り下げることもないと思うのですが
なんといっても私はこの著者に興味を持ちました。



私はこの原作はおろか、この人の漫画を読んだことがなかったのです。
一体どんな人が、このような破茶滅茶な作品を描いたのか?
好奇心を抑えられず、帰りにブックオフに寄ってみたのでした。
「テルマエ・ロマエ」はありませんでしたが
「世界の果てでも漫画描き①」「イタリア家族風林火山」の2冊をゲット。

著者ヤマザキマリは1967年生まれ。
バイオリニストの母親と札幌に住んでいた少女時代、
「兼高かおる世界の旅」と「ジェットストリーム」に夢中になり、世界放浪に憧れる。
母親に連れられて香港に行ったのが、初海外(母親は、香港のオーケストラへの移籍を
考えていたらしいが結局断念)。
14歳の時欧州に一人旅(これは母親に行かされたらしい)、17歳でフィレンツェの美術学校に留学。
イタリアでの留学生活は貧困を極め、生活費稼ぎのために漫画を描き始める。
キューバにボランティア旅行に出かけ、そこで妊娠!(但し相手はキューバ人ではなく、
その頃長く付き合っていてキューバまで追いかけてきたイタリア人だったらしい)。
その貧乏詩人を見捨て、漫画を描きながらシングルマザーとして息子を育てるも、
息子が8歳の時、14歳下の現在のイタリア人の夫と結婚。
その夫の大家族との阿鼻叫喚の暮らしぶりをネタにした漫画が日本でヒット、
その一方で「ローマ皇帝の名前を全員言えるほどの古代ローマおたく」の夫に影響されて
「テルマエ・ロマエ」を描いたのだそうです。
イタリアのみならず、中東やポルトガルにも住み、今はシカゴに在住なのだと。

いや…
世の中にはたくましい女性がいるものです。
イタリアの大家族というのは、パワフルな姑、夢想家の舅、98歳の大姑、お洒落な義妹、
神経質な学者の夫(ルシウスの原型か?)、鶏30羽、アヒル20羽、犬2匹、猫3匹。
生半可な体力、精神力ではとてもやっていけないでしょう。
しかもそれを漫画にして、豪快に笑い飛ばしている。
しかも彼女は、キューバ、ポルトガル、シカゴ、何処に住んでも
ここが一番!もう何処にも行きたくない!と思うらしい。



画像を探したら出てきました。
こんな可愛くて、しかもこんなにたくましいなんて。
最近出版された「望遠ニッポン見聞録」というエッセイも是非読みたいのですが
新刊本ではブックオフにはまだないか…

「テルマエ・ロマエ」 http://www.thermae-romae.jp/index.html

コメント (12)
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