安倍晋三=自民党・公明党政権からスカ=自民党・公明党政権へ。すでに周知のように、このふたつの内閣は、国民から集めた税金を「サクラをみる会」などに私的に費消し、またみずからに「政治献金」してくれた業界に多額の税金をプレゼントしてきた。
その一方で、憲法はじめ法も無視し、勝手に解釈を変え、ボクたち解釈を変えたからこれもいいんだ、あれもいいんだと、近代政治原理を堂々と無視してきた。
なぜこんなことができるのかと言えば、それは圧倒的に持つべき知識が欠けているからだ。知性ある者なら、していいこととしてはいけないことを簡単に弁別できる。しかし彼らには、それができない。
確かに、かれらの周辺には東京大学を卒業した官僚たちが補佐している。しかしアベやスカが唯一賢いところは、出世できなかったものを重用することによって、かれらを自分たちの手下にしていることだ。
たとえば、日本学術会議会員の推薦名簿から6人を外すことを提案した杉田和博。彼は『選択』12月号によれば、
歴代副長官は杉田氏に不適格の烙印を押す。「公安一筋で経験が偏り、全省庁を調整する力がない」。・・・・
警察官僚としての杉田氏は挫折続きだ。長官候補を自負していたが、キャリアの上がりポストである神奈川県警本部長へ左遷されて他省庁への出向を待つ身が、運良く本庁警備局長に返り咲いた半年後、オーム真理教事件で警察庁長官狙撃の大失態が起きる。捜査にも失敗し、事件は迷宮入り。警察史上最悪の汚点を残した。
引責退官するはずが、「情報機関を強化しなきゃいかん」という後藤田の肝いりで内調室長へ。たまたま中央省庁再編で初代内閣情報官・2代目内閣危機管理監を務める間、小泉政権の安倍晋三官房副長官に仕えて信頼を勝ち得た。退官後、「安倍ブレーン」の葛西敬之JR東海会長に誘われ同社顧問に収まったのが、安倍再登板で官邸中枢へ復帰する糸口になった。以来、恐怖人事で霞ヶ関を支配する菅氏の右腕となって今に至る。安倍人脈から乗り換えたのだ。
杉田は、拾ってくれた人には忠義を尽くすのである。とりわけ警察庁長官狙撃事件の失態を無視して花を持たせてくれる人びとには、ひたすら仕えるのである。
知性も教養もない首相に、ひたすら仕える杉田も、同じように知性や教養に欠けるのだろう。していいこととしてはいけないことの区別がつかないのだから。東大を出ていれば賢い、と言うわけではないのである。