ある人から、自分の実践を検討するために、「対象が違ってもいつも同じ方法で実践することを試みたらどうか」と提案していただきました。「なるほど」と思います。
けれど「学びの即興劇」http://www.drama-ee.net/は、対象が変わるとそのグループの必要としていることが異なってくるので、テーマも変わってきてしまうのです。一方で、いつも同じテーマでドラマ・ワークショップを展開しておられる方もあります。そこで、気がついたのですが・・・。
ドラマは私にとって教育のためのひとつの方法です。
料理に、煮る・焼く・蒸す・・・と様々な方法があるように、教育にも様々な方法があります。
学習にドラマを使うことを、「焼く」に例えてみましょう。
夏に体験したコービー先生の「灰色島と緑島」のワークは、ピザに例えることができます。
「おいしいピザの作り方」のレシピの基本は決まっています。台生地とソースをつくり、チーズも含めて順に重ね、オーブンに入れて焼きます。トッピングは時々に応じて変わりますが、おおむね手順は決まっていて、繰り返すことができます。
「灰色島と緑島」は良くできたレシピなので、繰り返して使用することができます。
「学びの即興劇」は、「フライパンで焼く」という方法だけです。「フライパンで焼く」場合の、ポイントを述べているだけ。何を何とあわせて、どのように味付けて、どういう手順で焼くかは決まっていない。
「学びの即興劇」を使った、おいしいレシピを作るということが、これからの私の課題なのかもしれません。
日本大学の渡部淳先生が、メソッドとスキルということをおっしゃっていました。「技法と技術は違う」と。英語の知識がないので確信はないのですが、「灰色島と緑島」は体系的なメソッドであり、「学びの即興劇」はひとつのスキルなのだろう。
この年末に、何人かの方とドラマについて語る機会があり、ふとそんな風に感じたのでした。