「夢みる家具 森谷延雄の世界」 INAXギャラリー

INAXギャラリー1中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA2階)
「夢みる家具 森谷延雄の世界」
9/3-11/20



「大正時代に活躍した家具デザイナー」(公式HPより引用)、森谷延雄(1893-1927)の制作を紹介します。INAXギャラリー1で開催中の「夢みる家具 森谷延雄の世界」へ行ってきました。

僅か33歳で夭折した森谷の現存作品は多くありませんが、今回の回顧展では復元を含む家具15点弱の他、作品集など計40点弱ほどの資料が紹介されています。(出品リスト)それにしてもタイトルに「夢みる家具」とありますが、実物を見るとそれも誇張表現ではないことが良く分かりました。まさにメルヘンの世界です。緩やかな曲線を描き、また時にトレードマークでもあるハート形の意匠が施された可愛らしい家具がいくつも並んでいました。

森谷は留学先のドイツの表現主義の影響も受けているそうですが、とりわけ「ねむり姫の寝室」、「鳥の書斎」、「朱の食堂」と呼ばれる3つの室内空間からは独特な感性を知ることが出来ます。グルム童話から連想して作られた「ねむり姫の寝室」における彼の言葉は、家具そのものの意匠を超えた空間全体に詩的な響きを与えていました。

「夢みる家具 森谷延雄の世界 /INAX出版」

如何せんINAXのスペースなので手狭な印象は拭えませんが、私にとってはこうした詩心を持った家具デザイナーが大正期に活躍していたことを知っただけでも大きな収穫でした。

会場風景が同ギャラリーのWEBサイトで紹介されています。

夢みる家具 森谷延雄の世界展@INAXギャラリー

なお今回の展覧会にも出品のある松戸市のデジタル美術館に彼の略歴と作品画像が掲載されていました。是非ご参照ください。

森谷延雄@松戸市デジタル美術館

11月20日までの開催です。なお東京展終了後、同じくINAXギャラリーの大阪(2010/12/4~2011/2/17)と名古屋(2011/3/4~5/19)へと巡回します。
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