Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

ギリシャ旅行⑤クルーズ

2015年07月10日 | ギリシャ旅行2015


中期ビザンチン建築の最高傑作と言われる、美しいオシオスルカスの修道院に寄って
アテネのピレウス港からいよいよ船に。

セレスタイル・オリンピア号というのは、パンフレットによると
37500トン、全長215メートル、9階まである大型客船。
最大乗客数1450名、客室数724室、乗務員数540名。
レストラン2カ所、バー、カジノ、フィットネスセンター、スパ、プールなどあり。
今回こちらに二泊して、エーゲ海のあちこちの島を訪ねました。

クルーズ船に泊まるというのを私は楽しみにしていました。
私の小さな客室は窓もあり、シャワー室、冷蔵庫、机、TV付き。
揺れもそれほどひどくなく、エンジン音は全く聞こえない。
レストランには白いクロスをかけた8人掛けのテーブルが並び、
黒いスーツのウェイターが何十人といてサービスしてくれます。
朝食はビュッフェ、昼・夕食は、前菜・メイン・デザートを
3~4種類の中からそれぞれ選びます。
船内では一日中、ダンス・カービング・クッキングなど様々なアクティビティをやっており、
またジャズやラテン・ミュージックなどのライブもあり、飽きることはありません。
世界中から集まってきている乗客と、軽いお喋りを楽しむこともできます。


(左下はベッドメーキングの際の可愛いプレゼント、右下は最上階のプールの横の甲板)

ただ…
例えば船が何処かの島に着いたとする。
その島に大きな港がないと、船は沖合に停泊して、そこからテンダーボートに移らなければならない。
その島に降りるのに、2時間くらいかかるのです。
何百人もの乗客が降りるのですから、考えてみれば当然なのですが。
島から船に戻るときも同様。
これは想定外でした。



食堂・客室など船内はすべて冷房が効きすぎて寒すぎ。
客室はエアコンの調節ができましたが、最大温度にしても冷えすぎ。
外に出ると、陽射しが強すぎ、風が強すぎ。
(そんな甲板の上で欧米人は半裸で、ひねもす日光浴していましたが)

エーゲ海は何処までも碧く、空は更に青く、お天気も素晴らしかったのですが。
乗ってみて初めて分かったこと、色々あります。



コメント (8)
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「アリスのままで」

2015年07月08日 | 映画


50歳の誕生日を迎えたアリスが、華やかに家族に祝ってもらう場面から
話は始まります。
コロンビア大学の有名な学者アリス、夫は医者、長男は医学生、
法科を出た長女は幸せな結婚をし、次女は役者志望のニート。
その次女が、この家でははみ出し者の問題児だということで
どれだけ恵まれたエリート家庭かということがよく分かります。
そんなアリスが、次第に物忘れがひどくなり、ジョギングしていて道に迷う。
そしてある日、若年性アルツハイマーと診断される。
その日から始まる、アリスの闘い。



「アイリス」や「鉄の女サッチャー」を観た時、
こんな高名な作家や首相であってもアルツハイマーになるのかと度肝を抜かれました。
そして世界的に有名だった主人公たちが、次第に無気力無表情になっていく姿に
なんとも切ない思いをしたものです。
高名な言語学者であるアリスも、その知性とプライドから、
自分が惨めな姿になっていくことが許せなかったのでしょう。
自分のPCに、ある仕掛けをするのです。
「この動画を見ているあなた、寝室の引き出しに入れてある薬を飲みなさい」と。
しかし…
この場面には深く胸を抉られます。
この病気を患った者は、自殺という選択肢を持つこともできないのかと。



全体に淡々と描かれている作品です。
綺麗すぎる、という気がしないでもない。
アカデミー主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーアはさすがで、
失禁したり、半狂乱になったりと体当たりの演技を見せてくれるのですが
それでも綺麗すぎるし、彼女を取り巻く家族の苦悩や葛藤はもっと凄まじかった筈。
けれども、ALSを患っていたグラッツアー監督が最後の力を振り絞ってこの作品を作り、
この3月に亡くなられたことを思うと
監督の渾身の祈りに似た思いが込められていたのかと、納得できてしまうのです。

