グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

台風26号に思うこと。

2013年10月18日 | 火山・ジオパーク
午後の船で島に帰ってきました。

山のガイドを予約してくれているお客様からの問い合わせが入っているため、夕方車で温泉ホテルまで上がって道路の状況を見てきました。

道路の土砂はどこもきれいに片付けられていましたが、崖が崩れたところが何カ所もありました。

今回被害の大きかったところ以外にも、崖崩れが起きていたのですね。
今後の雨の影響が気になります。

町長は18日夜の記者会見で「遅くとも19日夕方までに危険範囲を定め、全島的な避難勧告を出す」と発表したようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000181-jij-soci&1382101101
もともと雨の多い大島で今後どう暮らすかは、各分野の専門家の力を借りながら判断していくことになるのでしょう。

ジオパーク全国大会で今回の災害のことを、長く防災に関わってきたN氏に話しをしたところ「垂直避難」という言葉があることを教えてもらいました。

100%安全な場所はないとしても、1階から2階にあがる、平屋の場合(2階建ての2階でも)山側の部屋から離れ間に壁がある海側の部屋に身を寄せる、眠らずに備える、山側の窓に近づかないなどの、個人でできることはあるはずだと…。

大島に住んで25年、どちらかというと大島は、水はけが良い島だと思っていました。
土石流という災害は、噴火後の年数を経ても起こるものだということを、はじめて実感しました。

地質調査総合センターは、大島に調査に入り結果を速報としてまとめて発表しています。
https://www.gsj.jp/hazards/landslide/131016oshima.html
実際にはここまで大規模ではなくても他の場所も崩れているので、“滑りやすい場所”は、まだまだあるのでしょう。

知っているかいないかで生き残る可能性を高めることができる知識を、私たちはもっと学び、広めなければいけないのだと痛感しています。

ところで少し前まで島の中の何人もの方からFBに「町長や行政をせめるようなマスコミの報道に腹が立つ」というコメントが寄せられていました。

離島経済新聞には、以下の記事が載りました。
私も全く同感なので、リンクを貼っておきます。
http://ritokei.com/contents/2013/10/18/isamoto131018/
自然災害を誰かの責任にするのは、あまりにも短絡的です。
「どうすることができたのか?これからどうしていけばよいか?」を島民とともに、様々な角度から考えてくれるような報道を期待します。

新聞やテレビを見るたくさんの読者、視聴者の方達にとっても自然災害は他人事ではないはずなので。

(カナ)
コメント (4)
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