A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

怪奇暗黒演劇~鼠派演踏館

2008年03月25日 23時49分17秒 | アート!アート!アート!
昨日天井桟敷のことを書いていたら、鼠派演踏館というアングラ劇団のことを思い出した。今のうちに書いておかないと記憶が消失してしまう気がしてここに記すこととする。
20年ほど前「ぴあ」の競合誌で「シティロード」という情報誌があり、ぴあよりもマイナーなネタが多く愛読していたのだが、その読者プレゼントにこの劇団の鑑賞券があり、応募すると必ず当たった。だから学生の頃良く観に行ったものだ。池袋の民家を改造した20人も入れば一杯の劇場で彼らは活動していた。その劇場で完全な闇を体験し感動した覚えがある。
主宰者は宮下省死氏。彼と奥さんのアルチュール絵魔さんが劇団の中心だった。暗黒舞踏の始祖土方巽氏が命名しただけあり、ドグラマグラな暗黒劇だった。宮下氏自身のペンになるポスター・イラストがまたオドロオドロしく、劇の題名も「浣腸脳髄」「神聖魔羅」「玩具少女」「ナンジャ」「月人パカパットラかく語りき」などタイトルを見れば内容の察しが着くような変態的なものだった。奇怪な白塗りに真っ赤な着物、意味不明に壊れかけたオブジェが記憶の中に残っている。音楽はブリジット・フォンテーヌやシャンソンを使ったり、一度はキノとかいうパンクバンドが演奏したこともあったと思う。
いつも客は10人前後で劇団だけでは生活出来ず、夫婦で新宿で金粉ショーやSMショーをして生計を立てていたらしい。一緒に観に行った友人が気に入りいつの間にか劇団員になっていてショックを受けたこともある。1985年に「浣腸脳髄」という戯曲集が出版され、それと数枚のポスターのみが私の手に残された。
就職とともに観に行くことも無くなったが、宮下氏は形を変えて3年くらい前まで活動していたようである。もし機会があればぜひもう一度観て昔話に花を咲かせたいものである。
宮下省死インタビュー

懐かしき
怨念舞台を
今一度

当時ハマった演劇は鼠派だけだったから今から思うと極私的なものだが時代の意識に突き動かされたような特異な体験だった。
映像は宮下氏出演の暗黒舞踏映画の予告編。こんなものが現存するなんて凄い。



コメント
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