「リスクにあなたは騙される」(ダン・ガードナー著、早川書房)
脳は二つの思考システムをもっている。システム・ワンとシステム・ツー。
システム・ツーは理性。ゆっくり働く。証拠を調べ、計算を行い、言葉で説明する。システム・ワンは感情。稲妻のごとく早く働き、意識的に認識することなく、即座に判断する。言葉で説明することは難しい。システム・ツーは「頭の考えること」とすると、これは「腹の考えること」(本当は脳が働いているから、頭なんだけれど)。
往々にして、ゆっくり考えることなく「腹の考えること」が「頭の考えること」に勝つ。
科学的思考を鍛えることは難しい。だからこそ大切。持続可能な社会を形成するための教育も、シティズンシップも、結局、「腹の考えること」に負けない「頭の考え」=理性を育てるということか。