エクサウィザーズ主催Machine Learning Summit
保健医療分野AI開発促進コンソーシアムの認知症分野でのAI活用で取り上げられたEXAWIZARDSが開いたAIに関する研究者、企業の話合いがあった。
Japan×UK Machine Learning Summitと題し、タイトルは
「強いのはどれだ!オズボーン×TRI-AD×アラヤ×ExaWizards」だ
2019年3月19日にITの日本での発信地である渋谷にあるPLUG AND PLAY SHIBUYAで、登壇者には、金井良太氏(株式会社アラヤ代表取締役)、マイケル・オズボーン氏(英オックスフォード大学 准教授)、石山洸氏(株式会社エクサウィザーズ代表取締役社長)それとトヨタでの自動運転などにかかわるTRI-ADの人だ。
ここでは、AIを中心にすえて各分野での取組、考え方のプレゼンと討議が行われ、金井良太氏は細胞、脳と意識の発生を中心に、TRI-ADからは自動運転の技術、マイケル・オズボーン氏はAIの概念を、そして石山洸氏はAIによる社会課題解決を説明した。
そのなかから特に思ったこととしてまとめた。
【再現性】
最近、私のかかわりのある介護分野から思うことは、再現性にある。ケアプランの標準化やケアプランのAI作成は再現性があるか否かから見ると明確な回答が得られると感じる。
【ケアプランの標準化と再現性】
ケアプランの標準化では、高齢者の状態像の類型化からその類型での解決解を提供、実施した際に同一の結果となるならば再現性があるといえる。
高齢者の状態をいくつかの類型化の結果、同一の類型に同一の解決策を講じた結果が同一であるかどうかという、一連の過程を実施した場合、検証する項目としては類型とした高齢者のその類型はどの程度の確立で類型化されているか、類型化が一定の確立で成り立っていたときに実施した解答解によって得らえる結果の同一の確立はいかなる程度になるか、解答解実施の結果の状態像をさらに類型化し得られた類型の類型化の割合の程度の精度と、いくつかの項目が存在する。
それら列挙した項目の検討からケアプランの標準化が議論されるはずだが、私としてはこれらの過程及び議論についての事実を承知しておらず、ケアプランの標準化に対する見解が持ちえない状態にある。
【ケアプランのAI】
同様にケアプランのAI作成も同じで再現性の有無からは疑問を持っている。
【動画によるAI活用コーチング技法】
一方でイヴ・ジネスト氏のいわゆるユマニチュードを基礎にした認知症介護の理想形を動画にとり、実際に行っている介護の動画をAIよる比較を用いて介護技術を習得させる手法には、距離の計測、目線の角度、かける言葉の回数と接触部位を数値化可能な技術のため再現性が高いだろうと見ている。
【AIの限界】
ユマニチュードを用いたAIによるコーチングの得られる結果は認知症介護の技術と結論した場合、習得された技術はイヴ・ジネスト氏のいう「第3の誕生」という自立を認知症患者が獲得にいたるかは不明なため、このAIコーチングが技術習得にとどまるとしたら、ここに限界がある。
さらには認知症状の重度の状態を患者にもたらした第一原因はかかわりをもった周囲の者にあるとした場合、介護者への認知症の早期段階でのかかわりの改善をもたらすのかは
さらに不明で、このあたりにAIコーチングの限界を認めることになる。
【AIの意義】
先にあげた認知症患者への有効な介護での距離・目線の角度の獲得は介護者においても不十分な状態にある今日の状態を、育児での場面で比較してみるとき、高齢社会を迎える人類のこれからの対応の姿を示すことへの期待を持つ。
「赤ん坊」に接する母親は学習することなく、「赤ん坊」との距離は常に親密な距離をたもち目線はつねに「赤ん坊」に注がれる状態を保つ。この「赤ん坊」と母親との関係は本能というべきレベルで実施されている一方、これに比較して認知症患者への介護者の距離は研修や実技、講義やAIコーチングなどによる学習によって獲得する以外に効果をえる距離と目線など介護者側の動作は実現されないことは、このAIコーチングなどの学習手法は、幾世代間で行われることにより人類に要介護状態高齢者との付き合い方を自得させ人類の意識の底部に定着させる可能性を感じさせ、このことからこれからの高齢社会の課題を解決する入り口に立つことを提供しているといえるかもしれない。