A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

胸キュンフルーツ戦 第1回~バナナvsイチゴ

2013年03月27日 01時07分05秒 | 妄想狂の独り言


早朝布団の中で童謡「さっちゃん」の歌詞(4番存在説あり)のバナナから「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」のジャケットを連想しいろいろな果物に思いを馳せるうちにフルーツと音楽の関係を調べたら面白いのではと思いついた。そこでバナナとイチゴという二大フルーツのライバル対決に挑んでみた。なお調査にあたってはツイッターでフォロワーの方にご協力を仰いだのでこの場を借りてお礼を申し上げたい。

●ジャケット
バナナ:高田渡「ごあいさつ」


現代詩をフォークにのせるスタイルを確立させた高田渡1973年のメジャー・デビュー作。演奏ははっぴいえんど。ニューミュージックの誕生に立ち会ったベルウッドレコードを代表する金字塔。テリー・ジョンソンを名乗りヘタウマアートの騎手となる湯村輝彦が手がけたとボケたバナナと柳の下でそれを見上げる浴衣の男のイラストが牧歌的でもありシュールでもあり高田の人なつっこさと前衛性を際立たせている。昭和ポップスには印象的なジャケットが多いがキャッチーなバナナが一際存在感を主張する。

イチゴ:ザ・ダムド「ストロベリーズ」

ウォーホールに対抗出来るいちごジャケを募集したところチャック・ベリー(Berry=Strawberry)やアニマル・コレクティヴ等を推薦いただいたが残念ながらヴェルヴェッツに匹敵する象徴性には乏しい。その中では「豚に真珠」ならぬ「豚にいちご」のダムドの5thアルバムが暗示的でいい。前作「ブラック・アルバム」でパンクからの脱却を計った彼らがポップ路線を極めた1982年のアルバム。喜びvs痛み(「Pleasure And The Pain」)、生vs死、前衛性vs大衆性...。裏ジャケではいちごを踏みつぶした豚が佇み睨みつける。本作を最後にオリジナル・メンバーのキャプテン・センシブルが脱退しバンドは心機一転メジャーデビューに至る黙示録ともいえる。

●バンド名
洋楽(サイケ)
バナナ:エレクトリック・バナナ



エレクトリック・バナナはブリティッシュ・ビート・バンド、プリティ・シングスがサイケデリックに転身した1960年代末に副業としてテレビや映画に出演/楽曲提供するときに名乗った変名。「エモーションズ」(1967)「S.F.ソロウ」(1968)というサイケポップの名作を生みつつ商業的に恵まれなかったプリティーズが才能を注ぎ込んだ作風は副業といえど手抜きなし。ダムドの覆面ユニットのナズ・ノマッド&ザ・ナイトメアーズやXTCの変名ユニット、デュークス・オブ・ストラトスフィアーのヒントになったと思われる。1970年代にも同名でハードロック作品を残しておりエレクトリック・バナナはプリティーズのオルターエゴともいえる。

イチゴ:ストロベリー・アラーム・クロック


1967年にデビューし全米No.1ヒット「インセンス&ペパーミンツ」を放った「いちご時計」ことストロベリー・アラーム・クロック。ドアーズ風のオルガン・サイケをポップな意匠で展開した彼らは他の便乗バンドの多くが一発屋で終わる中アルバムを4枚リリースした実力派。当時サイケ映画「嵐の青春(Pasych-Out)」にも出演した。「インセンス&ペパーミンツ」は「オースティン・パワーズ」など60年代を描いた映画には欠かせない時代を象徴する名曲。

洋楽(ニューウェイヴ)
バナナ:バナナラマ



1981年デビューのロンドン出身のガールズトリオ。デビューのきっかけはセックス・ピストルズのメンバーのスタジオの上階に彼女たちが住んでいたこと。80年代半ば全米No.1ヒット「ヴィーナス」をはじめとするディスコ調ニューウェイヴで大ヒット。バブル時代の日本でも大流行した。

イチゴ:ストロベリー・スウィッチブレイド


グラスゴーで1981年に結成されたガールズ・デュオ。サイケな水玉模様の衣装はゴスロリの元祖としてファッション界も含め大きな影響を与えた。女性デュオとしてシャンプーやパフィの手本にもなったと思われる。

邦楽(若手)
バナナ:BANANAFISH



2007年東京青山で結成された4人組。UKロックを核に様々な音楽性を取り入れた柔軟なギターロックを展開し人気を集め昨年限定発売したデビュー・アルバム「SCROLL」が好評につき今年1月全国リリースされたばかりのちゃきちゃきのブライテストホープである。

イチゴ:STRWBERRY RECORD


1998年埼玉で結成された4人組通称ストレコ。憂鬱をコンセプトの軸に置きながらも陰湿にはならずポップかつ前衛的なポストロックを聴かせインディーで7作、メジャーで4作のアルバムをリリース。個性的なバンドだったが2009年無期限活動停止を発表した。

●曲名
スタンダード
バナナ:ゴールデンハーフ「バナナ・ボート・ソング」



別名「デイ・オー」元々はジャマイカ民謡メントの労働歌。1957年アメリカの黒人歌手ハリー・ベラフォンテが歌いヒットさせた。日本では同年浜村美智子が唄い大ヒット。多くの歌唱・替え歌がある。1970年代前半「8時だヨ!全員集合」等に出演しお茶の間の人気者だった全員ハーフのアイドル、ゴールデンハーフのヴァージョン。

