伊豆大島では7月28日から29日にかけて、島の北西部で「下から突き上げられるような強い揺れ」を何回か感じました。
その後「火山性地震だが、直ちに噴火につながるものではない」との防災無線が入りました。
この地震について、7月30日の午後6時から、説明会が開かれたので参加しました。

参加者数100数十名。
町長挨拶の後、伊豆大島火山防災事務所の加冶屋氏から以下の説明がありました。
「火山性地震の活動が一時的に活発になって、北部では若干の被害(棚から物が落ちる。石垣が崩れるなど)も発生したが、現在は地震回数が少なくなっている。地震の規模は小さいが震源が浅いため、震源に近いところでは下から突き上げるような大きな揺れを感じた。」
震源分布図。

島の南部に住む人は、全く揺れを感じなかったとも聞いています。
大島の地下には図のように地震が全く発生しない場所があり、液体(流体)は地震を起こさないことから、この部分にマグマだまりがあると考えられています。

このマグマだまりに地下からマグマが供給されて膨らむと、岩盤を割り地震となる…このような火山性地震の一時的な増加は、これまでにも、数年に一度程度発生しているそうです。
以下の観測データがその根拠。
マグマの供給によると思われる山体の膨張があった時に、地震が増加していることが良くわかります。

マグマは一定のペースで溜まるのではなく、ある時期ワ~っと溜まってまた静かになる…ということを繰り返し、やがて噴火に至るようです。(地震は過去には、最大震度4を観測したこともあるそうです。)
「マグマが上がってきて噴火が近くなれば地殻変動が起きたり、噴気や地温に変化が出るだろうが現在は変化が無い。なので現在のところ直ちに噴火につながることはない。」 と判断されているようです。
1986年の噴火の前にも、地震、山体の膨張、地磁気などに左下の表のような変化が見られたとのこと。

加冶屋氏は「ただし、火山現象には分かっていないことが多くあるので、突発的な現象には、いつも注意が必要です。」 と語っていました。
確かに…島の北西部の平らな土地は、およそ3000年前の活発な火山活動で大量の溶岩が流れてできたようですし、岡田のお墓や野球場などはマグマ水蒸気爆発という激しい噴火でできた地形。でもその頃の観測データはないのですから、予測できないことが起こる可能性はあります。
マグマだまりから1時間ぐらいでマグマが上がってきて噴火に至ったケースもあると聞いたことがあります。
火山は生き物…専門家のデータだけでなく、私たち自身が「今、何が起こっているか」「どうすれば良いか」を考えられる力をつける必要があると思います。ジオパークを通して何かをしていかなければ・・・。
講演の後には、震源近くに暮らす島民から「震度3の揺れではなかった。岡田地区にも地震計を設置してほしい」という要望が出されました。(現在、気象庁の地震計は元町と間伏にあり、岡田地区にはないそうです。)きっとこの要望がかなえられる日も近いことでしょう。
そして、地震の翌日の住民説明会開催には感激しました。
何もわからないと不安ですが、状況がわかるだけで不安はかなり軽減されます。
説明会や個人的な意見交換の中で、町長も加冶屋氏も
「 観光地なので風評被害が懸念されるが、正確な情報をきちんと伝え、住民と観光客の不安を軽減することが、風評被害も少なくすることにつながる。」という主旨の、意見を述べていました。
災害は、人と地域を、強くするのかもしれません。
最後に、地震が起きた時の注意点を…。

今日のブログに載せた写真および資料は全て加治屋氏からいただきました。
ありがとうございました!
(カナ)
その後「火山性地震だが、直ちに噴火につながるものではない」との防災無線が入りました。
この地震について、7月30日の午後6時から、説明会が開かれたので参加しました。

参加者数100数十名。
町長挨拶の後、伊豆大島火山防災事務所の加冶屋氏から以下の説明がありました。
「火山性地震の活動が一時的に活発になって、北部では若干の被害(棚から物が落ちる。石垣が崩れるなど)も発生したが、現在は地震回数が少なくなっている。地震の規模は小さいが震源が浅いため、震源に近いところでは下から突き上げるような大きな揺れを感じた。」
震源分布図。

島の南部に住む人は、全く揺れを感じなかったとも聞いています。
大島の地下には図のように地震が全く発生しない場所があり、液体(流体)は地震を起こさないことから、この部分にマグマだまりがあると考えられています。

このマグマだまりに地下からマグマが供給されて膨らむと、岩盤を割り地震となる…このような火山性地震の一時的な増加は、これまでにも、数年に一度程度発生しているそうです。
以下の観測データがその根拠。
マグマの供給によると思われる山体の膨張があった時に、地震が増加していることが良くわかります。

マグマは一定のペースで溜まるのではなく、ある時期ワ~っと溜まってまた静かになる…ということを繰り返し、やがて噴火に至るようです。(地震は過去には、最大震度4を観測したこともあるそうです。)
「マグマが上がってきて噴火が近くなれば地殻変動が起きたり、噴気や地温に変化が出るだろうが現在は変化が無い。なので現在のところ直ちに噴火につながることはない。」 と判断されているようです。
1986年の噴火の前にも、地震、山体の膨張、地磁気などに左下の表のような変化が見られたとのこと。

加冶屋氏は「ただし、火山現象には分かっていないことが多くあるので、突発的な現象には、いつも注意が必要です。」 と語っていました。
確かに…島の北西部の平らな土地は、およそ3000年前の活発な火山活動で大量の溶岩が流れてできたようですし、岡田のお墓や野球場などはマグマ水蒸気爆発という激しい噴火でできた地形。でもその頃の観測データはないのですから、予測できないことが起こる可能性はあります。
マグマだまりから1時間ぐらいでマグマが上がってきて噴火に至ったケースもあると聞いたことがあります。
火山は生き物…専門家のデータだけでなく、私たち自身が「今、何が起こっているか」「どうすれば良いか」を考えられる力をつける必要があると思います。ジオパークを通して何かをしていかなければ・・・。
講演の後には、震源近くに暮らす島民から「震度3の揺れではなかった。岡田地区にも地震計を設置してほしい」という要望が出されました。(現在、気象庁の地震計は元町と間伏にあり、岡田地区にはないそうです。)きっとこの要望がかなえられる日も近いことでしょう。
そして、地震の翌日の住民説明会開催には感激しました。
何もわからないと不安ですが、状況がわかるだけで不安はかなり軽減されます。
説明会や個人的な意見交換の中で、町長も加冶屋氏も
「 観光地なので風評被害が懸念されるが、正確な情報をきちんと伝え、住民と観光客の不安を軽減することが、風評被害も少なくすることにつながる。」という主旨の、意見を述べていました。
災害は、人と地域を、強くするのかもしれません。
最後に、地震が起きた時の注意点を…。

今日のブログに載せた写真および資料は全て加治屋氏からいただきました。
ありがとうございました!
(カナ)