おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

不恰好な羊蹄山

2005年10月09日 | Weblog

いやぁ、いい天気の一日でした。
秋晴れの爽やかな一日でした。
気温もこの時季にしては高い。
行楽客がワンサカやってきて、あちこち混雑しておった。

おぢはというと、せっせと「焚きつけ」作りに追われた。
いまどきは薪ストーブも焚き火も知らん人もいる。
なにせ、この夏の旧友S宅でのバーベキューパーティーで、だれ一人としてまともに炭火をおこせん始末じゃった。
てなわけで、「焚きつけ」を説明せねばならん時代じゃ。

炭をおこしたり、薪ストーブに火をつけるとき、新聞紙だけでは炭にも薪にも火はつかん。
で、木を小さく切った着火用の焚きつけが必要となる。
これ、半端な材を鉈(なた)で細かく割って作る。
冬の焚きつけも、来年夏の炭火おこし用もこれで用意できた。



夕方、いつものように温泉へ。
途中にある水汲み場は行楽客で大混雑、温泉も「イモの子洗い」状態。
湯船に浸かっておると、ホントにイモがゴロゴロ通る。
「前ぐらい、タオルで隠さんかい!!」と思うけど、うち風呂が全盛ゆえ、温泉の入り方など知らんのよ。
いやはや。

どっから湧いてくるのか(ほとんど札幌からだけどさ)ってぐらい人、人、人。
ちょっとうんざり。

で、そのまっかり温泉で面白い話を聞いた。
この温泉には売店がある。
人のい~いおにーちゃんが売り子だ。

客のおばちゃんが「落葉きのこ」のビン詰めを持って、レジにいるこのおにーちゃんのところへ持ってきた。
おば「このきのこ、美味しいの?」
おにーちゃん「いやぁ、あんまり」
おば「これ今年のじゃないの?」
おにーちゃん「違うと思います」
おばちゃん、買わずに帰った。

おにーちゃんには、まるっきり商売っ気がない。
弁護すると、落葉きのこは取ったばかりのものに比べれば、ビン詰めは確かに味が落ちる。
だから「いやぁ、あんまり」と答えた。
「今年のじゃないの?」と聞かれれば、普通なら「さぁ、わたし分かりません」とかいう。
でもおにーちゃんは正直に「違うと思います」と答えた。

ホントに正直だ。
ステキなおにーちゃんだ。
ただ、都会では絶対に生きていけまい。

でもいいんです。
彼はここで生まれ育ち、この地でのんびりといい一生を終える。
たぶん。
金儲けにあくせくせず、正直にお客と接する人のいいおにーちゃんでこのまま生きていく。

ニッポンに一ヵ所ぐらいこんなところがあっていい。
写真はまっかり温泉から見た羊蹄山だ。
ここからの羊蹄が一番カッコ悪い。
カッコ悪いけど、ここからの羊蹄が好きな人もいる。