「アリスのままで 」http://alice-movie.com/
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ギリシャ旅行④デルフィ遺跡

2015年07月06日 | ギリシャ旅行2015


3日目。
パルナソス山脈の中腹に広がるデルフィ遺跡。
古代より聖地として栄え、アポロンの神託を受けに多くの巡礼者が集まったといいます。
紀元前6世紀頃が最盛期だったとか。



子どもの頃、ギリシャ神話を何度も読んだものです。
オリンポス12神のうち、全知全能だが浮気者の大神ゼウス、その奥さんの嫉妬深い美女ヘラ、
海の神ポセイドン、月の女神アルテミス、美の女神アフロディテ。
芸術・医療・予言の神であるアポロンが神託を行ったのが、ここデルフィだというのです。
アポロンの神殿、ガイアの祭壇、5千人を収容する劇場、そして広大な競技場などがあります。



アポロンの神託と聞いて思い出すのは、やはりオイデプス王の話。
あまりにも有名な話ですが、簡単に書いてみます。
テーベの王ライオスは、自分が後に息子に殺されるというアポロンの神託を受け、
息子オイデプスを山に捨てさせる。羊飼いに拾われ、
何人かの手を経てコリントス王の養子となったオイデプスは成長して
やはり「父を殺し母と交わる」という神託を受ける。
そんなバカなと家を出たオイデプスは、山中で出会った老人(実父)と争い、殺してしまう。
怪物スフインクスを倒してテーベの王として迎えられ、実母と結ばれるが
ある日その真実を知り、自分の目をつぶして放浪の旅に出る、というものです。
その神話から、男性が幼い頃に父を憎み、母に愛情を覚えるという心理傾向のことを
フロイトはエディプス・コンプレックスと言ったようです。



そんな紀元前の神話の舞台が本当にあったのか…と目を見張る思いでした。
奥深い山の中の遺跡に、世界中から観光客が集まっていました。
麓には、その出土品を展示するデルフィ博物館があり、
黄金の装飾品、黄金の牛、スフィンクスなど、宝物が山と飾ってあります。
写真は有名な「青銅の御者の像」ですが
たまたま写真の左隅に女性が二人写り込んでいる。
多分、この博物館の職員なのでしょうが
どの部屋にも必ずこうして2~3人の職員が、何をするでもなくお喋りしていました。
ああこれが、今話題になっているギリシャの公務員なのね、とつい思ってしまいました。



参考にさせて頂いた本
「ギリシャ神話集」 (講談社学術文庫)
「ギリシア神話を知っていますか」 阿刀田 高
コメント (8)
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ギリシャ旅行③メテオラの修道院

2015年07月05日 | ギリシャ旅行2015
日本からギリシャへの直行便は出ていないということで
今回はトルコ航空、イスタンブールでの乗り換えでした。
成田からイスタンブールまで13時間、3時間ほどの空港待ちを経て、テッサロニキ空港まで1時間半ほど。
成田を朝便で出て、その日の夜遅くテッサロニキのホテル着。



翌朝テッサロニキのホワイトタワー、ペラ遺跡を観光、更にバスで3時間ほどかけて
ギリシャ北西部のテッサリア地方メテオラへ。
ここには巨大な奇岩が何十もそそり立っていて、まるでカッパドキアのようです。
カッパドキアと違うのは、その断崖絶壁の頂上に修道院があること。
しかも「メテオラの修道院群」というだけあって、その数、最盛期には20以上もあったのですと。
メテオラとは、ギリシア語で「中空に浮かぶ」を意味する「メテオロス」が語源なのだそうです。



