極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

里山とトリュフ

2010年12月04日 | びわこ環境


荒波が グリーンなまきの馬に 滾つ散り 呑まれ揉まれて きょうの平穏 




きのうは、トリュフが気になり、ジム
帰り珍しく図書館に立ち寄るが、当て
がはずれ別の本を借りて帰る。ところ
がである、検索中、中年の女性から声
が掛かり振り向くと、前職場でお世話
になった方。失礼なことに女性の名前
が暫く思い出せずにいたのだが、向こ
うの方から紹介があり、しばらく立ち
話をし分かれた。その話を夕食に彼女
に話すと、嫉妬心があるのか乗りが悪
いのだ。30年前の話で月日の流れを感
じさせられたというこだけなのだが。

Alaska Fishing Reports
 

  庭いっぱいに並んだ家主の中古車は
 べつに邪魔じゃない。家主そのものも
 べつに邪魔じゃない。彼は一日じゅう金敷の
 上にしゃがみこんでいるか
 あるいはアーク溶接機の
 青い炎に包みこまれているかだ。
    でも彼は僕のことを気にしていて、
 ときどき仕事の手を休めて窓越しに僕に向かって
 にっこりと笑いかけ、うなずく。彼は
 自分の伐採機具を僕の家の居間に置いていることを
 詫びさえする。

    しかし僕と彼はずっと友達。
 すこしずつ日差しが弱くなり、そして僕らは
 ともに春へと向かってレるのだ。
 水嵩を増した川へと、若鮭ジャック・サーモンへと、
 川を遡ってくるヘと。

 

                       ‘Autumn
                     『秋』
           レイモンド・カーヴァー
            村上春樹 訳
      「ファイアズ(炎)」より


Spore mycorrhizal fungi

話はトリュフ。ネット上では白トリュ
フはグラム当たり700円ぐらいで売ら
れているから目を剥くような高さだ。
さて日本でもトリュフは獲れというこ
なんだが市場流通はしていない。暑く
て乾燥し、土が石灰岩のドングリの木
がありその根に菌根菌が共生している
ことが条件となる。


この近くは、伊吹山のように石灰岩か
らなる土地が多くそれらしきところが
あるのだが、栽培に要する期間は短く
て7年、長くて15年かかるといわれて
いる(1808年、南フランスのジョゼフ・
タロンが、トリュフの宿主となること
が分かっているオークの木の下から集
めたドングリをその根の間に播き栽培
に成功している)。


 常緑性オーク「カシ」は、湿潤で
 あるか乾燥しているかにかかわら
 ず、温暖な気候にあわせて進化し
 た。そのような気候では、光合成
 が一年中つづけられるため、たえ
 ず水が幹のなかを上昇して、栄養
 物やエネルギーの生産現場に無機
 成分や水分を運ぶ必要がある。常
 緑性のオークは、葉の表面がロウ
 質でおおわれている傾向があるが、
 それは水分が急に失われてしおれ
 るのを防ぐためである。葉は通常、
 切れ込みがなく、したがって温ま
 るのも冷えるのも遅い。また蒸散
 を妨げる空気抵抗も、このような
 切れ込みのない葉のほうが、薄い
 葉や切れ込みのある葉に比べて大
 きくなる傾向がある。葉はわずか
 にくぼんでいる場合があるが、こ
 れは葉の裏側にあって水分を蒸散
 する気孔を、乾燥をまねく風から
 守り、水分消失のスピードを一定
 にするためである。
 
 このような外見の違いに対応する
 違いが内部にもある。類縁の落葉
 性のオークでは、早材(成長シー
 ズンの早期にできる木質)の導管
 は径が太く、晩材(成長シーズン
 の後期にできる木質)の導管は細
 くて壁が厚いという顕著な変動が
 みられるのに対し、常緑性のオー
 クにはそのような変動がなく、循
 環系として働く導管が、それぞれ
 の年輪のなかにほぼ均二に散在し
 ている。

 そのような細い導管のなかを通る
 水は量が少なく、移動の速度も遅
 い。しかしその動きは確実である。
 細い導管は気泡ができにくく、し
 たがって水柱が途切れて水路が使
 えなくなってしまうことが少ない。
 常緑樹の導管のほとんどは、その
 年だけではなく、数年間機能する。
 常緑のシステムは、速くはないが
 着実な生命律動をつくりだす。

   ウィリアム・B・ローガン著 
         岸 由二 解説 
              山下 篤子 訳
       『ドングリと文明』

         

古生物学におけるミッシングリンク
関する説は2つあり、その1つが「
続平衡説
」で、米国の古生物学者 S.J.
グールドとN.エルドリッジが提唱した。
それによると、生物は適応放散などで
ごく短期間のうちに進化が進み、安定
状態になるというもの。つまり中間種
は絶対数が少なく化石に遺り難いと考
える。もう1つは「ウイルス進化説
で、ミッシングリンクを説明するもの
として、日本で一般書によって提唱さ
れている説。進化はウイルスの感染に
より1世代単位で起こるとする。科学
的な学説とは見なされていないものだ
が。

『ドングリと文明』によれば、ドング
の木をベースにした文明は、温帯す
べてに普遍的に存在し、狩猟文化と農
耕文明のあいだをつなぐ、メジャーな
文明システムだったことを明らかにす
る。狩猟文化で獲物をとりつくした人
類は、ドングリ林がドングリの実と木
(オーク材)を提供することで定住生活
がはじまり、作物を人工的に育てる農
業が次に発達する。



ところで、ドングリが獲れるカシ類は
照葉樹林の重要な構成種であり、様々
な常緑広葉樹林にカシが多く姿を見せ
る。西日本の平野部ではアラカシが優
占する森林となる事が多い。海岸線
ウバメガシが、ブナ林帯近くでは
カガシ
がその間の地域ではウラジロガ
などが見られる。この照葉樹林地帯
のシイ・カシ林を繰り返して伐採する
と、ナラ類のコナラやクヌギを中心と
する落葉樹林や、これとアカマツの混
交林になりやすい。いわゆる里山とい
うのがこれにあたる



そうだ、ここにきて潜在的にトリュフ
から里山につなげたかったのだという
のがわかったのだ。文献上、この単語
が現れるのは1759年の「木曽御材木方」
という文書において「村里家居近き山
をさして里山と申候」と定義されてい
るが、里山の再評価に直接繋がる言論
活動は四手井綱英が最初とされ、奈良
の吉野山地では、山を村落から近く標
高が低い順に「サトヤマ」「ウチヤマ」
「オクヤマ」「ダケ」と区分し「サト
ヤマ」は集落の周囲の斜面にある畑や
雑木林をさす。



滋賀県は南北の山を越えると若狭と伊
勢の豊かな魚介類が入手でき山里では
近江牛のラクトや農作物が入手でき里
山で獲れた団栗と西洋松露がクロスし
オープン形温泉付きの広域レストラン
Restaurants mondial ' が自ずと開店し
ているというイメージと古典芸能など
の文化がクロスする「七つ☆」レスト
ランテのイメージだ。
 

 

コメント
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