高野先生は講演のなかで聞き取った主な事柄は、やはり科学的介護だった。これからは科学的介護と重層的支援で、介護だけでやってよいのかと述べていた。
医療と介護の総合展のセミナーで東洋大学准教授高野龍昭先生が「介護保険料の増加を経済団体だけでなく労働団体も懸念している」と述べた。
介護保険料の負担増加の懸念していたのは経済界だったが、ここにきて労働側も懸念しているということは制度の転回点になるかもしれない。
介護保険料の負担増加の懸念していたのは経済界だったが、ここにきて労働側も懸念しているということは制度の転回点になるかもしれない。
田中先生の講演は官庁通信社、介護のjointでも取り上げられている。
https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-10-19-2.html
それによると「生活を支えていくという視点にたった施策」が重要になり「新たなつながりを生み出す仕組みが欠かせない」「元気な高齢者が集まって交流できる場を地域で作る工夫が必要」と記事にしている。
田中先生は生活にフォーカスした講演の最後に介護は文学的側面に加え科学的側面をもつと述べたうえだ、詩的に「地域の物語づくり」という言葉で締めくくった。
いままで田中先生の講演を毎年拝聴しているが詩的な言葉を用いての講演は初めて聞いた。
いままで田中先生の講演を毎年拝聴しているが詩的な言葉を用いての講演は初めて聞いた。
看取りについて田中先生は、ゆっくり看取るのが介護であり地域包括ケアシステムの概念として、おおむね在宅、必要と要望に応じて入所、ときどき入院で最期は尊厳ある看取りと「最後は尊厳ある看取り」との発言も今回の発言で注目された。
田中先生の講演では、連携、生活、経済格差・社会格差とも述べ共同の場に関わりにくい人の増加があり地域の生活を見る専門家も必要だとの指摘はこれからの方向を示したと理解したい。
田中先生はさらに、災害対策については、防災計画ではなく経営トップ層が主導し、戦略的対応をすることを求めたことにも注目される。
つまり、事業継続の観点であり、それは地域で果たす役割を示すことでもある。加えて雇用関係にも関わる。
つまり、事業継続の観点であり、それは地域で果たす役割を示すことでもある。加えて雇用関係にも関わる。
地域包括ケアシステムの深化を医療介護生活連携として示した田中先生は、人とのつながりを人類のこれまでの生産活動から説明されていたのも面白かった。狩猟経済や農耕経済下では構成している人間に身体機能に支障が生じたときは排除されるが生産活動にはお互いの関りが必然で生産活動と生活は一体であったが、産業が発達してくると生産活動は分割され人と人のつながりは生産活動と生活が分離され、心身の機能低下を補うためには、新しい人のつながりを作ることと説明した。さらに本人の生活面の変化は環境面からの行うとも。
田中先生は地域包括ケアシステムの概念について今回、あらたに医療・介護・生活の連携と協働強化を訴えていた。その理由の1つは高齢者の機能低下はライフステージの変化、退職、離職、配偶者・親族・友人の死亡、ペットロスなどを機に低下し、原因は「あきらめる」ことだと。その対策として、新しい人とのつながりを作ることにあると。
田中先生は、医療機関に介護職が欠かせないとしたうえで医療での介護の扱いはまだ低いままで、看護と介護は別の領域であり、別の専門職だとされ、特に認知症の患者では介護職の専門職が欠かせず、医療機関で介護職の役割を高く評価していた。