イチゴ:メロン記念日withばんばひろふみ「『いちご白書』をもう一度」


1975年フォークデュオ、バンバンが唄いオリコンNo.1ヒットさせたユーミンこと荒井由実(現・松任谷由実)作詞作曲ナンバー。「いちご白書」とは実際に起った学園紛争を描いた1970年公開のアメリカン・ニューシネマの代表作。ハロー!プロジェクトのフォークカバー集「FOLK SONGS」に収録のメロン記念日と元バンバンのばんばひろふみによる(セルフ)カバー。フルーツがフルーツを唄う。

アイドル
バナナ:AKB48「となりのバナナ」



AKB48ひまわり組劇場公演の2nd Stage「夢を死なせるわけにいかない」の中の一曲。秋元康作詞・ヒャダインこと前山田健一作曲。DVD「AKB48 紅白対抗歌合戦」に収録。CDではリリースされていない。♪となりのバナナは青すぎる/アレしてコレして熟れていく/おいしいバナナになれますように♪という少女の成長をバナナになぞらえた歌。

イチゴ:palet「イチゴ気分」


正統派アイドルPASSPO☆の妹分、7色カラーでファンを染め上げる究極系ピュアアイドルpaletの昨年10月のデビューCDラストナンバー。PASSPO☆を受け継ぐビートロックで♪これって恋かな?これって恋かも?甘くて酸っぱい…夢はイチゴ気分!♪とイチゴ味を恋に例える歌詞も王道。

ロケンロー
バナナ:
少年ナイフ「バナナチップス」




少年ナイフ「バナナフィッシュ」


日本のガールズバンドの代表格少年ナイフにはバナナソングが2曲もある。どちらもナイフらしいシンプルなポップチューンで黄色いバナナの明るいイメージにぴったり。よほどのバナナ好きである。し・か・し!デビューEP「BURNING FARM」(1983)のジャケットにはイチゴが!オルタナ界で評価されるだけあり微妙に屈折している。

イチゴ:
ブランキー・ジェット・シティ「いちご水」




ブランキー・ジェット・シティ「腐った野苺」



ミッシェルガン・エレファント「Strawberry Garden」


ロケンロー界の仲良しコンビ浅井健一とチバユウスケが二人とも大のタンバリン好きなことは以前検証したが何とイチゴ好きでもあることを発見!しかもベンジーは2曲も!!甘くて可愛らしいイチゴはバナナより男性受けがいいと思われるがふたりもタダのオトコに過ぎない。イチゴへの憧憬を敢えて曖昧に描いた歌詞に硬派で売る男の「照れ」が見え隠れする。

●PV
バナナ:クイーン「狂気への序曲」



実質的なラストアルバム「イニュエンドウ」(1991)収録曲。病魔に侵されたフレディー・マーキュリーの病状を隠すような厚いメーキャップとモノクロ画像処理したPVが今観ると痛々しい。後の考察通りバナナが狂気の象徴として登場する。

イチゴ:アーバンギャルド「スカート革命」
→PVはコチラ
トラウマテクノポップ前衛都市のメジャーデビュー曲。スカートの中を隠すイチゴが少女(処女)性を際立たせ何もないより挑発的な効果を発揮するのはモザイクと同じ。松永天馬のプロパガンダ戦略はメジャーでも変わりはない。

●イディオム
バナナ:

「Go Bananas」は気が狂う、激怒するという意味。トリップ時に見える色は黄色だと言うしモップスのお披露目パーティーではバナナの皮を乾かして吸ったという。バナナは人の正気を惑わすヤヴァいフルーツのようだ。ゴングのリーダーであり最高のトリップ野郎デヴィッド・アレンの1stソロ・アルバムのタイトルは「バナナ・ムーン」だし孤高のクラウトロックバンド、ファウストの2ndアルバム「ソー・ファー」のタイトル曲では♪父ちゃんはバナナを食べる、明日は日曜日♪という歌詞が唄われる。Lunatic=精神異常者の月と形が似ていることも一因か。



いちご:
「Like Giving A Donkey Strawberries=ロバにイチゴ」は「豚に真珠(Pearls Before Swine)」の意味。ダムドのジャケットは二つのことわざの融合である。また女峰をはじめとちおとめ、越後姫、あかねっ娘などイチゴの名称には女性的なものが多い。小さくて丸くて赤いことが「カワイイ」というイチゴのイメージの元になっていると思われる。サンリオの月刊紙は「いちご新聞(いち新)」だし人気キャラクターいちごの王さまは男というより女の子っぽい。



【対決結果】
以上の勝負からわかるのはバナナ=異常でエキセントリック、イチゴ=可愛くてスウィートであり当ブログ的にはバナナに軍配が上がると結論しようと思ったら、昨日の100% KPP WORLD TOUR 2013@ZEPP TOKYOできゃりーぱみゅぱみゅ「私はいちごが大好きです!」と言っていたので無条件でイチゴの勝ち!!!




フルーツは
イメージだけじゃ
わからない

フルーツ対決第二弾のリクエストお待ちしています。




コメント (5)
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