「高齢化の構造的な進展は(略)『社会経済システム全体』の再編成を要請するのであり、その中で『福祉』と『経済』は単純な対立関係であることをやめ、より多面的な視点が求められる政策課題となる」と指摘した広井良典「医療の経済学」はいまでも通用する。
患者が望まない延命治療の問題を超産業化・脱産業化からアプローチ試みている広井良典「医療の経済学」は、医療技術の一層のハイテク化(超産業化)とケアの比重の増大(脱産業化)という異質のベクトルが最も先鋭にぶつかるところに延命治療と終末期のハイテク治療の問題が生じているとの指摘は興味深い。
医療の拡大に続く医療費の抑制としてマネジドケアの導入がなされた1960年代アメリカの医療には地域のばらつきが生じたことを契機に「アセスメントと信頼性」にコンセンサスが生まれたと広井良典は「医療の経済学」でいう。この指摘は今日の医療、介護にも当てはまる。
シンポジウムの話からすると建築士と地域包括ケア構築に向けて「住まい」を整備していく作業は、まずは前提となる地域の高齢者の問題の認識からになると思う。そのシンポジウムで建築とのかかわりで苦労して話していた広井良典先生だが、この機会に彼の著作を読み返している。
住宅生産振興財団主催の「まちづくりシンポジウム」で建築家の話から、建築やまちづくりの視点は建物そのものからようやく景観美観の考えは入ってきたように感じた。地域包括ケアシステムにおける地域の問題解決に「住まい」が考えられているが、利用者の居住環境整備にどうかかわるのか、不明感を持った。
買ってきた肉やさんまを冷蔵庫にしまうとき、冷蔵庫に呼びかけておくと賞味期限が近づいた食材があるとれレンジで調理するときにそれの食材を使うレシピを教えてくれるなど家電のネットワークを目指すというプロジェクトだという。介護支援でも役たつことが想像できる。
埼玉県川口市で在宅医療を行っている医師を囲んでの会を企画立案して今日行った。行政でもなく連絡会でもなく一事業所でも開催できるのは在宅医療の医師が胸襟を開いているからで、門をたたけば懇談会など開くことができる。