9世紀頃から、俗世から離れて祈りと瞑想の日々を送るためにここに修道院が
建てられるようになったのですと。
正に「薔薇の名前」や「雨天炎天」の世界。
本当に文字通り、断崖絶壁の上にあるのです。
しかし、こんなところに一体どうやって建てたのか?
今でこそ、隣の大きな断崖の上に車で登り、そこから橋で渡ったり、
或いは長い階段が作られていますが、昔はそんなもの何もなかったのですから。



ものの本や現地ガイドさんの説明によると
頂上に滑車を設置し、そこからロープや袋を吊るし、材料を引き上げる。
それを延々と繰り返して造られたのだそうです。
当然、その危険な作業の間には何人もの人が命を落としたのですと。
いやはや…

現存している6つの修道院のうち、メガロ・メテオロン修道院とアギオス・ステファノス修道院(今は尼僧院)
に今回寄りましたが、こんなシーンを目撃しました。
隣の崖からケーブルカーで荷物を運んでいる様子。



そしてこんな光景も。
歴代の修道士たちの山のようなしゃれこうべ。



これらの修道院は、今も修練の場の修道院として機能しながら
一部を観光用に解放しています。
絵葉書やイコン、宗教関連の本を置いた小さな売店もあります。
黒い尼僧服に全身を包んだ尼さんが、ニコニコと応対してくれたのが意外でした。

そしてもっと不思議なこと。
こんな俗世から隔離された世界で修業されている修道士さんたち、
何故あんなに太っていたのだろう?
コメント (14)
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ギリシャ旅行②開き直り?

2015年07月03日 | ギリシャ旅行2015


帰国した途端、ギリシャ経済危機のニュースで日本は大騒ぎ。
6月30日までのIMFへの返済期限をギリシャはやはり守れず、
金融支援はこれで失効、先進国で初めての延滞扱い。
その後チプラス首相はまた、とんでもない演説をしたのですね。
EUが提案した財政再建策を受け入れるか否かを国民に問いかけ、
5日の国民投票で「ノー」と言うように呼びかけていると。
そしてギリシャがこんなになったのはEUのせいだとも。
数字や経済に弱い私、詳しいことは分かりませんが
お金にだらしない放蕩息子が資産を使い果たして、オレがこうなったのは
甘やかしたオマエラが悪いと、親に開き直っているようにしか見えないのですが…



ギリシャではWiFi事情があまりよくなく、四つ星以上のホテルでも使えなかったり、
使えてもロビーでは無料、部屋では有料という所が多かったのです。
部屋でできないとなると面倒で、あまりネットも使わなかったのですが
一度だけサントリー二島にいるとFBに写真を投稿したら
銀行閉鎖大丈夫か、暴動は起きてないかというコメントが山ほど。
いえ、あちらはノンビリしてたのですけど。
少なくとも地方や島では。
アテネでは確かに銀行は閉まっていたし、ATMに人が並ぶシーンは目撃しましたが。
現地ガイドさんに聞くと、一日60ユーロしか引き出せないなんてクレージーだと。

「ギリシャ人の真実」(柳田富美子著)という本によると
”(脱税が)ギリシャでは昔からあらゆる場所で当たり前のように行われていた。
お店で買い物をする時、領収書は要らないと言えば少し安くしてくれるので、客はその方が嬉しい。
店主にとっても領収書を発行しない分、税務署に納税しなくても済むので闇の儲けにできる。”
驚いたことにそういったことが、病院などでも行われているというのです。
この著者は、誰もが当たり前に脱税するこの国は昔から貧乏だったと言っている。
そして誰もが「国は貧乏だけど個人の生活は豊かだよ」と言っていたと。
そういえば今回の旅行でも、島であろうと都会であろうと、
小さな土産物を買ってもタクシーに乗ってもレシートは殆ど出なかった、
あれはつまりそういうことだったのか?



そんな話題の国の駆け足旅行記、お付き合い頂ければ幸いです。

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