マヘル・シャラル・ハシュ・バズの工藤冬里、礼子夫妻の長男、波夫君のソロ・デビューCDがひっそりとリリースされた。マヘルの作品には10代の頃から参加していた波夫君だが、「はるのあめ」と題されたこのCDには「木」「後」「草原」「定」「主」など素っ気ないタイトルの曲が10曲収録されており、マヘルや礼子氏の作品に似たアマチュアリズムの無邪気さに満ちた素敵な作品集である。基本的には波夫君のピアノの弾き語りで、数曲冬里氏がヴァイオリンで参加している。ピアノはサティのようなミニマルな演奏、ヴォーカルは冬里氏の声質を渋くしたような感じで、メロディーは礼子さんの作品の潔さに近い。ぼそぼそと呟くようなヴォーカルがこの作品のプライヴェート感を強く醸し出している。日常の生活の中で感じたことを日記のように綴った歌詞が興味深い。アルバム・タイトル通り、春雨が降る微妙な季節を感じさせる物悲しいセンチメンタルなムードが濃く、子供と大人の中間にある波夫君の現在の心境が伺える。
マヘルや礼子さんの作品に比べ地味なアルバムなので皆にお勧めという訳ではないが、ガラスの心を持った青年の日記として愛おしい作品である。現状では限られたCDショップでしか取り扱われていないようなので、モダーンミュージックの通販サイトを紹介しておく。
モダーンミュージック くどうなみお page
はるさめを
とおしてみえる
こころかな
ジャケットのアポストロフィは彼の人生の一区切りを意味しているのか。
映像はマヘルのライヴ。
マヘルや礼子さんの作品に比べ地味なアルバムなので皆にお勧めという訳ではないが、ガラスの心を持った青年の日記として愛おしい作品である。現状では限られたCDショップでしか取り扱われていないようなので、モダーンミュージックの通販サイトを紹介しておく。
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