日本心理劇学会の研修会と大会が、12月14~16日(2007年)沖縄(いずみ病院・いずみ苑)でありました。今回は大会の運営委員という立場で参加させていただきました。ドキドキハラハラや「失敗した!」と思うこともあったのですが、とはいっても言われたことをすればよい身分だったので、大変だったと言うより楽しい経験でした。
一方で発表もさせていだきました。今回は、「リーダー研修と学びの即興劇」について報告し、ドラマにおける教育と治療の境ということを疑問点として提起させていただきました。治療・臨床の方にとっては、あまり意識にのぼりにくいテーマだと思います。
実は、ドラマ教育の方にとっても意識にのぼりにくいテーマかもしれません。
けれど、ドラマは場合によっては人を傷つけます。治療臨床の方は、それは良く分かっている。
ドラマ教育、とりわけ演劇関係の方には、あまり意識されていないように思えます。もちろん、人によるのですが。別に心理に関わるようなことを扱っているわけではないので、意識しないですむとも言えます。
でも、学校教育にドラマを普及しようとするとき、うっかり知らないで人を傷つける分野に入り込まないために、治療と教育の境は意識しておいたほうが良いと思うのです。
学校教育でのドラマを「癒し」と位置づけている文に出会ったことがあります。私は「それは少し違う」と思います。結果として癒されることはあるでしょう。けれど、学校教育にドラマを持ち込む目的は「癒し」ではないはずです。そういう位置づけに「危険」を感じるのです。
今回、わたしのこんな思いを受け止めてくださる方があると知りました。個人的には、これが、今回の学会での最大の成果でした。