「アメリカン・バレエ・シアター」(ABT)記者会見

世界のスターダンサーがずらりと勢ぞろいします。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)記者会見に参加してきました。



21日のオープニングガラを皮切りに、約3年ぶりとなる日本ツアーを始めるABTですが、公演に先立っての20日、都内のホテルにて記者会見が行われました。



冒頭、芸術監督のケヴィン・マッケンジーより、自身も8回目である来日を果たせて嬉しく思うこと、またこの困難な日本の状況の中でも人々に希望を届けたいとの挨拶があった上で、出席のダンサーより本公演にあたっての意気込みが語られました。

ここで多く語られたのは、ダンサーの日本に対する深い共感の思いです。ジュリー・ケントは昨日の午後、ホテルに到着した際に日本に来たのではなく帰って来たと思ったことを話し、ABTを退団することになるホセ・カレーニョも今回の公演は特に力が入っていると述べました。



また唯一の日本人ダンサーで、今回主演を果たす加治屋百合子の発言にも注目が集まりました。

加治屋は震災の様子をNYでテレビで見て本当に心が傷んだとした上で、その中でも日本人として出来ることは何かということを考えて、アメリカのパワーを日本に持ってくるつもりで公演にのぞみたいという力強いメッセージを発しました。

またパロマ・ヘレーラは最初のツアーが16歳の時の日本公演であったこと、さらにABTとは初めての来日となるダニール・シムキンも日本に来たのは8回目だが、人々に喜びを与えるような舞台をABTとつくりたいと語りました。



その後は質疑応答となり記者とダンサーとの活発なやりとりがありました。その様子の一部を抜き出してみます。

Q 2008年にスペインでコレーラは自身のカンパニーを設立したが、その活動とABTをどう両立させていくのか。

A(コレーラ) いつも未来を考えて動くようにしている。実はスペインには20年近くもクラシックのカンパニーがなかった。その中で自分が立ち上げたカンパニーをさらに軌道にのせていきたい。実は前回来日出来なかったのは、そのカンパニーの準備もあったからだが、将来的には母国のスペインで活動したいと思っている。

Q 今回の公演にあるような古典的な演目に対してABTはどのように持ち味を発揮していくのか。

A(マッケンジー監督) ABTのダンサーほど演技力に長けていることはない。一人一人のダンサーの才能で勝負していく。ドン・キホーテはアメリカらしいエネルギーに溢れた舞台だ。その辺も楽しんでいただきたい。

Q 最後のシーズンとしての意気込みは。

A(カレーニョ) 実は今とてもよい気分だ。(笑)プロのダンサーとして25年やってきたが、そろそろ他のことも考えないといけないと思っている。一歩先へと進みたい。

Q 初主役としての心意気は。

A(加治屋) 一言でいうのは難しいが、ともかく心はとても高まっている。ABTの看板演目で主役をはるのがいかに重要なことかも良く理解している。素晴らしいメンバーの中で私なりの演技、加治屋百合子としての演技を是非みて欲しい。



またその他にも、近年制作が少なくなっている全幕ものの新作にも10年越しで取り組むということなどがマッケンジー監督より話されました。



一通りの会見が終わったのちはフォトセッションとなり、その後散会となりました。

それでは改めてABTの日本ツアーの情報です。



アメリカン・バレエ・シアター 2011来日公演

オープニング・ガラ     7/21(木) 18:30
スペシャル!ドン・キホーテ 7/22(金) 18:30
クロージング・ガラ     7/29(金) 18:30
ドン・キホーテ       7/23(土) 13:00/18:00、7/24(日) 13:00/18:00
ロミオとジュリエット    7/26(火) 18:30、7/27(水) 18:30、7/28(木) 18:30


一部公演についてはチケットにも余裕があります。また本公演の公式アカウントでは、リアルタイムでの情報も更新されています。

@ja_ballet(ジャパン・アーツバレエ専用ツイッター)

また公式ブログではこの記者会見の模様が詳細にまとめられています。そちらも合わせてご覧下さい。

会見レポート[アメリカン・バレエ・シアター(ABT)]

公演を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。世界最高峰もうたわれるABTのステージはいよいよ21日より開幕です。
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