グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

樹海の変化

2013年10月29日 | 火山・ジオパーク
1日雨でボランティアも休みの今日、三原山に行ってきました。
温泉ホテル~溶岩流~樹海のカルデラ内のコースです。

外輪山に囲まれたカルデラの中は、大島の中で唯一の、比較的平坦な場所。
大雨が降るということは、お椀の中にみそ汁が満ちるようなもの…。

「どうなっているのだろう?」と思っていました。
「外輪山の内側にある樹海には、崖崩れが起きているのではないだろうか?」とも考えました。

で、気になっていた「?」を調べに行くことにしたのです。
山はかなり濃い霧でした。

歩きはじめから、道に溝が掘れていました。

深さは10cmぐらいあります。
私が想像していたのよりも深さがあって、ちょっと驚きました。

歩いて行くとさらに大きな水たまりが広がっていました。

台風前なら今日ぐらいの雨で、ここまで水が溜まることはなかったと思うのですが…

森を抜け、低木林を抜け、草地に出ても同じでした。

ここに、これほど大きな水たまりができているのは始めて見ました。

水が溜まっている部分の地面は泥ではありません。
水はけが良いはずの穴だらけの溶岩“スコリア”です。

台風26号の雨が地下に水を溜め込んで飽和状態になり、地上の水をしみ込ませることができないのでしょうか?

霧の中の溶岩達は、みたところ何も変化がなさそうでしたし…


帰りの“樹海”も半ば過ぎまでは、台風前とほとんど変わりませんでした。


しかし…イヌツゲがクネクネ曲がり、独特の雰囲気を漂わせるあたりで様子が変わりました。
まず、妙に枯葉が吹寄せられている場所が出てきました。

「あれ?この辺、こんなに枯葉が多かったっけ?」

そう思って歩いていると、今度は地面が泥状のもので覆われていることに気がつきました。

粘土っぽい茶色の粒の細かい砂です。
どこから来たのでしょう?

足を取られそうなほど、ぐちゃぐちゃです。

なんだか、昨日泥出しした物に似ているなぁ…
でも少し、昨日のものより粒が細かいかも??

泥の後には茶色い水の道が続き…

なんだかいつもと違う雰囲気です。

あ!
道が無くなってる!!

私の目の前に広がっていたのは、この光景です。

道は木の塊の下に消えていました。

「崖崩れだ!」と気がつくまでに、数10秒、空白の時間があったような気がします。
木の隙間から頭を出しても濃霧のため全体像が見えませんでしたが、写真だけは撮りました。

乗り越えようかと思ったけれど、危なそうなので今度もっと天気の良い日に出直すことにしました。
崖崩れを迂回するルートを開発しなければ…。

外輪山の内側の崖崩れはまだあまり報告されていませんが、何カ所か崩れているのではないかと思います。どこも斜面は急だし、火山灰だっていっぱい降り積もっていると思うので…。

この崖崩れは、台風26号の雨で起こったものなのでしょうか?
それとも27号?
または今日の雨?

いずれにせよ、これからしばらくは雨の前後で外輪山の様子を観察したり、
崖崩れの可能性を考えて、対策を考えたりする必要がありそうです。

明日以降も少しずつ山を歩いて、変化を見ていきたいと思います。

(カナ)

コメント (6)
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