「日本橋三井タワー」と「三井記念美術館」

「COREDO日本橋」に引き続いて、日本橋の新たなランドマークとなる「日本橋三井タワー」が明日29日に竣工します。重要文化財の三井本館を保存しながら建設された、このエリアでは最も高い超高層ビル内(約195メートル)には、オフィスの他、日本初となるマンダリンオリエンタルホテルと、美術ファン注目の「三井記念美術館」が入ることになっています。ちなみに、ホテルと美術館は、この秋の10月にオープン予定です。

三井記念美術館は、国宝6点、重要文化財20点を含む日本有数の古美術コレクションを誇る「三井文庫別館」が、移転して新たにオープンするものです。早速公式HPには、10月8日の開館日から開催予定の、「美の伝統 三井家伝世の名宝」という展覧会がアナウンスされています。10月8日から11月13日までの前期展示と、11月17日から12月25日までの後期展示に分かれたこの企画は、三井家が代々揃えてきた美術品を一挙に公開するという、実に贅沢な内容です。私としては、前期展示の円山応挙「雪松図屏風」を是非見てみたいと思うのですが、その他にも多数の名品が並ぶことになりそうです。茶室を再現したという展示室などもあるとのことで、質量共に今年の日本美術の目玉的な展覧会となるかもしれません。

それにしても最近の日本橋界隈は、三越の新館、COREDOやこの三井タワーなど、目まぐるしい勢いで再開発が進んでいます。東急百貨店の撤退によって、街全体の衰退が危惧された日本橋は、銀座や丸の内の賑わいに対抗すべく、様々な計画を着々と進めているようです。最後には、悪夢のような景観である日本橋そのものに、青空を取り戻せれば良いと思います。
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