グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

伊豆大島における台風災害の地域的な特徴

2014年08月26日 | 火山・ジオパーク
本日、ジオパーク研究会1班の企画で、表題の講演会が行われたので参加しました。

講師は気象庁伊豆大島火山防災連絡事務所長の加治屋秋実氏。

ジオパーク研究会以外の参加者も多く、40名以上が講演を聴きにきていたようです。
(一番前に座っていたので、正確な人数はわかりません)

内容は台風についての一般的な解説から、伊豆大島の台風災害の特徴、等々…。

大島で過去に起こった台風や大雨災害の説明もありました。
狩野川台風の土石流。

会場から「私はこの時の土石流で流された」という発言があり、どのような状況だったのかを話してくれました。貴重な体験談…いつかきちんとまとめたいです。

大雨による土砂崩れ。

無降水による崖崩れの時は、崩れてから15分後ぐらいにその場に居合わせ、道幅を全てふさぐ巨大な岩に驚きました。

暴風災害。

波浮港の秋広平六さんの銅像が落ちてる…こんなことがあったなんて知りませんでした。学校の窓はサッシごと外れ、山頂口のお茶屋さんもかなりなダメージを受けました。

大雨による浸水、洪水。

パトカーが浮きそうです!!

伊豆大島の数々の台風被害…年代が古くて知らないものもあるけれど、知っていながら忘れているものも多かったです。

ところで大島で土石流が起きた時の雨の降り方には共通する特徴があるようです。
ある程度雨が降り続いたあとに急激に激しい雨になった場合で、右側の上下のグラフが土石流発生時のもの。

左下の事例では、729mmの雨でも土石流は起こらなかったようです。

これは「大島の地質と関係があるのでは?」と考えられており、今では「地質ごとの雨のしみ込みやすさを調べ、地域ごとのハザードマップに活かそう」という研究も行われているとのこと。

この他、講演の中で印象的だったのが、地球の熱収支の話でした。

「地球は太陽から受け取った熱を空気をかき混ぜることで放出し、全体のバランスをとっていて、その過程で台風ができる。台風は膨大な量の水(熱)を循環させる仕組み。台風は人間にとって(他の生物にとっても)困りものだけれど、台風がないと地球に様々な悪影響がでるだろう」という説明を聞いて「なるほど!」と思いました。

火山の噴火が人が暮らす大地を作り、台風が地球の熱バランスをとっている…自然の現象は全て、私たちが地球上で暮らすために必要なものなのですね…。

最後に加冶屋氏から「台風からどうやって身を守れば良いか?」の提案がありました。
空欄は、自分たちで考えてもらうためのもののようです。

読者の皆さんも、ぜひ空欄を埋めてみて下さい。






あ、それからもう1つ。
実は今回の講演は事前質問を受け付けていたので、加冶屋氏にメールで質問していました。
先日、突然の大雨と落雷で「これが山で起こったら」と怖くなり、その時の対処方法について聞いてみたのです。

今日は時間がなく話題にはなりませんでしたが、画面上にはしっかり写してくれていました。
気がつかれなかった方もいたと思いますので、この場で情報を共有します。


(カナ)
コメント (2)
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