「成層圏 Vol.3 下道基行」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「成層圏 Vol.3 下道基行」
7/9-8/13



一台のバイクによって繋がれた小さな架け橋はまだまだ続いています。ギャラリーαMで開催中の「成層圏Vol.3 風景の再起動」、下道基行個展を見てきました。

作家プロフィール、及び展示概要については同ギャラリーWEBサイトをご覧ください。

vol.3 下道基行 Motoyuki SHITAMICHI@ギャラリーαM



さて先だっての増山展のジオラマの他、インスタレーションに絵画と、ホワイトキューブを変幻自在に用いて様々な展示を繰り広げるαMですが、今回の素材は至ってシンプルな写真です。会場の壁面にはずらりと一周、あたかも映画のフィルムを繋げたかのように写真が連なっていました。



もちろんその写真には共通点が存在します。一見してすぐにわかるかもしれませんが、それらは全て何らかの「橋」に他なりません。田んぼのあぜ道にさりげなく置かれた丸太や木片、また人家の先のドブのフタから港の小舟の桟橋など、何らかの水路や溝を繋ぐ小さな「橋」が写されていました。

しかしながらその「橋」は、あくまでも「橋のようなもの」と置き換えて言うべき存在かもしれません。土管やビールのケースなどの「橋」はまるでトマソンでした。

さてこの「橋」はまだ続きます。一枚一枚の写真の下に日付が記されていることに気がつくかもしれません。その一番始めに3/16とありましたが、実はこれは今、まさに下道が現在進行形で全国を一台のバイクに乗って旅しながら写したものです。私が見た時は最後の作品の日付は7/8でしたが、会期末までにさらに作品は追加されます。



いずれもの「橋」がクローズアップして写されているからか、景色は匿名性が強く、一体どこにあるものなのかが殆ど分かりませんが、会場内にある日本地図の赤いピンでその場所も記されていました。

震災との関係も密接です。元々、今回の個展は下道の別のプロジェクトを紹介する企画だったそうですが、震災の影響により実現困難となり、今回のようなバイクでの旅のプロジェクトが行われました。なお今後、彼は東北地方を廻る予定もあるとのことです。



なお今も旅する下道からどのようにして写真が送られてくるのかも気になりますが、それは会場内に設置されたPCを見れば一目瞭然です。下道からメールで添付されたてPCへと送られた写真は、その横にあるプリンタより出力されます。それをスタッフの方が会場内に貼るという仕掛けでした。

会期最終日には下道のトークも予定されています。彼が駆け回って得たものは何かということも聞くことが出来るのではないでしょうか。

アーティストトーク 8月13日(土)15時~16時

8月13日まで開催されています。


*写真は下道がこの会場の入口にある橋と書いていた「橋」です。

「成層圏 Vol.3 下道基行」 ギャラリーαM
会期:7月9日(土)~8月13日(土)
休廊:日・月・祝
時間:12:00~17:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分
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