A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

何気ない風景描写~くどうなみお「はるのあめ」

2008年03月02日 23時10分09秒 | 素晴らしき変態音楽
マヘル・シャラル・ハシュ・バズの工藤冬里、礼子夫妻の長男、波夫君のソロ・デビューCDがひっそりとリリースされた。マヘルの作品には10代の頃から参加していた波夫君だが、「はるのあめ」と題されたこのCDには「木」「後」「草原」「定」「主」など素っ気ないタイトルの曲が10曲収録されており、マヘルや礼子氏の作品に似たアマチュアリズムの無邪気さに満ちた素敵な作品集である。基本的には波夫君のピアノの弾き語りで、数曲冬里氏がヴァイオリンで参加している。ピアノはサティのようなミニマルな演奏、ヴォーカルは冬里氏の声質を渋くしたような感じで、メロディーは礼子さんの作品の潔さに近い。ぼそぼそと呟くようなヴォーカルがこの作品のプライヴェート感を強く醸し出している。日常の生活の中で感じたことを日記のように綴った歌詞が興味深い。アルバム・タイトル通り、春雨が降る微妙な季節を感じさせる物悲しいセンチメンタルなムードが濃く、子供と大人の中間にある波夫君の現在の心境が伺える。
マヘルや礼子さんの作品に比べ地味なアルバムなので皆にお勧めという訳ではないが、ガラスの心を持った青年の日記として愛おしい作品である。現状では限られたCDショップでしか取り扱われていないようなので、モダーンミュージックの通販サイトを紹介しておく。
モダーンミュージック くどうなみお page

はるさめを
とおしてみえる
こころかな

ジャケットのアポストロフィは彼の人生の一区切りを意味しているのか。
映像はマヘルのライヴ。


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ロマーンズ@新宿 Red Cloth 2008.3.1(sat)

2008年03月02日 01時35分11秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界
ロマーンズの2ndアルバム「It's My Turn」のレコ発。対バンはロッキンエノッキーワンマンバンド、Kill Times、Jet Boysの3バンド。最初は少なかった客もJet Boysの頃には200人くらい入っただろうか満員だ。
ロッキンエノッキー~はその名の通り一人でミニドラムを踏みながらギターの弾き語りを聴かせる。古いR&Rばかりでテクニックもあるしキャラが立っていて面白い。
Kill TimesはStoogesの流れを汲むR&Rバンドで見た目はカッコいいのだが曲がみんな似ていて今ひとつ。
Jet Boysは結成25周年を迎えるベテランパンクバンドで流石に上手い。リーダーのオノチンは45歳とは思えないパワーでステージを駆け回りジャンプする。あげくの果てには全裸になりフリチンで大根やヌンチャクでギターを弾いたり、牛乳を吹き出しながら客席へ乱入してくる。凄まじいオヤジパワーだった。
オノチン(Jet Boys) HP
そうして盛り上がった所へロマーンズ登場。登場前にスクリーンに「It's My Turn」のPVが流れる。撮影を武蔵境Stattoでやっていてちょっと感動した。Stattoは私の家から一番近いライヴハウスなのだ。アルバム通り「デュランゴ95」からライヴスタート。ギターの奈津子ロマーンは前より少しぽっちゃりしたような気がする。ドラムのCCとベースのミカのテクニックの上達が著しい。というかテクニック以前の原初的な"ノリ"が格段に進歩しているのだ。曲が進むにつれて客席前の方はモッシュ状態に。今までのライヴでは客は比較的おとなしかったものだが2ndのレコ発となると別だ。最前列で観ていた私も前後左右へ揺さぶられる。アンコールを含め21曲45分。ラモーンズよろしく"Gaba Gaba Hey!"と書いた立て札を持った女の子が登場したり、アンコールではエノッキーをヴォーカルに迎え渋いカヴァーをやったり、奈津子ロマーン初のMCが聞けたりと楽しいステージだった。もうカヴァーバンドというより、ラモーンズを自分たちのものにしてしまった感じだ。オリジナル曲も悪くないし、今後の活躍が期待される。他のバンドの演奏を客席に出てきて嬉しそうに見詰める彼女達は何より音楽好きの女の子なのだ。その感覚を大切にして欲しい。

ロマーンズ
合図はヘイホー
レッツゴー

しかしJet Boysの暴走はハンパなく凄かった。私も見習いたい。いややっぱりああはなりたくない。どっちだ?


コメント (1)
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