「デニス・ホリングスワース展 『コロッサス』」 小山登美夫ギャラリー

小山登美夫ギャラリー江東区清澄1-3-2 7階)
「デニス・ホリングスワース展 『コロッサス』」 
6/2-23

スペイン、マドリッド生まれのアーティスト、デニス・ホリングスワース(1956-)の個展です。絵具が打ちまけられたようにのたうち回るその抽象絵画は、何やら混沌としながらも、どこか冷めたエネルギーを放っています。強烈な匂いも漂う油絵具自体の質感、もしくはその激しいマチエールにも見入りました。



黒、緑、青、赤などの原色の目立つ油彩絵具が、キャンバスに何層も積み重なり、所々ではまるでオブジェのように盛り上がって象られています。印象的なのは、ケーキのホイップクリームとも、はたまたアザミの花とも見える、円形で、またトゲトゲしい絵具の隆起です。特に、一面に薄く塗られた赤に、同じ系統の朱や紅のそれが点々と連なった作品が目にとまりました。全体的にあえて美感を取り払ったような、そのケバケバしい配色ばかりが目立ちますが、これだけはその色の統一感に助けられ、仄かな美感すら醸し出しています。不思議です。

アクションペインティングでもなく、またはモチーフに意味を見出しにくいような『もの派』的な絵画でもなさそうです。率直なところ、惹かれる部分はそれほどありませんが、まるで錯綜する都会の光と闇を見るような、無機質な激しさに少し感じるものもありました。

タイトルの「コロッサス」(Colossus)とは巨人を意味します。横5メートルにも及ぶ表題作は、かの「ゲルニカ」との関連性も含んでいるのだそうです。(そうは全く感じ取れませんでしたが…。)

6月23日までの開催です。(6/16)

*関連エントリ(共催展)
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