ユキモチソウの傍にあったので、ユキモチソウの蕾の状態だと思っていたが、よく見れば仏焔苞に縦縞模様があるので、どうやらユキモチソウではないようだ。蝮が鎌首を持ち上げたような姿に似ているので、もしかしたらマムシグサかもしれない。自信はないが、たぶんそうだろう。
ユキモチソウの傍にあったので、ユキモチソウの蕾の状態だと思っていたが、よく見れば仏焔苞に縦縞模様があるので、どうやらユキモチソウではないようだ。蝮が鎌首を持ち上げたような姿に似ているので、もしかしたらマムシグサかもしれない。自信はないが、たぶんそうだろう。
ユキモチソウも茎の上部に「仏焔苞」があり、花はその内側の下の方にあるので、外からは見えない。仏焔苞の内部に伸びた頂端部が白く大きく膨れて柔らかく、雪のような白い餅に喩えて「雪餅草」となったそうだ。これも絶滅危惧種に指定されている。
これもちょっと変わった形をした野草だが、宗源寺で咲いていたムサシアブミだ。このムサシアブミやウラシマソウ、マムシグサ、ユキモチソウなどは、どれも同じサトイモ科のテンナンショウ属の仲間だそうで、茎の最上部が膨らんだ「仏焔苞(ぶつえんほう)」という筒状の部分があるのが特徴だ。テンナンショウの仲間は、この仏焔苞の形がどれもよく似ているので、違いがよく判らない。
ムサシアブミは、仏焔苞の上部が馬具の鐙(あぶみ)に似ていて、“武蔵の国で作られた鐙”ということから、この名前になったそうだ。
宗源寺のエビネの傍に咲いていたクマガイソウだ。大きな扇形の2枚の葉とユニークな形をした袋状の花が特徴的なランで、日本の野生ランの中では最も大きいそうだ。森林伐採や愛好家による乱獲、業者の盗掘などによって自生数が激減し、山中に自生しているクマガイソウは、今ではもう殆ど見られないらしい。環境省レッドデータブックの「絶滅危惧種II類」に分類されている。
クマガイソウは、花の形が鎌倉時代の源氏の武将であった熊谷直実が背負ったとされる「母衣(ほろ)」に似ていることが名前の由来だとか。別に熊谷直実でなくてもよかったのではないかと思うが、昔の人は、いろんな物にこじつけて名前を付けたものだと感心する。クマガイソウの花によく似たランに「アツモリソウ」というのがあるが、これも平家の「平敦盛」の名に由来するそうで、それと対比して名付けたらしい。