昨日(2007年12月13日)は、人間環境論の特別授業でした。
テーマは、「ヤンバルの森」。
「人間以外の生物の立場から、ヤンバルの森を考えてみよう」というのですが・・・。
ヤンバルの森をゆっくり歩いた体験がほとんどないというのは仕方ないとしても、ヤンバルテナガコガネの名前すら知らないとは! あまりの情報ギャップにこちらが唖然!
予定より少し遅れて授業開始。授業のテーマを告げ、まずは最近の(あるいは今の)自分を動物に例えて、自己紹介。
次に、木こり。最近、私の定番。とても気に入っている。タイミングがずれると、新しい木が育たず、森林がなくなってしまう・・・というゲームでした。
次は、進化ゲームの変形。テーマに沿って、ヤンバルテナガコガネ→ヤンバルクイナ→ハブ→人間とジャンケンで成りあがっていく。これで、順番を決め、次のグループ分けに利用。
この25年で沖縄の原野と森林が減り、道路と宅地になっているという資料を配る。ヤンバルの森の伐採の主たる理由が林道、ダム、農地、基地(演習地)であること話す。森林が、赤土流出を防いでいることも話す。
17人を三つにグループ分け。グループの中で、イタジイ、ヤンバルテナガコガネ、ヤンバルクイナ、マングースの役をひとりずつ決めてもらう。残りの人は人間。
次に同種同士をあつめ、その種についての資料を渡し、それぞれ自分の種についての情報交換をしてもらう。人間については、ダムや林道や基地の必要性を話してもらう。
元のグループに帰って、グループに、基地、林道、ダムのテーマを選んでもらう。それぞれの種の立場で討論。まず、人間から、その必要性を説明。それに対して、他の生物からいろいろ意見を言う。
また同じ種に分かれる。今度は、100年後の未来予想。これをみんなの前で発表。
人間。汚染がひどく火星へ脱出。宇宙戦争へ。
マングース。繁殖しすぎて、人間界へ進出。専用銃で撃ち殺される。
ノグチゲラ。くちばしが進化。イタジイだけでなく、あらゆる木に棲めるようになり、コンクリートさえ穴をあけるようになり、命脈を保つ。
ヤンバルテナガコガネ。ヤエヤマに逃げ出し、ヤエヤマアシナガコガネに進化するものとヤンバルに残って絶滅するものに分かれる。進化したほうは、火星に逃げ出した人間の後の、地球の支配者となる。
イタジイ。絶滅寸前。しかし、人間も食糧危機で絶滅しかかっており、ドングリが芽を出し始める。
明るい未来予想より、暗い未来予想が多かった。「人間さえいなければ、また私たちは豊かに繁殖できる」というイタジイの言葉が胸に痛かった。
ふりかえり。それぞれの生物が支えあっているのに、人間の身勝手さをつくづく感じたという学生たち。今、ここから考えていこう!自分に出来ることをしていこう!という彼らに、未来を託す。
以上で2時間10分を要しました。こののち、学生たちは熱心に感想を書いてくれました。