新自由主義のもと、自治体は正規の職員を減らし、非正規を増やし、何でもかんでも業務を外部に委託する。自治体は、外部に委託する業務についての専門知識をもたなくなるために、もっとも公共的な業務であっても外部の民間企業に委託する。
報じられた尼崎市が委託した民間企業のそのまた下請け会社の社員が泥酔して市民の個人情報がはいったUSBメモリーを盗まれた、という事件は、じゅうぶんあり得ることだ。
市の職員には、こうした情報に関して厳しい管理規則があるのだろうが、委託された民間企業の場合は、そういう規則が緩いのだろう。しかしたとえ規則があったとしても、公務員ではない者が、きわめて秘匿性が高い情報を故意に流出させることは充分にあり得ることだ。ひょっとしたら、すでに市民の個人情報があらゆるところに、私たちの知らないところで流出している可能性もある。
政府や自治体が、新自由主義にもとづく施策を展開すればするほど、市民の安全は脅かされる。
今回の参議院議員選挙は、こうした新自由主義の施策に対する審判ということもある。しかし選挙民はそんなことを考えずに投票することだろう。騒ぎを起こしてメディアに露出する機会が多かった候補者、もとタレントであった候補者、そして権力につながっている候補者に、選挙民はみずからの票を入れるのだ。
日本がアメリカへの隷属を強めれば強めるほど、日本の国際的地位、とりわけ経済的な地位は下がり続ける。日本の選挙民は、物価が上昇し、賃金や年金が下がり、健康保険料などが高くなってどんどん貧しくなっても耐えていく。