ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

ヤンバルの森

2007-12-14 09:33:52 | 授業・教育

昨日(2007年12月13日)は、人間環境論の特別授業でした。

テーマは、「ヤンバルの森」。
「人間以外の生物の立場から、ヤンバルの森を考えてみよう」というのですが・・・。

ヤンバルの森をゆっくり歩いた体験がほとんどないというのは仕方ないとしても、ヤンバルテナガコガネの名前すら知らないとは! あまりの情報ギャップにこちらが唖然!

予定より少し遅れて授業開始。授業のテーマを告げ、まずは最近の(あるいは今の)自分を動物に例えて、自己紹介。

次に、木こり。最近、私の定番。とても気に入っている。タイミングがずれると、新しい木が育たず、森林がなくなってしまう・・・というゲームでした。

次は、進化ゲームの変形。テーマに沿って、ヤンバルテナガコガネ→ヤンバルクイナ→ハブ→人間とジャンケンで成りあがっていく。これで、順番を決め、次のグループ分けに利用。

この25年で沖縄の原野と森林が減り、道路と宅地になっているという資料を配る。ヤンバルの森の伐採の主たる理由が林道、ダム、農地、基地(演習地)であること話す。森林が、赤土流出を防いでいることも話す。

17人を三つにグループ分け。グループの中で、イタジイ、ヤンバルテナガコガネ、ヤンバルクイナ、マングースの役をひとりずつ決めてもらう。残りの人は人間。

次に同種同士をあつめ、その種についての資料を渡し、それぞれ自分の種についての情報交換をしてもらう。人間については、ダムや林道や基地の必要性を話してもらう。

元のグループに帰って、グループに、基地、林道、ダムのテーマを選んでもらう。それぞれの種の立場で討論。まず、人間から、その必要性を説明。それに対して、他の生物からいろいろ意見を言う。

また同じ種に分かれる。今度は、100年後の未来予想。これをみんなの前で発表。
 人間。汚染がひどく火星へ脱出。宇宙戦争へ。
 マングース。繁殖しすぎて、人間界へ進出。専用銃で撃ち殺される。
 ノグチゲラ。くちばしが進化。
イタジイだけでなく、あらゆる木に棲めるようになり、コンクリートさえ穴をあけるようになり、命脈を保つ。
 ヤンバルテナガコガネ。ヤエヤマに逃げ出し、ヤエヤマアシナガコガネに進化するものとヤンバルに残って絶滅するものに分かれる。進化したほうは、火星に逃げ出した人間の後の、地球の支配者となる。
 イタジイ。絶滅寸前。しかし、人間も食糧危機で絶滅しかかっており、ドングリが芽を出し始める。

明るい未来予想より、暗い未来予想が多かった。「人間さえいなければ、また私たちは豊かに繁殖できる」というイタジイの言葉が胸に痛かった。

ふりかえり。それぞれの生物が支えあっているのに、人間の身勝手さをつくづく感じたという学生たち。今、ここから考えていこう!自分に出来ることをしていこう!という彼らに、未来を託す。

以上で2時間10分を要しました。こののち、学生たちは熱心に感想を書いてくれました。

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いい気持ち・みんなで詩の朗読―第一回ドラマ教育研究会報告

2007-12-12 09:11:07 | 研究会報告

第一回ドラマ教育研究会は、とても楽しく終了しました。詳しくは、浅野先生が書いてくださった添付のたよりをご覧下さい。 「drama_news_1.doc」をダウンロード

今回は、小学校の先生がたくさん参加してくださいました。今、学校現場は大変です。だからこそ先生方がひとりで悩むことなく、こういう場で元気をだしてもらいたいと思いました。

那覇からの参加もあり、少しずつではありますが参加者の広がりを感じています。

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コントロールを手放す―第8回「学びの即興劇」研究会報告

2007-12-02 08:47:03 | 研究会報告

11月27日(火)18:30-21:00、インプロの奈穂さんhttp://www.drama-ee.net/に来ていただきました。
テーマは「相手や場に起こっている事を読み取る。コントロールを手放す」でした。このテーマに惹かれて来られた参加者も何人かあったようです。

・私のご挨拶からスタート

・参加者の自己紹介

・奈穂さんにバトンタッチ

☆ゲーム「イチ・ニ・サン」(考えないで反射的に次の行動。間違えても楽しい)

☆インプロの説明

☆名前を呼ぶ(ボールを使いながら)(受ける・受け入れてもらう。アンテナを張る)

☆ボール投げ(さらに視野を広げる)

☆三人でシェア

☆全体でシェア

☆「Yes, I am」全体で(受け入れる)

☆「Yes, and」グループで(受け入れて、付け加える)

☆感想。「このゲームで気分を害することはないか?」の質問から、話し合い

ここで「子どもたちにさせると、いじめなどが出てこないか」という質問がありました。これに対して、奈穂さんは①今日は子どもにこれをするというのではなく、教師のスキルとしてやっている②やっているときの気持ちに影響されることは大事なこと③子どもたちとやる場合、必要な時は「相手に思いやりを持って行なう」ようにきちんと言葉で話す、と三点を指摘した上で、「いずれにせよ、安全な場で(それをつくった上で)行なう必要がある」と話されました。学校現場の経験者からは、「36人の学級で担任一人では難しい」という現実も指摘されました。

一気に内面にふれるものに行くのではなく、お互いの関係づくりをしっかりした上で行なう必要があるでしょう。この見極めがドラマ教育のもっとも難しいところかと思います。

☆「One word」全体で(コントロールしようとしないで、場にゆだねる)

☆「One word」グループで

☆イルカの調教(予想できないことを体験する。クセや思い込みを乗り越える)

☆シェア:ひとりひとことずつ

・終了のご挨拶とインフォメーション

ゲームで一挙にアイスブレイクしながら、ときおりグループでシェアするうちに、実に活発に意見もでて、活気のあるワークショップでした。
良い講師に良い参加者。みなさんそれぞれに得ることの多い研究会だったと思います。
奈穂さんと私以外の参加者、16名。

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