今回のHCRで初めて展示をしたCDI、AIによるケアプラン作成のCDIで知られているので、どんなものか1時間半にわたって説明を受けた。
最も関心をもっていたのは、どんなデータをもとに人工知能は計算しているかであった。説明によると認定調査の調査データと給付実績のデータであった。
簡単にいうとこのデータからケアプランを作成するというものであった。
疑問として、ケアマネジャーがケアプランを作るとき、なにをもとにして作るのだろう。
疑問として、利用者のデータを保険者から入手しているが、正当性は。
疑問として、ディープラーニングとして保険者保有のデータからケアマネジャーの業務がどこまで把握できるのか。
さて、みずほ情報総研が品川区保有のデータをもとにケアマネジャーの実務に役立つ支援システムの検討のための基礎資料を提供する目的で調査した「要介護認定等のデータ分析に基づいたケアプラン作成等支援に関する調査研究報告書」が平成20年度老人保健健康増進等事業として行われ、平成30年3月に公表された資料がある。
この調査でも保険者保有のデータである認定調査と給付実績のデータから「トイレが使える」ことの項目の調査から、トイレの使用が常時できている人がトイレの使用ができなく状態になることを防ぐことができれば介護予防効果が高い(P,30)、また、サービス種類コードごとのパターンを分析してパターンごとの改善、維持、悪化の変化を抽出した成果(p、41以降)は評価できるが、この調査が目的とした「介護支援専門員の実務に役立つ支援システムの検討(つまりAI)の検討に資する(役立つ)」「基礎資料を提供する」ことにつながったとは言えないように、保険者保有のデータからケアマネジャーの業務に役立たせることはできないといえる。
そもそも保険者保有のデータとケアマネジャー保有のデータはイコールでない、さらに利用者のデータを保険者といえども利用活用することの妥当に疑問が生じ、居宅介護支援事業所として利用者の個人情報保護に責任を負えない。
みずほ情報総研の調査研究に対してニチイ学館とNECの協力のもと国際社会経済研究所が行った同事業の「ホワイトボックス型人工知能AIを活用した自立支援に資するケアプラン提案の試行的な取組に関する調査研究報告書」は、ケアマネジャー保有のデータから検討を加えて課題をいくつか挙げている。課題として「電子化されていないデータの存在」があり、一人ひとりにあわせたケアプラン作成という個別化理念とAI作成のプランとの矛盾があり、ケアマネジャーの情報はテキスト形式となっておりそれらをAI分析で利用できるようにコード化、カテゴライズ化とデータに変換するために時間がかかることなど(p、63)を示している。そのうえでこの報告は今後の方向性として「人工知能AI分析の可能性に対する期待は高いが、課題も多い」そして「ケアプラン作成への人工知能AI適応は、まだ研究段階で」データ検討から数年後に課題解決の方法を検討していく段階だとしている。しかし、このAI開発はケアマネジャーにとっても、利用者にとっても保険財政にも有益なものとなるよう期待をして締めくくっている(p、68)。
これら報告がいまのAIによるケアプラン作成の現状を説明しているといえる。
つまり、いきなりの結論、
「介護に近道なし、王道を行くべし」