グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

長沢砂防えん堤

2023年06月08日 | 火山・ジオパーク
先週に続き、梅雨前線や台風の影響で大雨の影響が懸念されています。

ふと思いたち、火曜日にこの場所に行ってきました↓




元町にある沢のひとつの長沢です。


1986年の噴火の際、カルデラの外で割れ目噴火(C火口)が起きた時の溶岩流がこの長沢沿いに流れました。

(敷地内にある位置図)

溶岩流により河川機能を失った長沢ですが、
大雨による土砂の流出を防ぐ砂防指定地になっているため
砂防機能を復旧するための「長沢砂防災害復旧事業」が行われ、

1989年(平成元年)に完成しました。


国土技術政策総合研究所の資料によりますと、
2013年の台風26号により顕著な崩壊・土石流が発生した大金沢、八重沢、長沢では、
堆積工や砂防堰堤(えんてい)等の施設整備が行われていたことにより、
下流への土砂や流木の流出が防止、軽減されたそうです。

(同報告書 p. 3-13より)


(同報告書 p. 3-13より)

2013年12月に発行された東京都による報告書、『大島の応急復旧に向けた取り組みについて』に当時の比較写真がありました。


(上記報告書 p.89より)


この砂防施設が、土砂や流木を受け止めてくれたんですね。

さて、火曜日に撮影した、現在の様子をお届けします。
息子(120cmくらい)がスケールです😄

入り口付近、草が生い茂っていて全貌は見えません。


さらに歩くと道路沿いはオオバヤシャブシの林になっています。




よく地面をみると、草の隙間に溶岩が見えます!
写真では全然わかりませんね😓


さらに歩きます。


開けた場所を見ると、走りたくなるのが子どもの性質なのか...


あっという間に点に


ここに10年前は土砂や流木があふれていたなんて、自然の力は時には恐ろしいものです。


カルデラ内で見慣れたニオイウツギの花も咲いている中、
その背景にあるのはもっこりしたシイの木


溶岩流や土石流に流されなかった部分だということを物語っています。


足元を見ると、ふわふわのチガヤ


ニワゼキショウ


ナルトサワギク??


溶岩が流れても、土石流が流れても、
いのちはめぐり、生きているんですね。


やがて沢がたどりつくのは、海。
すべてを受け止め、包みこむ、母なる海に感謝です。

(ユリカ)
コメント
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