「ポップ・アート展1960's-2000's」 横須賀美術館

横須賀美術館神奈川県横須賀市鴨居4-1
「ポップ・アート展1960's-2000's」
9/11-10/17



横須賀美術館で開催中の「ポップ・アート展1960's-2000's」へ行ってきました。

ポップアートと言えばまずウォーホルやリキテンスタインらを思い浮かべますが、実は今回の展示ではそれ以降、つまりは2000年代以降に活躍中の『今』の作家がかなり紹介されています。てっきり60年代のポップアートのみの展示と思っていた私にとって、ミニマルらを含んだ現代アメリカ美術が登場するのは嬉しいサプライズでした。

出品作家一例

ロイ・リキテンスタイン 11点
アンディ・ウォーホル 5点
エドワード・ルッシェ 4点
グレッグ・ボギン 5点
ヴィック・ムニーズ 5点
マリーナ・カポス 6点
デイヴィッド・ラシャペル 7点

他、全90点


ロイ・リキテンスタイン「泣く少女」1963年

ポップアートで殆ど唯一好きなリキテンスタインが10点超揃うと少し興奮してしまいます。モネをリスペクトした「積わら」や、可愛い牛が白抜きで描かれた「雄牛」など、変わらぬドットと色の魅力を味わうことができました。


ヴィック・ムニーズ「オランピア」2000年

ムニーズと言えば渋谷のワンダーサイトの個展を思い出します。例のオランピアをモデルにしたこの作品、一体何を素材にして描いているかお分かりいただけるでしょうか。実はチョコレートで描き、それを写真でおさめたものです。素材を巧み操る彼の作品はその他にも、雑誌の切り抜きで静物を象った「りんご、桃、洋梨、葡萄、セザンヌ」やダイヤモンドでモンローを表した「マリリン・モンロー」などが展示されていました。

こうした奇抜な作品の一方、スプリンクラーの形をまるで切り絵のようにキャンバスに散らしたフレイザーの「無題」の素朴な味わいも捨て難いものがあります。どちらかと言うと私自身は、こうしたミニマルの美意識の方に共感を覚えました。

飛び出す巨大立体オブジェのステラに一部手彩を含む見慣れない平面作品が展示されています。スー・ウィリアムズの何やら謎めいた「スーパーフラットの試み」など、なかなか盛りだくさんなラインナップでした。


マリーナ・カポス「059,ロニー,2002」2002年

ポップアート以降、今のアメリカ美術も一部見ることが出来る展覧会です。思いの外に楽しめました。



なお本展は2006年に損保ジャパン東郷青児美術館で開催された同名の展覧会の事実上の巡回展です。(同じミスミ・アートコレクション。上の画像は当時のチラシです。) 但し一部作品が入れ替わっていました。



10月17日まで開催されています。 *横須賀展終了後、高知県立美術館(2010年12月19日~2011年3月27日)と巡回。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )