今年10月に国勢調査が実施されます。
先日、平均寿命はこの国勢調査に基づいて計算されることは書きましたが、
次々と判明する超高齢者の生存不明など、次の調査でははたしてどんな結果がでるのでしょう。
10年前の調査の時、国勢調査のアルバイトを体験しました。
100世帯ぐらいが担当で、配布と回収のため、夜討ち朝駆け何度も足を運んだものでした。
特にワンルームマンションでは表札や名札を掲げていない世帯が多かった。
夜、室内に電気がついているのを確認してピンポン鳴らしても出てこられない。
こうした風潮はさらに強まっているに違いない。
国勢調査にどれほどの人がちゃんと協力するのだろう。
家具付マンションなどが当時よりもうんと増えて、敷金礼金なしなど入居の敷居が低くなってますからね。
また住民票を引越しの度にちゃんと移しているかどうかも疑問です。
役所がちゃんと管理していなかった戸籍だけでなく、住民票だって国からの補助金をあてにしない人は規則どおり移すとも思えない。
昨日の毎日新聞記事には、
児童虐待の恐れがあるとして全国の児童相談所が保護者らに改善を指導中、転居して行方が分からなくなったままの児童(18歳未満)が05年度以降、少なくとも97人(3月末現在)
09年度だけでも39人が住民票を残したまま行方不明だそうです。
家の固定電話ではなくて、各個人の携帯に繋がるようになってからというもの、世の中激変です。
こうした世情の変化は日本だけではない。
日曜日の新聞にギリシャでも死者に年金という記事が載ってました。
110歳を超える高齢者で年金受給者500人を調べた所、
321人が死亡しているにもかかわらず年金が支給されていることが判明した。
多くの場合、遺族らが口座から引き出していたそうです。
また日本の話に戻りますが、戸籍は家族集団単位に把握するアジア特有の制度らしい。
例えば日本では、人が亡くなった場合、その遺産相続には全ての遺産相続者の同意が必要です。
戸籍謄本をとって、戸籍上かかわりのある人全部の印鑑証明をもらわないといけません。
これってものすごく面倒な話で、手数料も手間もかかります。
2000年に父が亡くなった時、会計士さんに原戸籍が必要だと言われた。
普通の戸籍謄本よりもずいぶん手数料が高かった記憶がある。
あの時も原戸籍って何よと思いましたが、改めてその原戸籍について調べてみました。
明治時代の初めに全国統一の戸籍が生まれてから現在までに戸籍制度は何回かの大きな改正を行ってきた。
それに伴って全面的に戸籍の書き換えが行われた。
書き換えられた新しい戸籍は「現在戸籍」
書き換えられる前の「古い戸籍」を「改製原戸籍」という。
平成6年に、それまでの紙戸籍を綴って戸籍簿として管理していたものをコンピューターのデータとして管理してよいことになった。
戸籍の電算化(コンピューター導入)が行われた市区町村では、紙の戸籍簿の内容をすべてコンピューターに移し替えた。
国内、すべての市区町村で戸籍の電算化が行われたわけではない。
その前の改製は昭和23年法務省令で、それまで家単位で編成されていた戸籍を夫婦とその子供という単位になった。
戸籍の様式も変更することになり全面的に新様式で戸籍が書き換えられた。
このとき改製されて現在戸籍となった新しい戸籍も、戸籍の電算化が行われた市区町村ではすでに「改製原戸籍(平成改製原戸籍)」になっている。
昭和42年、住民登録法を改正した住民基本台帳法の施行により、戸籍とリンクした住民登録制度が開始された。
本来家族集団単位に把握する制度ゆえ現状にそぐわなくなってきているのでしょう。