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高齢者の定義変更、あなたは賛成それとも反対

2018-10-08 16:36:36 | Weblog
本年9月、長野市松本市共同で高齢者の定義を65歳から75歳とすることの宣言をした。
その理由として、平均寿命が80歳と延びていることでいままでの高齢者の年齢にそぐわなくなったことと元気で過ごすことができるよう前向きな行動を促すためとしている。

この宣言のもとに挙げている日本老年学会と日本老年医学会の2017年1月5日の「高齢者に関する定義検討ワーキンググループからの提言」では「高齢者は暦年齢65歳以上と定義されています。しかし、この定義には医学的・生物学的に明確な根拠はありません」として「近年の高齢者の心身の健康に関する種々のデータを検討した結果、現在の高齢者においては10~20年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5~10年遅延しており、『若返り』現象がみられます」ということで、高齢者を65~74歳を准高齢者、75~89歳を高齢者そして90歳以上を超高齢者と分類することを提言している。
ここでも高齢者の定義を再検討する意義を、高齢社会を明るく活力あるものにすることだとしている。さらに提言では、高齢者は社会の担い手でありモチベーションを持った存在だと高齢者をみている。

この高齢者は社会の担い手という発言をうけたかたちで、10月5日開催の未来投資会議では、成長戦略の方向性の検討の3点のうちの2番目に全世代型社会保障への改革を挙げた。そこには「意欲ある高齢者に働く機会を準備する」ために65歳以上への継続雇用年齢の引き上げに向けた検討をするという。

高齢者の定義を65歳から75歳に変更することは早急にはできないだろう。そこでいまの65歳定年から65歳以上でも働けるよう就労の機会を設けるべく準備をし、その次に年金の受給開始年齢の変更に向けた準備を行い、そして高齢者の定義を変更していくという作業が想定される。

この長野市松本市共同宣言や平成18年度高齢社会白書でも「平均寿命の伸長、元気で活動的な高齢者の増加、『高齢者』概念に係る国民の意識の変化等を踏まえ、高齢者自身も高齢社会の担い手・支え手の一員となり、生涯にわたり、自らの能力や経験を生かしつつ、就労、ボランティア活動、地域活動など多様な形態で参加できるような社会を形成する上でも、旧来の画一的な『高齢者』観、『高齢社会』観の見直しが必要」と、高齢者の定義の変更が必要なことを述べている。

この高齢者の定義の変更によって、議論されている保険給付対象から軽度者の除外への議論終息を期待したい。


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10月から実施されたこと

2018-10-04 20:46:23 | Weblog
利用者の所得に応じて3割負担や生活援助中心のケアプランの保険者への報告、保険者での自立支援インセンティブの申告に加え、福祉用具貸与価格の上限価格設定が10月から実施に移された。

福祉用具貸与価格の動向について、福祉用具の平均価格公表後の価格の変化に
ついて知らせてほしいとお願をしたところ多くのケアマネジャーから報告をいただいた。

皆さんからの報告をまとめると、一部の貸与事業者が平均価格に合わせている、特に平均価格を上回る価格は平均価格に合わせる傾向がある、というものだった。

福祉用具貸与の平均価格の算定方法を厚労省に聞いた人の話だと、平均価格の算定方法は算術平均、つまり単純に各価格を足して価格の数で割っただけという。

算術平均でだす平均価格は、例えば
A事業所の価格=1万3千円
B事業所の価格=1万2千円
C事業所の価格=1万1千円
D事業所の価格=1万円
のときの平均価格は1万1千5百円になる。

これが平均価格に合わせ、一部の事業者が平均価格の下の価格としたときの翌年の価格は
ほとんどが1万1千5百円、一部事業者の価格=1万円で、平均価格は1万7百50円になる。

同じようなことが起こったとしたら、その翌年(3年目)ではほとんどが1万7百50円、一部事業者の価格=1万円で、平均価格は1万3百50円と、平均価格は下がり続ける。

平均価格で毎年算定していった場合、1つでも平均価格を下回る価格を出す貸与事業所があると翌年も平均価格が低くなる。
そして、平均価格に合わせる傾向から翌翌年も平均価格が下がる傾向になる。

この現象は貸与価格の原価を価格の設定におくという妥当性を否定する可能性を秘めている。
福祉用具の価格の原価を構成するのは仕入れ価格と消毒費用、保管にかかる経費そして販売費。そのなかで大きな割合を占めるのは仕入れ価格と人件費となり、平均価格に合わせて毎年価格を合わせていくような事態になると、どこかで原価を下げる方向に働る。

もし、この傾向が続くとしたら、その結果として価格を決めている原価のうち、引き下げることができる部分は仕入れ価格と人件費になり福祉用具専門相談員の給与に影響しないかと心配される。
むやみな価格の引き下げが福祉用具専門相談員の給与の引き下げにつながることは
いいこととは思えない。

福祉用具の貸与価格における高低差の解消のためには平均価格の公表は寄与することが期待され、また、異常に高い価格を制限する上限価格の設定も有効な処置といえる。

しかし、原価を無視してまでも価格の引き下げに誘導することは福祉用具貸与事業者とその従業員だけでなく保守や安全の確保のコストが吸収されないことになれば利用者にとっても不利益をもたらすことになる。

そのため、厚労省には
1)平均価格の算定方法の公開
2)上限価格設定の根拠の公開
3)それら価格が意味することの厚労省の見解
の3点について示してほしい。
この3点の公開があれば、原価を割り込んでまでの価格引き下げは阻止できると想像できる。

平均価格は全国での平均価格となっているようだが、指定介護サービスの介護報酬では
公務員の給与の地域差を勘案して地域区分による等級を設けており、その差は東京23区第1級とその他で20%の差を設けている。
この等級の設定の考え方を制度としている介護保険のなかで福祉用具貸与の価格だけ、全国平均とすることの制度の矛盾がある。

次に、福祉用具貸与事業者にはその貸与価格は妥当な価格であることを証するために原価となる考えを示していただく必要がある。必要な原価であれば利用者は納得した理解のうえで利用がされる。

さらには、保守、安全確認、使用方法の指導を定期的に実施するための方法を講じて、この行為をなす保守契約の提案とその費用の創設の検討をしてほしい。
この保守契約は福祉用具貸与価格とは別建てで考えることも可能であろう。
保守契約によって、貸与事業者も正当なコストを得られる。福祉用具専門相談員は定期的な訪問ができることで利用者との関係構築ができ、利用者にとっては専門家の定期的な接触で安心の確保と用具の相談ができる。ケアマネジャーにとってはそれらの報告が
あることで利用者の状況確認と次にプランへの反映材料の入手できる。
保険者にとっても安全な使用によって事故の防止となる。
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